ゲームの話。
昨日いけにえと雪のセツナで裏ボスを倒した。
プラチナトロフィーゲットとまではいかなかったが、ひとまず感想日記を書こうと思う。
■個人的に好きだったところ
・昔ながらのお約束がたくさんあった
・クロノトリガーリスペクトがそこかしこにある
・ノスタルジーが溶ける前にクリアできるプレイ時間
・BGMがピアノ曲1本勝負という意気込み
・敢えて行間を持たせたストーリー
・クオンが可愛い
■個人的に的に苦手だったところ
・魔物の種類が少ない
・素材集めマラソンのダルさ
・ラストの仲間加入が遅い
・竜剣の処理落ち
・アイテム購入数選択が面倒
・つよくてニューゲームがない
■感想
「取り戻そう、僕らのRPG」という煽り文句で立ち上げられたゲームなだけに、昔ながらのお約束が多々ある。
特にクロノトリガーリスペクトが半端ない。
戦闘もそうだし、武器もそう。
作中に出てくる古代の王国の盛衰ぶりも、クロノトリガーを知っている奴なら魔法の王国ジールを想起せずにはいられないだろう。
セーブ時に出てくるシナリオタイトルにもニヤリとさせられる。
また、昔ながらのセーブポイントには、最初は遊び辛さを感じたものだが、物語終盤になって「あのセーブポイントにも意味はあったのか」と言う事が分かると、その遊び辛さも好感に転じた。
シナリオの、特にラスト付近で敢えて詳細まで語らずに行間を持たせている所も個人的には好きだ。
最近のゲームシナリオは伏線が入り組んでいてその細かな回収が多い印象だけど、敢えて深くは語らず、そこはユーザーの想像にお任せ的な部分もあって良いんじゃないかと思っていた。
そんな中で、この「いけにえと雪のセツナ」の間の開け方は上手いなと思う。
次にプレイ時間。
最近の自分の傾向として、ノスタルジーが溶けるのはせいぜい数時間だ。
昔のゲームのお約束にニヤニヤしながらも、数十時間もやっていると、今のゲームに慣れているせいもあって怠くなってくる。
単純な懐かしさは最初は良くても次第に飽きてしまうのだ。
このゲームの良いところは、その飽きを受け入れて、適度な時間でクリアとすること。
よくあるRPGゲーム特有のプレイ時間の水増しは無いことはないが、それを入れても適度に終わる。
自分が飽きる前に、エンディングを迎えさせて「ああ、懐かしくて楽しかったな」で終わる塩梅に調整されている。
その分入れるに入れられなかったシナリオもあるだろうが、その辺りは前述の「行間を持たせる」という事で、良い意味で誤魔化している。
あとBGMも素晴らしい。
前のプレイ日記でも書いたが、EDM全盛のご時世にアコギ一本で勝負するような意気込みを感じる。
周囲の評価を観る限りではもっと複数の楽器を使ったBGMを観たかったという感想が多かったが、個人的にはピアノ一本の方がしっくりくる。
雪世界という静けさを表すには、ピアノ一本位が丁度良い。
一方で、ダンジョンの周回については思う所が沢山あった。
まず、鍵付きの宝箱を持たせているため、各ダンジョンは2回以上回らせる作りにはなっている。
昔のRPGを経験している人間にとって、鍵付きの宝箱を見つけると「ああ、これは終盤で取れるタイプなんだな。何入ってるか楽しみだな。覚えておこう」という気持ちになるのだが、最近の傾向ではストレスにしかならないらしい。
もちろん一度行ったダンジョンに再度いかねばならないのはストレスだが、その辺は時代の変遷なんだろう。
個人的に気になったのは宝箱よりも素材集めだ。
僕自身は宝箱に関しては前者の何が入っているか楽しみと考える方なので気にはならないのだが、素材を集めるためのマラソンはちょっと辛かった。
そもそも敵の種類があまり多くなく、色違いモンスターが結構いる印象なので、未知の敵と戦うワクワク感はあまりなかった。
もちろんこの辺も昔ながらと言い切ってしまえばそれまでだが、容量が限られた昔ならまだしも、この現代ではそこは頑張ってほしかった。
敵の種類が少ないせいで周回目的の戦闘に張り合いがない⇒更にそこからジャストキル等のフィニッシュのディテールを縛って周回しなければならないという流れが辛い。
