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知らないことや気になることをいろいろと調べて記録していきます
 



 

このブログではインディアン・プレミアリーグ (IPL) を中心にクリケットを何度か取り上げている。IPLは2022年からラクナウ・スーパージャイアンツとグジャラート・タイタンズが新たに加盟し、10チーム体制となった。
2023年から5年間の放映権料は1試合当たり約11億4000万ルピー (約20億円) であり、世界のプロスポーツリーグでNFLに次ぐ2位となったそうだ。世界中のトッププレーヤーが短期間に集まるので注目度が高く、またインドの人口の多さ、国土の広大さ、経済発展により今後もリーグの発展が期待される。

クリケットの試合 (国際試合) の形式は大きく3つある。「Test Match」「One Day International (ODI)」「Twenty20 (T20)」で以下の動画の説明がわかりやすい。

 

クリケット=試合が何日にも渡る、というイメージは 「テスト」 を指しているものだ。これは国際クリケット評議会に認定を受けた12のナショナルチーム (オーストラリア、イングランド、南アフリカ、インドなど) しか行うことができない格式高い試合形式で、1877年からの伝統がある。
T20は2000年代に導入された新しい形式で、試合時間が3時間ほどなので、観客動員数向上につながりまたテレビ中継しやすいというメリットがある。IPLはT20で行われている。

さて、IPLのロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールに所属し、インド代表の主将も務めたヴィラット・コーリ (Virat Kohli、1988年11月5日~) は史上最高のバッツマン (攻撃手) の一人と言われる。2011年にクリケット・ワールドカップ優勝し、2020年には国際クリケット評議会より直近10年間における世界最優秀選手賞を受賞した。
私生活では2017年に人気女優のアヌシュカ・シャルマと結婚し、インドを代表するセレブ同士のビッグカップルというこで大きな関心を集めた。インドではスポーツ界を越えたスーパースターであり、インド映画のトップスターなどを引き離して最もブランド価値の高い著名人に選出されている。

 

そのヴィラット・コーリの2023年9月時点の通算成績は以下のようになっている。「テスト」「ODI」「T20I (国際試合)」「IPL」と分かれて示されている。

 

ここでは打率に注目する。打率は得点したランの総数を、出場した回数で割ったもので、プレーヤーが得点するランの数と出場する頻度は自身の能力の尺度であり、打率はプレーヤーのスキルを見る指標と言える。
平均的なバッツマンの打率は20~40であり、ボウラー (投手) も秀でたオールラウンダー選手の打率は20~30、ボウラーメインのプレーヤー打率は15程度と言われる。

以下は2019年9月時点の 「テスト」 「ODI」 「T20I」 の打率の分布を示したものであり、ヴィラット・コーリは現役選手なので最新の数字ではないが、ODIとT20Iの打率は歴代でも上位にランクされることがわかる。

 

この中で特記すべきは、テストにおけるドナルド・ブラッドマンの99.94 (1928~1948年) だ。正規分布を無視して、あまりにも突出していることがわかる。 (ドナルド・ブラッドマンの時代にはODIとT20はなかった)

 

ドナルド・ブラッドマン

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3

サー・ドナルド・ジョージ・ブラッドマン (Sir Donald George Bradman、1908年8月27日 – 2001年2月25日) は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州出身のクリケット選手。「クリケット史上最高の選手」と評され、ペレやモハメド・アリ等と共に20世紀を代表するスポーツ選手の一人である。
最も偉大なバッツマンの一人であり、特にテスト・クリケットでの通算打率99.94は歴代選手の中でも抜きんでており、最高のバッツマンの座を確固たるものにしている。
22歳の誕生日を前に多くの高得点の記録を残し (現在も一部の記録は破られていない)、当時大恐慌に襲われていたオーストラリアにおいてスポーツ界のヒーローとなった。約20年間の選手生活において、常に安定して高得点を残した。

1987年にはオーストラリア国内で初めて存命中の人物を記念する博物館としてニューサウスウェールズ州のボーラルにブラッドマン博物館が設立された。2008年8月27日には彼の生誕百周年を記念して、王立オーストラリア造幣局が彼の肖像の5ドル記念金貨を発行した。 また2009年に国際クリケット評議会名誉殿堂が設立されると、その初期メンバーに列せられた。
2000年に100人の専門家による委員会によって、「20世紀最高のクリケット選手」に最多得票数で選出された。

 

同じ時代に活躍したハーバート・サトクリフ (Herbert Sutcliffe、イングランド) の通算打率が60.73 (1924~1935年)、後の代のケン・バリントン (Ken Barrington、イングランド) の通算打率が58.67 (1955~1968年) であることを考えるといかに突出したものかがわかる。
ドナルド・ブラッドマンのプレーやエピソードがわかる動画があるので見てみよう。

 

ドナルド・ブラッドマンが現在プレーしていたら、ワールドカップやIPLで大きな脚光を浴びていたか、或いはT20で戸惑っていたかはもちろんわからない。ただし傑出したプレーヤーが歴史をつくって現在につながっていることは確かだろう。
プレーヤー成績を見ながらクリケットを観戦するとより楽しめそうだ。

 



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