アフガン情勢を見ていて、今後の展望をうかがうために、中国の「一帯一路」を知る必要に迫られた。
イギリス、ソ連、そしてアメリカ。当時の大国が似たような顛末をたどったアフガン。次に関与するなら、中国だろうと誰しも想像する。しかしアフガンは一筋縄じゃない上に、「一帯一路」も中国がいうほど単純に「ウィンウィン」な夢物語ではない。では何が問題で、何が可能で、日本はどうするのが良いんだろう。
と考えるとき、自分に「一帯一路」の知識がほとんどないことに気づいたわけだ。新聞やNHKが教える概要くらいしか知らない。それがアフガンを通るのかさえ。
ということで大変勉強になる読書で、本は付箋だらけになった。
ロシア主導のCSTOも、中国が注力するSCOも、テロの流入を大いに警戒し、それを結束の一因にすらしている。アフガンへの西進という野望云々の前に、大きな懸念が転がっている。大国がアフガンでやらかした失敗をつぶさに観察してもいる。中国は賢い。そうそう、強引にアフガンをフロンティアとしていくことはしないだろう。
とはいえ、私は一種の無力感のようなものにも捉われる。海洋進出だ現状変更だといって欧米各国と日本は中国を非難するが、国力の増大にしたがって勢力を拡げ、現状を変更してきたのは、まさに時の大国である。因果応報、歴史は繰り返すのみと思ってしまう。
クアッドやAUKUSといった新たな枠組みは、信頼よりも不信と恐怖を燃料源にしているようだ。中国が屈辱の歴史を糧にしてきたのと表裏一体で。
