たいして詳しくもないのにjazzを語る第二弾。
ビル・エヴァンス。
ビル・エヴァンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」を聴くと
その完璧さに軽い眩暈を覚える。恐ろしく慎重に、用心深く、周到に、もちろん
そういった計算された部分が前面に出て嫌味になるのをさらに消してしまう
というまさにダブルスタンダード。完璧に完璧。変な言葉w
それほどに、ひとつひとつの音を発するのにも、可能な限りの気配りをしている。
それでいて縮こまっているわけではなく、むしろ奥行きを感じる。
京都のいわゆる「おしゃれ」な通りを歩いていると
そこかしこのカフェ、喫茶店、飲み屋、などからJAZZの音がもれてくる
そして大体、京都人が好んで流すのはエヴァンスらしい。
もちろんこれは主観的なものだから、「んなことねーよ!うちの店は
マイルスしか流してねーよ!」という店もあるだろう。
ただ京都とエヴァンスという組み合わせはなかなか悪くないように思える。
まあ、あくまでも主観。
その主観をもってしても、エヴァンスのような完璧なものを語るのは難しい。
もちろんこういった場合、石が語ることが
許されているのは、彼の過去なり、伝説なりを紹介するということくらい
だろうか。まあ、そんなことはもうすでに多くのジャズ評論家がしている
だろうし、石の教科書である村上春樹の「ポートレイト・イン・ジャズ」を
読んだ方が手っ取り早い。
おっと。どうやらビル・エヴァンスの完璧さが石にも乗り移ったらしい。
なんだかさっきから文章が固い。頭も固い。
いつも通り、やろうっと。
はいはい。
それでビル・エヴァンスの音楽は何かに似ていると思って、考えていると
なんだあの人じゃないか。
松本幸四郎。
あの「王様のレストラン」でギャルソンを演じた松本幸四郎
あのキャラが象徴するようなものにエヴァンスが似ていると思う。
(補足)『王様のレストラン』(おうさまのレストラン)
1995年4月19日~7月5日、フジテレビ系列で放映された連続テレビドラマ
三谷幸喜脚本。
ピシッとシャツにチョッキ、蝶ネクタイでキメている。
いつもドタバタを繰り返すレストランの困った面々を時には宥め、時にはおだて
て、時には叱り、巧みな話術でやる気を引き出す。
そんな厨房のすったもんだを決して、お客様のいるホールには漏らさない。
そして出来上がった料理を何事もなかったかのようにお客にサーブする。
客は笑顔を浮かべ、料理人も達成感を覚え、レストランの経営者も頷く。
誰しもに満足を均等に与える。
この完全無欠のキャラがよくビル・エヴァンスの音に似ていると思う。