サックスと音楽と恋~musique_et_aimer

サックス奏者(マルチに活動中) 
鈴木研吾の日々の生活を綴るブログです。

異変

2009-11-13 22:47:19 | 日記
何となく体に力が入りません。
寒いから?天気が悪いから?
確かに天候によって体調は左右されますが…。

目覚ましで起きれなくなってきました。
体力が持たなかったり、やけにサックスが重く感じたり。
気持ちと行動の反比例…。
今までのツケが回ってきたのかな。
何かがおかしい。

まあ明日のレッスンはガチで勝負ですね。

辻井伸行ピアノリサイクル in 紀尾井ホール

2009-11-13 00:05:43 | 演奏会レポ
音楽界とは非常に皮肉だ。
彼のような素晴らしい演奏家が多くの人に知られていなかったのだ。
もちろんテレビ朝日が10年追い続けたり長年のファンはいるとは思うが…。
クライバーン・コンクールで優勝し、テレビで取り上げられる事によってやっと人々に知られるようになった。
「盲目の青年が日本人初の優勝をした」と…実際自分もこの件で知った一人である。
世の中には素晴らしい演奏家(音楽家)がたくさんいる。
だが、悲しい事に多くの演奏家(音楽家)は結果を残さなければ中々知られない。
そして、のぼりつめた演奏家はスケジュール的にも演奏的にもこれでもかって程の演奏会をこなす。

音楽をしていれば必ず邪念が入る、誰もが知っている・耳にしたことがある曲なら尚更だ。
このフレーズ、タッチ、技術・・・どう弾いてくるかetc.
だが、彼の演奏はどうだ。
彼のピアノは癒しの世界へと連れてってくれた、と言うよりピアノであってピアノではなく、彼の導きにただついていくような時間だった。
まるで聴衆に一つひとつ教えてくれるような音の並びだった。
一つひとつの音がしっかり聴こえる、和音がきれいに聴こえる。
決してうるさくないフォルテ、芯の強さと豊かさを兼ね合わせたピアノ。
舞台の中央に座って彼の音遊びをただ見守る、そんな感じだった。
前半のベートーヴェンの後のショパン、言葉で言うのは簡単だが本当に色彩豊かだった。
今にも溢れそうな涙を必死で止めていたが、アンコールの「川のささやぎ」でついに流れてしまった。
彼の純粋な気持ちが音と共に伝わってきた。
誰にも邪魔されずに、ただこのままでいたいと強く思った。

一体彼は見えない目で何を見て来たのだろうか。

そしてこんな至福な時を味わったのはいつ以来だろうか。
初めて「森麻季」のリサイタルに行った時以来だと思う。
本当に幸せなひとときでした。

ちょっとした持論を述べましたが…あの空間にいれたことに本当に、本当に全てに感謝したい。