歌う狸ブログ

街角狸マニアがあらゆるマニアについて歌う「マニアソングス」誕生秘話

新時代のジャグバンド-The Worthless-祝新譜リリース!

2020-05-07 21:23:00 | タヌキソングス
The Worthlessの新譜「愛の色」が発表されました!!

やりました!やったね!おめでとう!
え、なんのこと?と思った皆様はこちらをご覧ください。


ワースレスは下北沢を中心に活動する歌うヒゲと踊るマリオネットのジャグバンドで、ギターボーカルの鷲見くんとは「猫見豪とむらたぬき」というユニット名で曲を作って第五回日本タヌキレコード大賞に選ばれた仲です。




ワースレスのマスコット、踊るマリオネットの「トートン」に憧れて作ったのが狸のマリオネット「タヌキマリオ」でした。


そんなワースレスがコロナの時代に放ったダウンロード限定ミニアルバム「愛の色」ですが、私はいきなり度肝を抜かれてしまいました。これまで幾度となく演奏を聴いてきましたが、それはどこからどう聴いても伝統的なジャグバンドのスタイルにのっとった演奏でした。(注 洗濯板を叩いてリズムをとり、バンジョー、ウクレレ、ギターをかき鳴らし、カズーでソロをとる。)PAは頑なにノンリバーブ、ましてやマイク無しの完全生音で演奏することもある生粋のライブバンド。

ところがこのアルバム「愛の色」では馴染みのアコギのストロークに続いて聞こえてくるのはたっぷりとリバーブを効かせたボーカル。さらに深い深いリバーブをかけたエレキギター。ミュージカルソー(ノコギリ)や完全打ち込みのリズムトラックもあったかと思うと、やはり最後は聴き慣れたアコースティックスタイルに戻ってくる。

今のご時世なかなか集まってライブもレコーディングも出来ないという、どのバンドにとっても苦しい状況だと思いますが、そんな中でもリモートワーク(例のGarageBandですよ)でトラックを交換し、バンドサウンドを拡張したワースレスの貪欲さはすごいと単純に尊敬してしまいました。考えてみるとジャグという音楽はもともと手近にあった日用道具(デカいビンや金タライ)を楽器として活用して始めた音楽だったそうですが、今の時代、一番手近にある道具はスマホに入っているGarageBandなのかもしれません。そんなことで新時代のジャグバンドとして新たな一歩を踏み出したThe Worthless。皆様も是非一度お聴きください。(ワースレスの楽曲はこちらから購入出来ます。)

トラックは僕らの交換日記

2020-05-04 10:10:31 | マニアソングス Vol.2
世界的な片手袋研究家であり蕎麦がき研究家でもある石井公二さんと曲を作りました。

昔から暇を持て余す人生ですが、今の暇はどこか違う。でもいつかそんな暇な時もあったねと言い合えるようになりますように。石井さんがツイッターに呟いた「超ひま理論」というダジャレを題名にして、石井さんの頭の中にあったメロディーと曲展開を一緒に形にしました。スタートしたのは4月5日、Zoom飲み会とか配信のやり方を模索していた時期でした。(ずっと家に居るせいか、まだほんの1ヶ月前なのに既に遠い過去のように思えますね。)



石井さんと言えばマニア界きっての音楽好きとして知られていますが、そうそう一緒に演奏する機会はありませんでした。(注 昨年末、石井さんのトークイベントのフィナーレで1曲だけご一緒させて頂いたのが唯一の機会でした。トークイベントなのに最後が大合唱で終わるというピースフルなイベントでした。)その石井さんと曲が作れるというチャンスとあってすかさずギターを持ってZoom打ち合わせをはじめました。

石井さんが画面の前で歌った鼻歌を元にGarageBandでトラックを作り、共有します。何回か前の記事で書いたGarageBand最大の強みはこの手軽さです。同じプロジェクトをクラウド上で共有してお互いに編集出来るのです。「ギターを入れてみましたけどどうですか?」「仮歌を入れてみたので聴いてください」とかトラックを介して交換日記のようなやりとりが始まりました。憧れの交換日記をこんなおじさんになってから(しかもおじさん同士で)経験できるとは思いもよりませんでしたが、徐々に重なっていくトラックは感慨深いものでした。次々と出てくる石井さんのアイデアを形にする為、最終的にiOS版GarageBand上限のトラック数を使い切りました。

マニアフェスタで大人気、マニアブログフェスタでも異彩を放つキシリ徹さんにも勇気を出してお誘いして、初共演が叶いました。2番をバッチリ歌ってくれてますが、小ネタもしっかり忘れないのがキシリ徹さんらしいですね。

そんなこんなで完成したこの曲ですが、小ネタというかオマージュが満載の1曲となっております。皆さんはいくつ発見できたでしょうか。是非お聴き頂けたらと思います。(注 最も難易度の高いと思われるサビの最後に入っているセリフはこれのオマージュ(?)です。生まれ育った町を歩いてきた〜クボタのオヤジ事件〜

個人的には交換日記がめちゃくちゃ楽しかったので、この暇すぎる毎日も無駄ではなかったと思える気がします。石井さんどうもありがとうございました。もし頭の中にあるメロディーを形にしたいという方がいらっしゃいましたらお手伝いしますのでお声がけください!


作詞作曲:石井公二、むらたぬき