レベリングと並行しているから、苦行とまではいかないが、少なくともモンスターの種類をどうにかできれば、もっと楽しくなっていたと思う。
あと一番不便だったのがアイテム購入時。
複数購入をする時、1の位でしか増減できないので、数十個単位で購入する時地味に時間がかかる。
10の位も増減出来たり、1からマイナスさせれば購入上限数に遷移するという仕様にしてほしかった。
ロード周りはPS4版だったのでほぼ気にならないレベルだが、竜剣を使った時に処理落ちが生じたのが気掛かりと言えば気がかり。
昔ながらの処理落ち⇒フリーズにヒヤヒヤするところまで再現させられ「いや、そこは再現させなくていいから。。。」と思ってしまった。
もう一つの不満点としては「強くてニューゲーム」がない。
適度のボリュームで終わるからいいといえばいいのだが、やはりクロノトリガーの楽しみは2週目で強い状態でストーリーを追えるという部分にもあったと思う。
また、強い状態で周回させることで昇華系のトロフィー解除もやるモチベーションも出ていたと思うので、そこは入れてほしかった。
キャラに関しては全員魅力的。
強いて言えばクロノトリガーで言う所の魔王的なキャラが加入する時期が遅すぎたという所か。
もう少し前で仲間になった方が、より愛着もついたと思う。
特に好きだったキャラはクオン。
あの格好であの性格は正直ストライクだ。
キールの小動物的な言動にヨミの冷やかしとクオンのバッサリ感全開のツッコミ。
この掛け合いが非常に好きだ。
以上のような感じだ。
個人的には、「クロノトリガー」という作品は、当時自分の中のRPGゲームにおいて、一つの到達点という評価をしている。
ドラクエとFFが組み、あの時代のRPGというジャンルを一つの意味で完成させた名作だと思っている。
その偉大な作品をリスペクトするような形で出てきたこの作品。
もちろん、結論を言えばクロノトリガーには遠く及ばなかった。
思い出補正込みの贔屓目の評価なのでこうなってしまうのはほぼ必然だったので、仕方ない部分もある。
だが、それでもあの時代の良さを思い起こさせるには十分な作品ではあったし、行間を持たせるストーリーは結構印象的だ。
また、制作陣がインタビューで語っていた中で心に残ったのは「『セツナ』は昔のRPGをそのまま作りましたというものではなくて、忘れられた分岐の先にあるゲームだと思っている」という事だ。
そう、この「忘れられた分岐の先にあるゲーム」という言い方が最もしっくりくる評価だろう。
「クロノトリガー」という一つの到達点を境に、日本のRPGゲームはそこからさまざまなゲームが出てきた。
それに伴い、ゲームシステム、UI、シナリオと、様々な方向で進化をしたはずだ。
その過程で、不必要で遊びにくかった部分はどんどん改善された。
セーブポイント制もいつしかオートセーブやどこでもセーブが主流となり、昨今ではターン型の戦闘もメジャーシーンでは廃れ始めている。
UIもどんどん親切になって行き、ゲームシステムの紹介は丁寧過ぎるくらいのゲーム内チュートリアルに落とし込められ、分厚い取扱説明書は不必要となりつつある。
かつてのゲームに見られた要素はかつてそうであったという忘れられた存在になりつつあった。
このゲームが描いたのは「その忘れられつつあったかつてのゲーム要素が、そのまま現代に残っていたとしたらどうだろうか」という問いかけのようにも見える。
「クロノクロス」で語られた「恐竜人が人類に打ち勝った世界」のように、ひょっとしたら有り得たかもしれない、一つのゲーム史のパラレルワールドを表現しているようにも感じるのだ。
結果として、この作品で表現された要素は、今のゲーム界隈を見る限りでは主流であったとはいえないだろう。
しかしそれでも、このゲームからは「忘れ去られた分岐の先は、きっとこうであった」という息吹を感じることが出来た。
かつてあったRPGゲームの追憶と、忘れ去られた分岐の先にあるゲームの姿を描く。
「いけにえと雪のセツナ」は、そういう作品なんだと思う。
