サッカー日本代表アフガニスタン戦所感

求められた結果は出した。
そう思える試合だった。
サッカー日本代表の話。

前節のカンボジア戦では、今一つ物足りない試合内容だったが、今日は怒涛のゴールラッシュで6-0の勝利。
アフガニスタンの守備組織が後半からは集中力を欠き、心も完全に折れていたこともあって、完全にこちらのやりたい放題な内容だった。
守備も1、2回程度カウンターになるかというシーンもあったが、大した脅威ではなかった。
要は練習試合レベルの内容。
勝ちは当たり前であるし、大量得点は前提のようなものだ。
次節のシリア戦はそう簡単にはいかないであろうし、3次予選・最終予選はこんな楽な試合は殆どない。

セルジオ越後ではないが、雑魚や親善試合で勝っても、浮かれてはならないのだ。
大事なのは、より引いてくる相手だったり、攻撃・守備組織が整った相手に対して、今日の様な自分たちのペースで試合を運び、得点を量産できるかどうかなのだから。

とは言っても、その格下も格下の相手に引き分けたのがこの前のシンガポール戦だ。
こういったことはサッカーでは珍しい事ではないが、自国の試合という贔屓目がかなり入る試合ではあって欲しくない。
極端に言えば、あってはならない。
そういう意味では、やはりしっかりした試合運びと幅広い攻めのパターンを駆使すれば、得点は出来るという事が証明できた試合ではないだろうか。

まず、今回の試合で良かった点は、「良い時間帯で得点が出来た」という事だ。
前半10分での香川のゴール。
ここでチームにも勢いがついた。
カンボジア戦で本田が先制点を決めた時もそうだが、引いて守ってくる格下相手に、前半で先制点を奪えるかどうかは非常に重要だ。
万が一前半を無失点で抑えられると、相手はより集中し、こちらの攻撃は単調になっていき、結果としてシンガポール戦のような結果になってしまう。
そうならないためにも、良い時間帯での先制点は必須だった。
そういう意味で、今日の得点シーンはかなり良い時間帯でのゴールが多かった。

後半に入って早々追加点が入ったのも良い傾向だ。
ここでアフガニスタンの集中力はかなり切れたと思う。

また、今日2得点の香川も良かった。
昨シーズンはかなり不調が続いてしまい、代表でも尾を引いてしまった。
これは決まるだろうというような簡単なシュートも外してしまい、ゴールの気配が全くない。
だが、今日の様な決めるべきところで安定して決められるようになったのは、復調の兆しはあるとみて良いのではないかと思う。
トップフォームにはまだほど遠いのかもしれないが、この調子でゴールを量産し、高パフォーマンスを続けていって欲しい。

また、個人的な今日のMOMは、原口元気だ。
彼が縦横無尽に走り回ったりドリブルで仕掛けることにより、DFの目が元気に行きがちになり、結果として他の選手に対するマークやスペース管理が甘くなっていた。
今日の日本代表は、シンガポール戦に比べてかなり広くピッチを使って攻撃が出来ていた。
そのワイドに使える攻撃を支えていたのは元気であった。

そういう意味で、後半に元気をSB・WBで使おうとしたのはかなり疑問だった。
彼はもっと前でサイドから中央に切り込むようなプレイをさせるべきであって、ああいった起用法は良さを狭めてしまうだけのように感じた。
シンガポール戦でもボランチで使われたりと、ハリルホジッチの元気に対する起用法にはかなり疑問符がある。
この辺りは、より見極めていって欲しい。


一方で今一つと感じたのは長友と武藤。
長友は運動量は相変わらず素晴らしいのだが、クロスをもうちょっとどうにかならないかと感じる。
やはり試合に出ていないという事もあるのかもしれない。
今のインテルでの状況では厳しいかもしれないが、コンスタントに試合に出場し、精度を上げていって欲しいと思う。

武藤に関しては、フィットしていない感じがする。
連携がイマイチとれておらず、役割が明確になっていない。
監督の起用方針に合っていないのかもしれないが、現状のままでは効果的な選手ではないように見受けられた。
こちらも今後うまく調整していって欲しい。

また、高さのあるFWが一人は欲しいと思う。
東アジアカップを観て、川又にそういう役割は出来ないという事が分かった以上、この辺りはハーフナー、指宿、豊田といった選手を色々試してほしい。
ポストプレーやハイタワーの攻撃がいる選手は、いざという時1人はいた方が良いと、僕は考えている。


何にせよ、良い結果を出せてよかった。
次はいよいよシリア戦。
2次予選で一番厳しい戦いになるのは間違いないだろうし、アウェーとはいえ負けという事は許されない。
今日の様な試合運びをしっかりと行い、勝ちをつかみ取ってほしい。