よい子の読書感想文 

読書感想文515

頭がいい人が使う話し方のコツ』(神岡真司&日本心理パワー研究所編  日本文芸社)

 いかにもコンビニに売ってそうな、軽薄かつあやしげな新書である。心理パワー研究所などと書いて販促効果があるとでも思うのだろうか。スピリチュアルな、いかがわしい団体? と逆に不審に感じてしまう。ついでに言えば“頭がいい人が使う”という枕詞。人を馬鹿にしている。そもそも頭のいい人はこんな本は手にしないだろうから。
 と、散々書いたくせに何故私はこれを手にしたかと思い返して、あることに気づいた。古本屋そのものの、店舗の魅力である。いままで無意識に、そこに行けば欲しい本があると感じていた幾つかの古本屋。今回こんなものを買った経緯によって、店舗の魅力が購買意欲を増すということに気づいた。
 内容については一般論に毛が生えたものや、どこかで聞いたような心理学、話術など。付箋紙を貼ったりする気も起きなかった。
 人生における読書の時間は有限だ。購入の際には気をつけねばなるまい。下らぬと思ったら中途で捨てる勇気も必要だろう。しかし食べ物を残すことができない性分と似て、貧乏性の一種か、捨てるのは読んでから、とねばってしまうのだ。


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