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知らないことや気になることをいろいろと調べて記録していきます
 



 

このブログではたまに現在 (=執筆時点) のことを取扱うが、しばらくして状況が変わってしまうことがあり、定期的にアップデートをしなければならない。
ということで、2017年11月に記した 「東京の野菜生産状況」 (データは主に2015年) について前回同様に野菜ナビの統計 (https://www.yasainavi.com/graph/) を参照しながらアップデートしようと思う。

まず全国の野菜収穫量のランキング (2021年) だが、じゃがいも、キャベツ、だいこん、たまねぎ、はくさい というトップ5の順位には変動がない。但し、じゃがいもは240.6万トン→217.5万トン、だいこんは143.3万トン→125.1万トン、たまねぎは126.5万トン→109.6万トンなど収穫量が減っている。キャベツは146.9万トン→148.5万トン、はくさいは89.46万トン→89.99万トンと微増ではあるが、野菜全体の収穫量が減少傾向であることは変わらない。

上位5野菜の輸入に関しては、たまねぎは横ばいだが、じゃがいもの輸入が増加傾向にある。とはいえ4.7万トンであり、全体の出荷量 (217.5万トン) からすると割合は低い。全体的にあまり輸入が増えている感じではない。野菜の場合は鮮度や容量・重量の関係で輸入が難しいこともあるだろう。円安が進んでいることを考えると、野菜生産は国内回帰の流れになりそうだが、人口減少で消費量が逓減することが課題だろう。

そして東京の状況だが、前回同様にJA東京中央会の「東京農業の概要」を参照していると、農業全体で東京の耕地面積は7,400ha(2013年)→6,290ha(2023年)、また農家戸数は11,224戸(2015年)→9,567戸(2023年) と減少している。前回時点で65歳以上の割合が過半数だったので、約10年で農業をやめた方が多くいたと思われる。

収穫量の最も多い野菜は引き続きだいこんだが、 11千トン(シェア0.8%)→8.4千トン(シェア0.7%) と減っている。キャベツも10千トン(シェア0.7%)→8.4千トン(シェア0.4%) と減ってしまった。
その中で小松菜は、8.6千トン(シェア7%)→8.4千トン(シェア7%) は比較的安定した収穫量を維持している。
そして、前回東京が収穫量トップとして紹介したルッコラだが、いつの間にか収穫量がゼロになってしまっている。調べたところ、前回紹介した2014年(H26)時点では44トンで1位だったが、2016年(H28)から収穫量データがなくなってしまった。生産が全くなくなったとは思えないが、いずれにしてもトップとして君臨するという状況ではないようだ。

地域の入れ物 ルッコラの生産量の都道府県ランキング
https://region-case.com/rank-h26-product-arugula/
https://region-case.com/rank-h28-product-arugula/
https://region-case.com/rank-H30-product-arugula/
https://region-case.com/rank-R2-product-arugula/

さて、野菜に加えて、東京の果物生産状況についても見てみよう。野菜ナビの姉妹サイトである果物ナビの統計 (https://www.kudamononavi.com/graph/) を参照する。
東京は2020年時点でブルーベリーが収穫量で第1位であることがわかる。但し、2018年は長野が首位だったようで順位の入れ替わりも激しいようだ。

読売新聞オンライン 2022/12/19 ブルーベリー収穫量、東京都が全国1位https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221219-OYT1T50059/

東京都内の収穫量は、2015年に30年以上トップに君臨していた長野県を抜いて全国1位に躍り出たことはご存じだろうか。その背景を調べてみると、ブルーベリーの特性と都内ならではの理由があった。
都内でブルーベリーを手がける農家が増えたのは、観光農園の発展と大きな関係がある。
ブルーベリーは、収穫後に「追熟」することはほとんどない。熟した実を収穫してすぐ食べるのが一番おいしいとされる。一方、収穫は一粒一粒を手で摘む作業で、1人では1日20キロ程度が限界だ。そこで思いついたのが、客がブルーベリー狩りを楽しみつつ、結果的に収穫を助けてくれる観光農園だった。「収穫で苦労するのではなく、レジャーとしても楽しめる農業にできたことが大きい」と語る。
都内の特徴は「収穫」のうち市場などへの「出荷」が少ないこと。2019年は収穫量が372トンだったのに対し、出荷 (加工向けを含む) したのは136トン。市場などに出荷するのではなく、都内の栽培農家が消費者に近い立地を生かし、観光農園として成功していることが、数字からも裏付けられている。

実際に東京で少し郊外に行くと、ブルーベリー農園が目立ち、私も夏にはブルーベリー摘みを楽しんでいる。そして東京のブルーベリーは、その特性を活かした生産であることがよくわかる。

またパッションフルーツもシェアが3位と上位につけている。南国のイメージの強いパッションフルーツで、小笠原など東京の島しょ部かと思いきや、八王子で積極的に生産が行われている。

八王子パッションフルーツ生産組合 公式ホームページ 生産組合の概要
https://hachioji-passion.tokyo/kumiai_gaiyou/

八王子市といえば、東京都内 (島しょを除く) において、農産物栽培面積、および生産金額ともにナンバー1を誇ります。それだけ、様々な農産物があるわけですが、名産といわれる農産物がないともいわれています。
そこで、何か名産品を作ろうということで、若手農業後継者が集い、パッションフルーツを名産品とすべく活動を開始しました。
八王子市内では、平成19年ごろからパッションフルーツの栽培を始めました。生産組合員の1人が小笠原にて農業研修に訪れた際に、パッションフルーツと出会ったのがきっかけです。その後、少しずつ生産者が増え、現在13名の若手農業後継者が、パッションフルーツの栽培をしています。

パッションフルーツの全体の生産量が少ないこともあるが、自分たちの生産が直接的にシェアに繋がるという状況は、生産者にとってモチベーション向上に繋がるだろう。
パッションフルーツといえば八王子、と認識されるようになるまで頑張ってもらいたい。

このトピックについてはまたしばらく後にアップデートして、農作物や果物の生産状況を確認しようと思う。

 



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