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SCILABによる制御系設計 その17

2017-04-03 20:45:05 | 工学
Scilab 17

前回、
位相進み補償器をやったので、今回は
位相遅れ補償器、位相遅れ進み補償器
というものを取り扱うことを考えましたが、scilabの使い方に関しては同じなので
割愛いたします。

では、今回は「状態空間表現」に基づいた制御系設計に入ります。 <尾形先生の第6章>
制御のためのMATLAB
石川 潤 訳
東京電機大学出版局


まず、可制御性と可観測性です。
1)可制御性
可制御性は、状態空間表現で与えられたシステム
dx/dt = Ax+Bu
に対して(n次)
可制御行列
[B:AB:….:A^n-1B]
のランクを調べることで確認できる。ランクがnであれば可制御である。
2)可観測性
[C:CA:….:CA^n-1]t
がランクnであれば可観測である。
これらをscilabで調べてみよう。

->A=[0 1 0;0 0 1;-6 -11 -6];
-->B=[0;0;1];
-->C=[5 6 1];
-->D=[0];
-->n=contr(A,B)
n =
3.
なので 可観測
-->m=unobs(A,C)
m =
1.
なので、1つの次元が不可観測であることがわかる。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カルマン (トライボロジー関係)
2024-08-17 22:47:57
制御工学としては最近はAIテクノロジーのほうも発達してますよね。カルマンフィルターみたいな応用でブラックボックス問題の逆解析なんかできないんですかね。
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マルテンサイト千年ものづくりイノベーション (サムライグローバル鉄の道)
2024-08-22 23:54:52
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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