富田林を豊かにする会 代表 武藤宏 ~我が街、豊かに 

地方の繁栄、豊かさの実感
「住みやすい街」から「豊かな楽しい街」を目指して
生活を楽しみながら、心構えと精進の日々

パブリックコメント

2018-02-05 13:32:54 | 日記
1月8日の記事「富田林市は生き残れるのか?」は、
根拠にしたグラフはすべて富田林市役所HPで公表されている
タイトル「富田林市公共施設再配置計画(前期)(素案)」からの引用です。

タイトルから内容を想像することは難しいですが、
「公共施設が全般的に老朽化し、修繕・更新の時期が来ているものの
莫大に経費が掛かるために財政的に厳しくソフト面ハード面で
総合的に計画を練らなければない」という観点で行政はどう考えているか、
まとめたものです。

残念ながら、公共施設の役割機能の見直しの検討に至っていません。
ハード面で最低限のメンテナンスを行い、耐用年数を繰り延べ、
今後約20年にわたって支出を抑えながら平準化してなんとか乗り切ろう、
と締めくくっております。

とはいえ、市財政トータルでみると大幅な不足を繕うことは無理のようです。

HP公表した文書の深刻さと重みは、果たして市民に届いたでしょうか?

私は、1月末の期日までにこの計画素案について以下のような市民としての
コメント(パブリックコメント)を寄せました。

 
中央図書館             金剛図書館

以下はその内容です。
「富田林市公共施設再配置計画 素案」についてコメントさせていただきます。
特に「図書館」を取り上げ、意見をまとめてみました。

統計によりますと1985年~2015年の30年間で図書館の数は約2倍に増えて、登録者数は横ばい、貸出蔵書数は約3倍に増加しています。図書館を利用する登録者数が増えていない割に貸出蔵書数が相当増えていることは、限定された利用者がより利用度を増していると理解できます。極端に言うと、厳しい予算の元で一部の人が効果的に利用しているということになります。
もちろん、図書館の文化的な価値、一部の人が十分活用をすることを否定するつもりはありませんが、公共施設全体の中でバランスよく図書館の目的と運営の仕方を再考する必要があるのではないかと思われます。

公共図書館の役割は
・資料の収集・整理・保存・提供
・図書の収集・整理・保管・貸出
・集会活動や行事の実施
・読書室、視聴覚室、インターネットコーナー、自習室など場の提供
・資料及び図書館利用に関する指導
と言われています。
これらの役割や機能を今後少なくなっていく予算でどのように実現していくかは喫緊の課題であり、図書館に限らず、公共施設や公共設備全てに共通する問題でもありましょう。
少子化や高齢化、人口減少による、社会保障費の増加、税収の減少、結果として図書館予算の削減圧力や自治体の図書館財源不足はさらに深刻になっていくと想像できます。

財政難がより深刻になれば、公共図書館の将来は
その役割を放棄する、
最小機能のみを維持する、
私設図書館として利益確保モデルを創造する、
などの選択を迫られることになるかもしれません。

放棄することには苦渋の決断を伴うことでしょう。
それを望まないならば今後の図書館モデルを作り上げる必要があります。様々な選択肢の検討や市民の理解や官民一体の協力など、弛まぬ努力が求められることでしょう。外注化など安易な方法で解決するはずはなく、むしろ本当に必要な価値を獲得するために今までにないソフト面の変革と実現の不断の努力が必要だろうと思います。

「富田林市公共施設再配置計画(前期)素案」の冒頭
「公共施設の現状をハードとソフトの両面から正確に把握し、『選択と集中』の観点から、計画的な更新・統廃合等を図るなど、そのあり方を検討することで、将来的に必要となる修繕・更新費用を最小化・平準化していくことが重要となります。」と述べられております。
続いて
「そこで本市では、平成28年3月に『富田林市公共施設等総合管理計画』を策定し、公共施設の『総量の最適化』、『長寿命化』及び『ライフサイクルコストの縮減』を柱とする公共施設マネジメントを推進することとしました。」

老朽化対策のハード面の修繕・更新を柱としており、ソフト面のことは語られておりません。
成長経済時代の全国的な公共施設のパッケージでは、財政難に対処できないだけでなく、新しい時代や世代に必要な文化的な価値を引き継いでいくことができないと思われます。

ソフト面に関して、どこで企画立案され、どこで議論・検討・決定されることになるのでしょうか?

