私の予定した一ヶ月半の大半がそんな事で過ぎた。
自分のことが気になりながらも、
ウツで安定剤を欠かせない義娘の心の乱れが気になる、
子供達は友達に会いたい、何よりも父親を恋しがる、
義娘が家に来てから丁度一ヶ月、
必死に前に進み、そして無事に引越しを済ませ、
小さなトランク一つから、生活に支障をきたさない物が揃った、
こうしてスタートさせた生活に夫は文句が言えないはずだ、
同居している間に夜遅くまで女二人で話した、
私の決心も話す、
夫の事を父親として小さな時から見ている彼女、
神経を病んで亡くなった母の事は、
父のせいだと言う気持ちはなくならない。
そんな父を頼り家を出るしかなかった自分を責めていた。
とにかく私達は振り返らず前を見て生きるそう決めた、
なんとも言えない私達の関係、
「戦友だね!」

この部屋に、引越しを決めたのは、
窓一面のピンクのぼんぼんを沢山つけた八重桜だった、
そろそろ散り始める、記念に撮って写真立てに飾る、
スタートの記念ね。
来年はどうなってるかね?うん!
この桜見ながら乾杯ね。そうねきっと。
子供達は部屋決めをして好きなように飾り物をしている。
入学の為、作った中学の制服、
新しく買った勉強机も勉強道具も好きな人形もすべて置いて来た。
1年ほど前、連絡の無い夫の長男が傷害事件で逮捕された、
夫には連絡してほしくないという本人の意向だったが、
中学生の一人息子を一人にさせられず、
施設に一時的に入所しなけらばならい事になると、
少年課から電話があった。
夫も私も可愛がっていた男の子で、
難しい環境にもかかわらず、素直に育っていた、
一人で泊りにも来たり、遊びに連れて行ったりの交流があった。
もちろん私はすぐ受け入れを承知して迎え、
警察に出向き、学校へ相談に行き、
着替えを取りに行ったり
お腹がすいたと言うので、二人で美味しいディナーを楽しんだ、
19時頃、家に帰ると夫から何回も電話が入っていた、
「何回も電話してるのに、何処をほっつき歩いている!」
調べた貰いたい事があったのに、と怒っている。
7時、ほっつき歩いていたと怒る時間ではない、
私は疲れて言葉が出なかった。
何で聞いてこない!、どうなっているんだ?
家族なのに何故説明してもらえない!
イライラして私に怒り出す事がわかっていた。、
今はまだ話せなかった。
警察は取調べ中と説明してもらえず、翌日また行ってみる事にした。
一週間ほどで釈放されたが、
「すぐ返って来い!」の電話が子供の携帯にかかり、
送って行き会わずに帰った。
もちろん「ありがとう」の電話などない、
こちらに知られた事が嫌だったと思う!