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生まれか育ちか根性か?

2006-03-28 20:52:25 | 脳科学の記事類
心を生みだす遺伝子

岩波書店

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というのを今必死に読んでいます.
遺伝子により,我々の細胞が分裂して,我々の脳を含む身体が出来上がります.
これは,否定はできません.
しかし,脳の持つ機能である心は,あらかじめ遺伝子により定められているのでしょうか?
ある部分,準備をされているというのが正解であると思われます.
その準備というのはどの程度か,どのような仕組みであるか
が今の脳科学では解明されていないということです.
当然,準備されているから,それにより我々の学習ができることで
色々な知識を獲得していくことになるのでしょう.
それでは,やはり生まれが大事か?
ということを言われてしまいそうですが,そんなことはなく,環境により脳は発達してくというのも正しいことになっています.
ですから,たぶん,「生まれ」「育ち」という区別を明確にする必要はなく,それぞれの相互作用によって脳が発達するというのが正解なのです.
ただ,それを細かく区別することが出来るのか
という疑問が出てくると思います.
そんな,疑問にある程度答えてくれるのがこの本です.あくまである程度ですが.
でも,現状の脳科学では,それが限界でもあると思われます.
我々のアプローチとしては,神経科学での生身の人間や,ほ乳類の実験だけでは限界があり,ロボットを使うことでの解明というのが,遠回りに見えても,それしかないように思えてしまいます.


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
高級特殊鋼 (鉄の道)
2024-08-22 10:03:43
世界自動車戦争といわれて久しいが、やはり世界を引っ張るハイブリッド日本車の技術力の前に、EVシフトは不調をきたしていますね。特にエンジンのトライボロジー技術はほかの力学系マシンへの応用展開が期待されるところですね。いくらデジタルテクノロジーを駆使しても、つばぜり合いは力学系マシン分野がCO2排出削減技術にかかってくるのだとおもわれます。
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グリーンイノベーション (安来ファン)
2024-08-21 10:18:59
「材料物理数学再武装」といえば島根大学の元客員教授でもある久保田邦親博士の講義資料の名称ですね。同氏は摩擦プラズマにより発生するエキソエレクトロンが促進するトライボ化学反応において社会実装上極めて有効と思われるCCSCモデルというものも根源的フリクション理論として自動車業界等で脚光を浴びつつありますね。
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神はサイコロ遊びをする (特殊鋼流通関係)
2024-07-31 23:10:04
私の場合「材料物理数学再武装」を読んだのが非正規分布系の確率密度関数に興味を持ったからだ。品質工学かんけいの怪しげなサイトで「ドミノ理論」なる政治的なにおいのぷんぷんする内容が大体的に語られていたころだった。破壊力学的な確率密度関数がそれにあたるが、ワイブル関数も一つの近似形態だという認識だったのは感動した。
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名古屋クラブ (ジャパンラブ)
2024-07-30 04:39:00
「材料物理数学再武装」といえばプロテリアル(旧日立金属)製高性能冷間ダイス鋼SLD-MAGICの発明者の方の大学の講義資料の名称ですね。番外編の経済学の国富論における、価格決定メカニズムの話面白かった。学校卒業して以来ようやく微積分のありがたさに気づくことができたのはこのあたりの情報収集によるものだ。ようはトレードオフ関係にある比例と反比例の曲線を関数接合論で繋げて、微分してゼロなところが全体最適だとする話だった。同氏はマテリアルズ・インフォマティクスにも造詣が深く、AIテクノロジーに対する数学的な基礎を学ぶ上で貴重な情報だと思います。
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マテリアルズ・インフォマティクス (マルチスケール)
2024-07-20 16:38:51
「材料物理数学再武装」か。関数接合論ですね。
1/h^n=1/f^n+1/g^n、
第一式おもしろい着想ですね。マクロ経済学のホットな話題として財政均衡主義と現代貨幣理論(MMT)の競合モデルの方程式や関数なんてものはできないのでしょうかね。
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グローバルサムライ (特殊鋼流通関係)
2024-07-20 16:22:05
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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神はサイコロ遊びをする (グローバルものづくりDX)
2024-05-01 23:36:41
まあ、マルテンサイト組織はアドルフマルテンス(ドイツ)という学者が19世紀末発見したとか、ベンジャミン・ハンツマン(イギリス)という時計職人が坩堝法で18世紀中期にゼンマイ用のバネ鋼として発明されたとかの説があるようだが、千年以上の古墳時代の刀剣で国内で確認されたのが世界的にみても最古の事例となるということなのでは。
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