ちんまりブログ

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@2018村上博行

【自由詩】 「恋 歌」

2019-02-27 15:33:04 | 自由詩
あの時、君に名乗っていたら
こんな後悔はない。

そうだ、大学一年の時
僕はキャンパスで君とすれちがった。

麗しき女性に心ときめいた。
こんな天使のような女性がキャンパスにいるとは思わなかった。

しかし、僕はあまりにも君が美しすぎて声もかけられなかった。

僕は君の名を知って大学事務局に行って住所を知った。
僕は手紙で恋の歌を書いた。
しかし、自信がなかった僕は匿名で書いてしまった。
だから返事も来ない。

無様だ。
無様だ。
無様だ。

何という愚かなことをしてしまったのだ。

しかし、唯一、君と触れ合う時が来た。
文理合同の体育の授業。
「オクラホマミキサー」の音楽で男女が一緒に踊る機会が来た。
僕は君が僕のところに来ることを願った。
ついに僕は永遠の君と手を繋いで踊った。

奇跡だ。
奇跡だ。
奇跡だ

君の手は暖かく柔らかった。
本当に君はマリア様かと思った。
君は僕のことなど知らない。

でも、もう手遅れだ。

そうしてとあるサークルに入ると隣がギター部だった。
なんと君はギター部に入っていたと知った。
隣から君のギターが聞こえて来る。
ああ、狂わしい日々。
こんなに近くにいるのに声もかけられないなんて。
僕は意気地がなかった。

そうして2年が過ぎた。
君は楽し気に男子学生と歩いているところを何度も見た。
どうも君と同じく文系の法学サークルの男らしい。
楽しそうに話している。

僕はとうとう何も言えず、僕の恋は終わった。

僕は、僕は、僕はあまりにも情けなかった。

でも新たに素敵な女性が僕の前に現れた。
毎日、お弁当を作ってくれる才女だった。
2度目の恋が始まり、僕は息を吹き返した。

キャンパスに2つの恋があった。
それを永遠に忘れない。

はっこう