『ある日のひとこと』

500m美術館 2010/11・1~12・12 札幌大通り地下コンコース




広告に使うライトボックスを展示場所として提案され、それを活かす作品を考え、
塩ビ板に電動ドリルで穴を空けその後ろにカッテングシートを張って光の効果を
活かしました





『元気』。これが今回の制作で設定したテーマ。
発表の場が公共の通路であることを考慮して、思考に訴えるというより瞬間的は感覚を通じて伝わる
よう視覚的要素を重視した。とはいえ、それぞれの形や色にはそれぞれの意味を持たせている。
形には『安息』『広がり』『発散』『共鳴』『繋がり』などを、青には『空間、領域、間』を、赤には『エネルギー、
生命、力』を、黄には『勇気、心、メッセージ』などの意味を含ませた。
これらの作品を目にして、ほんの少しでもドキッとしたりわくわくしたりスッキリしたりしてもらえると
嬉しい。そして、わずかでも元気ややる気や勇気が湧いてきてくれたならもっと嬉しい。
どんな人にとっても自分を発揮でき自分を活かせる<とき>と、場>はとても大切なもの。そこには、
それを受け止めてくれる人がいることも大事になる。誰かと繋がっているという実感が元気の源に
なり希望の支えになってくれる。
多くの人達に作品を観てもらい繋がりを持てるこの場を与えられたことに心から感謝したい。



発散

穴を開ける作業は修正ができないので、後半になるにつれ緊張度は増していき最後のひと穴は頂点に
穴と穴が繋がってしまえばそこで終わりになるため、息を止めるほどの集中力が必要でした
両方とも内側から外に向かって進めました


繋がり





 『質感覚』 2013/4・27〜7・25










1948年浦河生まれ。美術作家。札幌在住。
絵画中心の制作が1996年辺りから立体に移行し始める。
素材はベニヤから木へ、そして現代的で無機質なアクリル板
塩ビ板へと変わってきた。アクリル板による制作の最初の数年間は
乳白色の半透明を活かしていたが、塩ビ板も使うようになり
白黒の世界に入る。そして近年、赤も加わり有機的な要素が強くなってきた。
『内包』というテーマは人としての普遍的な共通項を見出したいという
願望そのものである。



『内包』をテーマとして制作し始めてすでに10年近くになっ
ている。最初の頃は自分自身を定義付けるものは何なのか
を追い続けていた気がする。内面に潜む深層に目を向けて
いるうちに自分の存在理由は外側にあるとの意識が強まり
個人としてというより人として動物として生き物としての共
通項を探し求めるようになった。
このテーマはライフワークにしていきたいと思っている。
赤い作品は実像と虚像の関係を表現している。原寸大の自
分とちょっと遠くにいる気恥ずかしくなりそうな自分を同時
に確認できる。どっちも紛れもない自分。白と黒の凸型のも
のは誕生をイメージしている。それらの形は似ているが決し
て同じではない。凸面は次に繋がるエネルギーの膨らみで
もある。方形の連なる作品は絶えることのない時を意味して
いる。波のようにいつまでも過去と未来を彷徨う。
制作前に意図が明確にあるというよりは完成後に作品から
その意味を知らされ教えられる場合が多い。今回の出品作
もそうだった。












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