昨日いけにえと雪のセツナで裏ボスを倒した。
プラチナトロフィーゲットとまではいかなかったが、ひとまず感想日記を書こうと思う。
■個人的に好きだったところ
・昔ながらのお約束がたくさんあった
・クロノトリガーリスペクトがそこかしこにある
・ノスタルジーが溶ける前にクリアできるプレイ時間
・BGMがピアノ曲1本勝負という意気込み
・敢えて行間を持たせたストーリー
・クオンが可愛い
■個人的に的に苦手だったところ
・魔物の種類が少ない
・素材集めマラソンのダルさ
・ラストの仲間加入が遅い
・竜剣の処理落ち
・アイテム購入数選択が面倒
・つよくてニューゲームがない
■感想
「取り戻そう、僕らのRPG」という煽り文句で立ち上げられたゲームなだけに、昔ながらのお約束が多々ある。
特にクロノトリガーリスペクトが半端ない。
戦闘もそうだし、武器もそう。
作中に出てくる古代の王国の盛衰ぶりも、クロノトリガーを知っている奴なら魔法の王国ジールを想起せずにはいられないだろう。
セーブ時に出てくるシナリオタイトルにもニヤリとさせられる。
また、昔ながらのセーブポイントには、最初は遊び辛さを感じたものだが、物語終盤になって「あのセーブポイントにも意味はあったのか」と言う事が分かると、その遊び辛さも好感に転じた。
シナリオの、特にラスト付近で敢えて詳細まで語らずに行間を持たせている所も個人的には好きだ。
最近のゲームシナリオは伏線が入り組んでいてその細かな回収が多い印象だけど、敢えて深くは語らず、そこはユーザーの想像にお任せ的な部分もあって良いんじゃないかと思っていた。
そんな中で、この「いけにえと雪のセツナ」の間の開け方は上手いなと思う。
次にプレイ時間。
最近の自分の傾向として、ノスタルジーが溶けるのはせいぜい数時間だ。
昔のゲームのお約束にニヤニヤしながらも、数十時間もやっていると、今のゲームに慣れているせいもあって怠くなってくる。
単純な懐かしさは最初は良くても次第に飽きてしまうのだ。
このゲームの良いところは、その飽きを受け入れて、適度な時間でクリアとすること。
よくあるRPGゲーム特有のプレイ時間の水増しは無いことはないが、それを入れても適度に終わる。
自分が飽きる前に、エンディングを迎えさせて「ああ、懐かしくて楽しかったな」で終わる塩梅に調整されている。
その分入れるに入れられなかったシナリオもあるだろうが、その辺りは前述の「行間を持たせる」という事で、良い意味で誤魔化している。
あとBGMも素晴らしい。
前のプレイ日記でも書いたが、EDM全盛のご時世にアコギ一本で勝負するような意気込みを感じる。
周囲の評価を観る限りではもっと複数の楽器を使ったBGMを観たかったという感想が多かったが、個人的にはピアノ一本の方がしっくりくる。
雪世界という静けさを表すには、ピアノ一本位が丁度良い。
一方で、ダンジョンの周回については思う所が沢山あった。
まず、鍵付きの宝箱を持たせているため、各ダンジョンは2回以上回らせる作りにはなっている。
昔のRPGを経験している人間にとって、鍵付きの宝箱を見つけると「ああ、これは終盤で取れるタイプなんだな。何入ってるか楽しみだな。覚えておこう」という気持ちになるのだが、最近の傾向ではストレスにしかならないらしい。
もちろん一度行ったダンジョンに再度いかねばならないのはストレスだが、その辺は時代の変遷なんだろう。
個人的に気になったのは宝箱よりも素材集めだ。
僕自身は宝箱に関しては前者の何が入っているか楽しみと考える方なので気にはならないのだが、素材を集めるためのマラソンはちょっと辛かった。
そもそも敵の種類があまり多くなく、色違いモンスターが結構いる印象なので、未知の敵と戦うワクワク感はあまりなかった。
もちろんこの辺も昔ながらと言い切ってしまえばそれまでだが、容量が限られた昔ならまだしも、この現代ではそこは頑張ってほしかった。
敵の種類が少ないせいで周回目的の戦闘に張り合いがない⇒更にそこからジャストキル等のフィニッシュのディテールを縛って周回しなければならないという流れが辛い。
