やおい的読書記録

BL好き女が書いているごく個人的な感想文です
やおい的目線で見ている作品もそうでない作品もあります

『パラサイト 半地下の家族』を観てきた!!

2020-02-04 21:06:00 | 映像作品
今日の昼見てきました〜めちゃくちゃ面白かった!

半分地下の部屋に住んでいる貧乏な四人家族、キム一家が主な登場人物で、

父親は失業中、母親はデリバリーピザの箱を組み立てる内職をするが儲からず、兄と妹は共に大学受験に失敗したという逼迫した状況。

上の階のWi-Fiにタダ乗りを続けていたがパスワードを掛けられたと騒ぎ、道路に消毒薬が撒かれたらタダで部屋の中まで消毒されると言って窓を開けたまま耐える、そんなギリギリの生活を強いられている。

ある日、兄のギウは、大学に通う友人から、留学に行く間家庭教師のピンチヒッターをしてくれと頼まれる。家庭教師先の娘は豪邸に住む社長令嬢、当然ながら報酬は破格である。受験の回数だけは多いギウは、娘の家庭教師としてうまく潜り込む。

さらに、息子のために美術の家庭教師を探していると夫人に聞いたギウは、美大に落ちて浪人中の妹ギジョンを紹介し、ギジョンは父親と母親までも、その家に雇われるよう画策する。

前半のあらすじは大体こんな感じ。

ここまで話が展開したあたりでは、いつキム一家の正体がパク一家にバレるのかとハラハラしていた。

けど、ここからの展開が一筋縄ではいかなくて、思わぬ方向に転がっていき、全然先の展開が読めない!

中盤以降が予想外のストーリーで、終わり方もブラックすぎて、途中までの笑いも吹っ飛び、背中がゾクゾクする話だった😱

邦題の「半地下の家族」が、ストーリーの絶妙な伏線になっていて、なるほどと深く納得しつつ、
日本でも韓国でも広がる社会の格差をこんなブラックユーモアで描き出すんだな〜怖い作品だ!と衝撃を受けたのであった。

ポン・ジュノ監督、すごい鬼才だなぁ。監督の他の作品も見てみたい。

QUEEN +アダム・ランバート大阪公演 2020.1.28 感想

2020-01-29 21:42:00 | クイーン関連
タイトル通りです。行ってまいりました。夢のような時間でした。

埼玉および大阪で参戦の皆様、大変おつかれさまでした。現実世界で息できてますか。
わたしは翌日の職場で休憩時間にこの文章をiPhoneのメモに打ち込んでいる最中で、すでに灰色の現実に白目剥いてます。

名古屋に行かれる皆様はこれからですね!羨ましい…!
ライブ中盤、ブライアンが
・手をとりあって
・Love of My Life
この二曲を「一緒に歌いましょう」って(しかも日本語で。さすがすぎる)言ってくれたので、歌えるようにしておくと良いかと思います。
Love of My Life は途中からフレディが出てきてくれて泣いた…。


ここから一応感想らしきものを書くんですけど、以下の事項に注意してお読み頂ければと思います。

・普段は漫画や小説ばっかり読んでいるオタクが書いた文章
・QUEENは映画ボラプ経由でハマったので完全ニワカ
・音楽に全然詳しくない

以上、お手柔らかにお願いします。


さて、待ちに待った開演、スタートはNow I’m Here から。
湧き上がる歓声と熱気に包まれる中、アダム・ランバートのパワフルな歌声が響く。なんだこの空間は。異次元に来てしまった。

とにかく彼の歌唱力が凄すぎて、開始の一瞬で引き込まれた。
開演前に友人と「アダムの歌声今まで聞いたことないな〜どんなんだろ」とかフワフワな喋りをしてたのが、一瞬でぶっ飛んだ。

もしかしたら、今回が初めてで逆によかったのかもしれないけれど。
インパクトが良い意味で大きすぎて、一生の思い出になったから。

Somebody to Love では、力強いんだけど繊細さを兼ね備えてて、まさに切実さを感じさせるボーカルだった。
めちゃくちゃ勝手な感想なんだけど、フレディ追悼コンサートの時のジョージ・マイケルを彷彿とさせる歌声だったので思わず泣いてしまった。
(わたしはジョージ・マイケルのファンなので欲目が入ってるとは思う)

なんだこのアダム・ランバートという歌手は!すごすぎだろ!!
って一日経った今になって思うんだけど、昨日は何がなんだかわからないままだったからなぁ…(大丈夫か)

そしてブライアンとロジャーのふたりは…本当に70代なんですか…?アグレッシブすぎない?
ふたりとも特にソロのところカッコよすぎて、聴いてて放心状態になったもんな。
生演奏って本当すごい。演奏者のパワーがダイレクトにこちらに流れ込んでくる。
彼らの生の演奏が凄すぎて記憶がほとんど飛んでしまった。なので今回のDVDを是非発売してほしい。つらい。

こんな感じで曲順などの正確な時系列の記憶がほとんどなくて、
印象深い出来事を思い出した順に書くので、
セットリスト等は別で調べてほしい。

音楽以外で圧倒されたのが、舞台装置がとっても煌びやかだったこと。
オペラハウスをイメージしたという舞台後方のスクリーンにメンバーの姿が映し出される趣向で、結構いろんな角度から映してくれる。よい。
わたしはS席で、肉眼では豆粒大で姿を確認できるのがやっとだったので、ほとんどスクリーンばっかり見てたな…。

