映画主戦場を巡って「東風」「出崎・ノーマン・エム」と保守の論客8名の間で裁判になっていますが、出崎・ノーマン・エム氏が合意書を取っているので、問題ないと主張している件で、その主張の問題点を、もう一度、私なりに検証していきましょう。できるだけ、解りやすく説明したつもりです。出崎氏が、詐取しているのは、合意書と承諾書で、内容が大きく違います。合意書は、契約の要件を満たしていますが、承諾書については、出崎氏の一方的な権利を記載したものになっております。承諾書については、以前のブログで、問題点を指摘していますので、今回は、藤岡氏と藤木氏が出崎氏と取り交わした合意書について出崎氏の主張の何が問題か?を述べていきます。私は、弁護士ではありませんが、現在契約書を取り交わす業務には、携わっておりますので、契約に関しては、まったくの素人ではありません。
問題点1
本映画に使用されている乙(藤岡信勝氏、藤木俊一氏)の発言等が乙の意図するところと異なる場合は、甲は本映画のクレジットに乙が本映画に不服である旨表示する、または、乙の希望する通りの声明を表示する。
この事項に対して、出崎幹根氏の主張が、以下
2018年の釜山国際映画祭での上映に先立ち、藤木氏、藤岡氏に対しては、本人たちの要請により、本人出演部分の映像を送り、「意図に反して映像が使用されていたり、発言の解釈が間違って使用されていたら2週間以内に返事をいただきたい」と伝えたものの、返事はなかったので、「不満はないだろうと判断した」とのことである。「映像が(取材対象者の)意図に反して使われていた場合は『本映画に不服である』旨を、エンディングクレジットに表示するということも合意書に明記している。しかし、映画公開に先立って彼らが、異議を申し立てることはなかった」として、デザキ監督は「課せられた合意書の義務は果たしたと考えている」と述べた。(2019年6月3日(月)14:00~15:00 於 弁護士会館(東京都千代田区))
この主張の問題点は、出演部分の映像だけを切り取ったら意味がないという事です。その映像の前後の展開を見せないと自分の発言がどう切り取られたかは、理解できない。まったくの詭弁である。
問題点2
下記の合意書の事項については、著作権の問題を盾に債務不履行にした事を、述べていない。
出崎・ノーマン・エム氏(甲)は、本映画公開前に乙(藤岡信勝氏、藤木俊一氏)に確認を求め、乙は、速やかに確認する。
問題点3
卒業論文の為の映画「歴史問題の国際化に関するドキュメンタリー映画」と市場公開の映画「主戦場」は、常識で考えれば、別の映画なので、合意書の8の契約条項違反(つまり、この契約事項について、出崎氏の債務不履行)なのですが、出崎氏の主張は、卒業論文用に作成した映画と市場に公開した映画「主戦場」は、同一のものなので、下記の契約条項(他の映画に作成に使用する事がない)には抵触していないという事のようです。この主張が認められるかは、別として、この主張にも問題があります。卒業論文用の映画については、権利は出崎・ノーマン・エム氏(個人)ですが、市場に公開した映画「主戦場」の権利は、ノーマン・プロダクションズ(法人)です。当然甲は、乙に対して、映画の権利者が変更になったので、契約書の甲を変更させて下さいと通知して、乙の了解を得たのち変更契約書にお互い署名押印する事が必要になります。以下問題の部分の契約条項
8.出崎・ノーマン・エム氏(甲)は、撮影・収録した映像・写真・音声を、撮影時の文脈から離れて不当に使用したり、他の映画等の作成に使用することがないことに同意する。
正直言ってこのような卑怯で厚顔無恥な出崎・ノーマン・エム氏を支持する、どうしようもないマスコミがあまりにも多い。少しだけでいいので契約とはどういうものか調べて記事を書いて欲しい。