富田林市は全国に先駆けてソフト面の改革に取り組んでみてはいかがでしょうか?
この機会を逃せば、設備の維持は何とかできても(?)、今後長く財政難に喘ぎ続けなければならないのではないかと思います?!」

自治体も稼ぐ時代に

2018-02-05 12:55:43 | 日記
いよいよ税収不足で自治体が崩壊しかねない時代を迎えました。
人口減少、高齢化による歳入の減少
高齢化に伴う社会保証費(年金、健康保険など)の歳出増加
国家財政の逼迫による国からの助成金の削減?

さらに追い打ちをかけるように、公共設備の老朽化対策でさらに状況が厳しくなります。
このことは前回の記事「富田林市は生き残れるのか?」で書いたように明白な事実で、
日本中ほとんどの自治体が直面している課題です。

公民(行政、民間、個人)を問わず、真剣に深刻な課題から脱却し、
将来に向けた繁栄を目指す努力や試みは、待ったなしです。


今日、日経ニュースメールに興味深い記事がありましたので引用します。
タイトルは「ふるさと納税王者の戦略 自治体も経営する時代」

「 ふるさと納税が2年連続で日本一になった宮崎県都城市。2017年度も70億円ほどの納税を見込み、新たな財源は子育てや観光振興にあてる。どうして、ここまで稼げるようになったのか。都城市の池田宜永市長は「地方は人口減で消費が増えない。自治体も経営する時代で『外貨』を手にしないといけない」と話す。
■肉と焼酎への特化が効いた
 JA都城の直売店を運営する協同商事(都城市)の川添英生店長は「4年前にはじめたところ、予想を超えて飛ぶように売れた。今はふるさと納税の売り上げが年間10億円にのぼり、会社全体の3分の1を占めるようになった」とうれしい悲鳴をあげる。
 一番人気はA5等級のサーロインステーキ。ふるさと納税なら1万2000円の納税の返礼品で、実質負担は2000円と破格だ。当初はすぐに品不足になったが、最近は多くの畜産業者と連携することで安定して出荷できるようになった。川添店長は「肉と焼酎に特化する都城市の方針が効いた」と話す。
 都城市のふるさと納税は、15年度に42億円、16年度に73億円と2年連続で日本一。ただ12年度はわずか300万円弱にすぎなかった。改革を主導したのは、6年前に財務省から都城市のトップに就いた池田市長だ。市長は「都城を知ってもらうためのPRツールとしてふるさと納税に力を入れた」と話す。
都城市の池田市長は「自治体も経営する時代」と色々な施策を展開している
 ただ、公平を是とする公務員の職員からは「地場産品を平等に扱うべきだ」との声が噴出した。都城市にはラッキョウ、木刀、弓といった地場産品がほかにも多数ある。市長は「職員や他業界の反発はわかるが、全国にわかりやすく訴えるには腹をくくるしかない」と決意。「平等主義」を脱し、14年10月に肉と焼酎に特化したふるさと納税の商品を作ると決めた戦略が、大きなターニングポイントになった。

■ふるさと納税で民間の協議会
 もう一つが16年春に地元民間企業の資金で運営する「都城市ふるさと納税振興協議会」を立ちあげたことだ。市長は「皆さんが都城の看板を背負っている。当事者意識をもち、ふるさと納税の事業に参加してほしい」と訴えた。都城市の戦略にもとづき、民間企業が商品開発、発送、アフターサービスなどの環境改善を自発的に話しあってきた。全国唯一の組織とみられる。いまも約80社が参加し、月1回のペースで議論する。官民が肉と焼酎の地元産品で返礼し、対外的PRにつとめるという目標を磨きあげた。
 宮崎牛に加え、PR効果が大きかったのは6年前に焼酎業界で売り上げトップに立った霧島酒造(都城市)の焼酎だ。20年前に開発した「黒霧島」を中心に、品薄だった「赤霧島」なども返礼品に組みこんだ。当時は100万円で1年分の芋焼酎(365本)を送る商品を作り、インターネット上で話題になった。

 全国トップを獲得したことで未来に向けた財源が増えた。16年度の納税額73億円のうち、子供支援に21億円をあてた。市長が自由に使途を決められる31億円は「ミートツーリズム」といった新たな観光振興に使っている。
 都城市によると、2001年から14年までの域内総生産は20%の伸び率で、宮崎県全体の2%を大きく上回る。牛肉や焼酎の産業が伸びたことが大きく、それをさらにふるさと納税事業が押し上げようとしている。市長は「100年の老舗企業も変革している。自治体のトップも意識を変え、外からお金を稼ぎ、地元にどう還元できるかを考えないといけない」と強調する。」


もちろん「ふるさと納税」は宣伝方法の一つの手段にすぎず、
今後商品やサービスや提供方法や広告・宣伝方法は開発されるべきでしょう。
大切なことは、公民が一体となって地方・地域が取り組まなければいけない、ということです。