涙目筑前速報+

詰まるところは明日を知る。なだらかな日々につまずいて
向かうところはありもせず、未来の居場所だって未定―秋田ひろむ

優しい世界を演出する桜庭コハル作品やソラノヲトについての所感

2014-12-07 19:20:50 | チラシの裏
アニメや漫画についての雑感日記。

■マンガ

カミさんが『みなみけ』『そんな未来はウソである』をここ最近いたく気に入っている。
女の子同士の他愛もない緩いやり取りが好きとのことで、まさに桜庭コハル節ならではの部分ではないかと思う。

自分自身も上記の作品は好きなのだが、何が好きかと言われると、実家に帰ってきたかのような安心感のある雰囲気だろうと思う。
特にオチがあるわけでもなく、ただただのんびりとした平凡かつホッとするようなやり取りが延々と続くだけの作品なのだが、何と言っても棘がないのが良い。
こういう棘のない日常は、実は非日常であって、現実逃避するにはもってこいな雰囲気なのだ。

ガールズトークにはこんなほんわかとした空気はだしようがないし、何かしらの愚痴のような行き場のない閉塞感が漂っていたりするものだ。
しかし、桜庭コハル作品にはガールズトークに潜む「年頃の娘っぽさ」という魅力的な部分だけを抽出した世界が広がっている。
これこそが、疲れた時に定期的に目を通したくなる。
現実にはありそうで無い、仮にあったとしたらどこか白々しい。
マンガだからこそ許される逃避先、優しい世界なのである。
思索も悩みも一時は忘れて優しい世界に数時間浸る。
1週間に一度はそういう時間を作った方が精神的に良いのではないかと、ここ数年つくづく実感する。


■アニメ

特に意味もないが、昔やっていた「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」というアニメを思い出した。
戦争という背景がありながら、かなりほんわかとした日常パートがほとんどを占めるという内容で、これまたかなり逃避的な優しい世界が展開されるわけであるが、僕はかなりこの作品が当時から気に入っていた。
盛大なお漏らし回が話題を呼んだが、そこまで爆発的な人気を出すこともなく放送は終了。
しかし、スタッフ陣は岸田メルがキャラクター原案をしていたり、監督が「風の谷のナウシカ」の制作進行だった神戸守が担当していたり、声優もかなり豪華だったらしい。
が、個人的には結構話の内容が全体的に中途半端な尻切れトンボな感じだった気もしており、爆発的な人気が出るかと言われると、そうでもないような気もした。

では何故今思い起こせるほど気に入っていたかというと、単にキャラクターが僕の中で当たっていたり、OPが個人的に好きだったり、街の雰囲気がかなり好きだったりと、そういう細かい部分が良かったからであると思う。
そういう意味では、来年放送される艦これのアニメ版もこういう作風になっていくのだろうか。
いずれにせよ、キャラクターが良い感じに引き立ってくれていれば重畳と感じる。

なお、この「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」に出てくるセーズの街のモデルになっているのは、スペインのクエンカという城塞都市だ。
「水曜どうでしょう」で大泉洋が「小林製薬の糸ようじ」という言い回しで渡辺篤史のマネをしたくだりで有名なクエンカの街だ。
この辺も僕がこの作品を好きになる一因になっているのかもしれない、よくわからんが。
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