歌う狸ブログ

街角狸マニアがあらゆるマニアについて歌う「マニアソングス」誕生秘話

猫と狸のシリーズ

2020-05-15 21:07:47 | 自己紹介
このブログをご覧の皆様は薄々感づいていらっしゃると思いますが、私は狸が好きです。狸と言っても置物の狸、動物のタヌキ、昔話やことわざに登場するたぬきなど様々な姿で我々の日常生活に溶け込んでいます。(注 狸研究者の間ではそれぞれの狸を区別する為に「狸」「タヌキ」「たぬき」と使い分ける場合が多いですが、統一された見解は無いように思います。そういう視点で世の中に溢れる「狸」「タヌキ」「たぬき」を見てみるとまた新たな発見があるかもしれません。)そんなわけでただでさえ色々なジャンルに渡っている狸ですが、その中でも私が特に好きなのが異種間友情モノです。いきなりなんのこっちゃという感じですが、実は狸は色々な動物と触れ合ったり、比較されたりしてこそ光り輝く役者なのです。

狸と狐と熊と人間と天狗

狸とセットにされる動物No.1はやはり狐ですね。昔から時として比較されることでお互いの存在感を際立たせてきた腐れ縁と言ってもいいでしょう。狐はスマートで狸はどこか抜けた性格、いやいや、狐はずる賢くて狸は愛嬌がある!とお互いの推しメン論争が繰り広げられてきたわけです。日本人にとってはどちらも身近な存在だったということでもありますが。

そんな長年の論争に別の視点から切り込んだのが「タヌキとキツネ」です。狸と狐のステレオタイプなキャラクターを活かしつつ、結局「どっちもかわいい」という結論に落とし込む超人気作品です。ちょっとツンデレなキツネと純粋なタヌキのコンビですが、めちゃくちゃ仲が良くて羨ましくなります。

 
異色の取り合わせでいくと「クマとたぬき」という作品もあります。こちらは社交的なたぬきと孤独なクマという組み合わせで、身体の大きさも生活スタイルも全然違うからこそ一緒にいると面白いという視点が取り入れられています。お互いに相手のことを思いやりまくるところが最高に心温まります。

 
たぬきときつねの組み合わせに人間が複雑に絡み合う作品がこちら。アマビエの漫画でも有名になったトキワセイイチさんが描いている「きつねとたぬきといいなずけ」です。里山に暮らす動物たちと都会に暮らす人間が急に出会うとどうなるかというコミカルながらちょっと複雑な関係を描いていますが、たぬきの男の子ときつねの女の子の幼馴染がいつも一緒に登場します。そこまで遠くに住んでいる訳ではないけど(動物たちは高尾山に住んでいる)普通なら交わることのない野生動物の生活と人間の生活がちょっとずつ近づいていく(?)のがドキドキする作品です。両方の視点から物語が進むので人間しか出てこない(仕事の人間関係とか)回があったりして新鮮です。ちょうど今週末エアコミティアに出品されるということですので、気になった方は是非ご覧ください。


そして、異種ごちゃ混ぜ大活劇といえば「有頂天家族」ですね。アニメ化もされた超人気作品ですが、京都を舞台に狸と人間と天狗が織りなす愛憎劇で、どの視点から見ても間違いなく楽しめる大傑作です。京都は狸と人間と天狗が入り混じって暮らしている、という設定ですが、なんか京都なら本当にそんなこともあるのかも、と思わせてしまうところがありますね。ブログマニアフェスタにも参加中のけいおうタヌキ研究所さんの研究フィールド狸谷山不動院も重要なスポットとして登場します。

 
猫と狸のお月見日和

さて、狸の異種間友情物語をご紹介してきましたが、ありそうでない組み合わせが猫と狸ですね。(長くなりましたが、これが言いたかったのです。)前々回記事を書いたバンドThe Worthlessのリーダー鷲見豪くんが無類の猫好きを公言していることから(苗字に鳥の名前が入っていたり、実家の犬にメロメロだったりしてキャラがブレるところもありますが)、2018年に「猫見豪とむらたぬき」というユニットを結成しました。「猫と狸の」で始まる曲名で異種間友情物語をテーマにするというコンセプトで曲を作り、2018年には「猫と狸のさざなみ模様」で見事日本タヌキレコード大賞を受賞しました。翌2019年にも新曲「猫と狸のお月見日和」を作ってエントリーしたのですが、残念ながら受賞を逃してしまいました。(注 2019年の大賞は今年メジャーデビューされたネクラトーキーさんの「ぽんぽこ節」という曲でした。これもめちゃくちゃいい曲なんですが大賞3連覇がかかる年だっただけに残念でした。)それはさておき、個人的には結構気に入っている曲なのでお聴きいただけたら幸いです。次回はいよいよ島が狸だらけになってきたどうぶつの森「たぬき島通信」をお届けしたいと思います。



猫と狸のお月見日和 
作詞・作曲:むらたぬき

今夜は晴れるかな 
人間はなんで天気予報を見るのかな 
ヒゲの感じでわかるのに 

狸は月を見る 
狸はなんで月を見るのかな 
いつの時代もおんなじことなのさ 

夜になったら月を見よう 
昼間は昼寝で忙しいから 

今夜はきっとお月見日和 
君の住む町でも 
遠く離れて見えないけど 
君も今夜は月を見てるだろう 

今夜は雨上がるかな 
人間はなんで天気予報を見るのかな 
なんとなく匂いでわかるのに 

猫は月を見る 
猫はなんで月を見るのかな 
どこかの誰かとおんなじことなのさ 

夜になったら月を見よう 
昼間は眠くてかなわないから 

今夜はきっとお月見日和 
君の住む町でも 
遠く離れて見えないけど 
君も今夜は月を見てるだろう 

今夜の月に照らされて 
君の姿もまんまるさ 
今夜の月に照らされて 
君の瞳もまんまるさ