レベリングと並行しているから、苦行とまではいかないが、少なくともモンスターの種類をどうにかできれば、もっと楽しくなっていたと思う。
あと一番不便だったのがアイテム購入時。
複数購入をする時、1の位でしか増減できないので、数十個単位で購入する時地味に時間がかかる。
10の位も増減出来たり、1からマイナスさせれば購入上限数に遷移するという仕様にしてほしかった。
ロード周りはPS4版だったのでほぼ気にならないレベルだが、竜剣を使った時に処理落ちが生じたのが気掛かりと言えば気がかり。
昔ながらの処理落ち⇒フリーズにヒヤヒヤするところまで再現させられ「いや、そこは再現させなくていいから。。。」と思ってしまった。
もう一つの不満点としては「強くてニューゲーム」がない。
適度のボリュームで終わるからいいといえばいいのだが、やはりクロノトリガーの楽しみは2週目で強い状態でストーリーを追えるという部分にもあったと思う。
また、強い状態で周回させることで昇華系のトロフィー解除もやるモチベーションも出ていたと思うので、そこは入れてほしかった。
キャラに関しては全員魅力的。
強いて言えばクロノトリガーで言う所の魔王的なキャラが加入する時期が遅すぎたという所か。
もう少し前で仲間になった方が、より愛着もついたと思う。
特に好きだったキャラはクオン。
あの格好であの性格は正直ストライクだ。
キールの小動物的な言動にヨミの冷やかしとクオンのバッサリ感全開のツッコミ。
この掛け合いが非常に好きだ。
以上のような感じだ。
個人的には、「クロノトリガー」という作品は、当時自分の中のRPGゲームにおいて、一つの到達点という評価をしている。
ドラクエとFFが組み、あの時代のRPGというジャンルを一つの意味で完成させた名作だと思っている。
その偉大な作品をリスペクトするような形で出てきたこの作品。
もちろん、結論を言えばクロノトリガーには遠く及ばなかった。
思い出補正込みの贔屓目の評価なのでこうなってしまうのはほぼ必然だったので、仕方ない部分もある。
だが、それでもあの時代の良さを思い起こさせるには十分な作品ではあったし、行間を持たせるストーリーは結構印象的だ。
また、制作陣がインタビューで語っていた中で心に残ったのは「『セツナ』は昔のRPGをそのまま作りましたというものではなくて、忘れられた分岐の先にあるゲームだと思っている」という事だ。
そう、この「忘れられた分岐の先にあるゲーム」という言い方が最もしっくりくる評価だろう。
「クロノトリガー」という一つの到達点を境に、日本のRPGゲームはそこからさまざまなゲームが出てきた。
それに伴い、ゲームシステム、UI、シナリオと、様々な方向で進化をしたはずだ。
その過程で、不必要で遊びにくかった部分はどんどん改善された。
セーブポイント制もいつしかオートセーブやどこでもセーブが主流となり、昨今ではターン型の戦闘もメジャーシーンでは廃れ始めている。
UIもどんどん親切になって行き、ゲームシステムの紹介は丁寧過ぎるくらいのゲーム内チュートリアルに落とし込められ、分厚い取扱説明書は不必要となりつつある。
かつてのゲームに見られた要素はかつてそうであったという忘れられた存在になりつつあった。
このゲームが描いたのは「その忘れられつつあったかつてのゲーム要素が、そのまま現代に残っていたとしたらどうだろうか」という問いかけのようにも見える。
「クロノクロス」で語られた「恐竜人が人類に打ち勝った世界」のように、ひょっとしたら有り得たかもしれない、一つのゲーム史のパラレルワールドを表現しているようにも感じるのだ。
結果として、この作品で表現された要素は、今のゲーム界隈を見る限りでは主流であったとはいえないだろう。
しかしそれでも、このゲームからは「忘れ去られた分岐の先は、きっとこうであった」という息吹を感じることが出来た。
かつてあったRPGゲームの追憶と、忘れ去られた分岐の先にあるゲームの姿を描く。
「いけにえと雪のセツナ」は、そういう作品なんだと思う。