スクリーン上に映る背景自体もすごく凝っていて、CGで合成された高層ビルの街並みを、疾走感溢れる様子で映したものとか、
アンコールのWe Will Rock you かWe Are the Champions のどっちか?(これまた記憶がない)で、
巨人がスクリーンに映し出されて何事かと思ったら、
そういやアルバムジャケットに巨人いたよね!と思い出したり(『世界に捧ぐ』のやつ)。

あとでプログラムを参照したら、
クイーンのこれまでの歴史は継承しつつ新技術を使って、一味違うステージ作りに挑戦したとあって納得。
レーザー光線の使い方もすごく派手で、印象的だったのがロジャーのドラムに合わせてレーザーが展開するやつ。めっちゃかっこいい。
これも昔のコンサートでやったことある演出をアレンジしたらしい。

途中、ブライアンがソロのとき、隕石みたいなのに乗ってたのにはびっくりしたな。完全にステージがuniverseだった。


MCは主にブライアンがやってたけど、それがめちゃくちゃツボだった。

「オーサカノ皆サーン、コンニチハー」
「こーんにーちはー!!」
「元気デスカー?」
「元気でーす!!」

みたいなやり取りを客席としていたと思う。これもうろ覚えだ!
この時わたしは、NHKのEテレで歌のお兄さんに呼びかけられて答える幼児の気分だった。

そのあとブライアンが「オーキニ」と言ったのがいちいちツボだった。確かライブ中に2、3回言ってたと思う。
ていうか博士のホスピタリティがすごい…大阪公演だからって…おおきにって…今になって合掌したくなる。

ほんでブライアンがロジャーを紹介する時がまた面白すぎたんだな。
「オーサカノ皆サーン、ロジャー・テイラーサンデス」
まさかの「さん」付けである。ここでめちゃくちゃ笑ってしまう。
そしてロジャーは”Hello.”の一言だった。もうちょい喋ってほしかった気持ちもあるけど、あの方は元々そういう感じなのだろうか。

アダムは割と序盤(だったと思う)で、
「俺はフレディ・マーキュリーが大好きだ!!みんなはフレディが好きか〜!?」
みたいなこと言ってた(うろ覚えかつ適当な訳です)。
このあたりで客席は「イエーーーイ!!!!」と最初の盛り上がりを見せて中盤戦に突入といった具合だった。

アンコールが本当に最高すぎて、ド派手なアダムの衣装、舞台効果、そして最高潮に達する観客席。
We Are the Champions を合唱するわたしの目に焼き付いたのは、ブライアンが着用していたTシャツのデザイン。
黒地に白文字、縦書きで「ブライアン」って書いてあった。


以上、最高に素晴らしい、一生もののコンサートの思い出でした。
歌も演奏も、超一流ってこういうことなんだなぁ…と、まざまざと実感させられた2時間半でした。体感的には1時間ほどだったのですごく怖いです。

今回、生で喋るブライアンが想像以上に面白くてびっくりしました。
アンコールで着用してたTシャツ、公式であのデザイン売ってくれないかなぁ。
世界的スターにもかかわらず、お茶目でフレンドリーで、客席との距離を感じさせなくて、すごく素敵なので、ますますファンになってしまう。

あとアダム・ランバートの動画をYouTubeで漁る未来しか見えない。こわい。

記憶がないと言いつつ、文章がこんなに長くなってしまって自分でも恐ろしいです。
しかし感想をちゃんと残しておきたかったので。
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございました!

光文社文庫版『四つの署名』感想

2019-11-03 19:25:00 | SH関連
ようやくこっちの感想を書けるぜ……

これよりも後に読んだ本の内容を忘れないうちに書こうと思ってたら、見事にこっちが後回しになってしまったんですけどね!!!

さて今回タイトルの『四つの署名』、
お宝をめぐる冒険物語というところでワクワクし、
犯人の尻尾がなかなかつかめないところでハラハラさせられ、
さらにワトソン先生のロマンス要素ときますからね……(腐った目線ではとても重要ポイント)
絶対外せない長編第二作ですよね!!!!

日暮先生の訳が超読みやすくて感動しました。
新潮文庫版の延原訳も好きなんだけど、あっちはヴィクトリア朝の雰囲気に浸りたい時向けかな〜。
あとグラナダ版の字幕でのホームズとワトソンの喋りが日暮訳に近いと(めちゃくちゃ勝手に)思っているので、
グラナダ版を反芻しつつ新幹線の中で読み終わりました…(余韻に浸る顔)

まず、冒頭のコカイン7%溶液のくだりからして読者の心をグッと掴んできますよね…!
ホームズの人物像を提示しながら、事件への導入につながる展開が好き。
あと外せないのが、ワトソン先生がホームズを心配しているところだ!!!
ここで思いっきりガッツポーズ。

ラストにワトソン先生がモースタン嬢と婚約したって報告をしますけど、そこで冒頭の対比でコカイン溶液を持ってくるのが最高だと思いますネ!!!
それワトソン先生がやめろって言ったじゃん!!!これだからこの名探偵は!!!!!!
と思いつつ腐った目線的にはめっちゃ美味しいやつですね。

ちなみに解説で、ラストのシーンでのふたりの関係の恋愛的解釈はバッサリ否定されてますけど!
わかってるんだよこっちも!原作者もそういうつもりで書いてないだろうけど!
勝手に妄想してるだけでーす!!!と主張しとく。

にしても解説で、ふたりの関係が恋愛じゃないだろうとめっちゃ否定されたそのすぐ後ろに
「私のホームズ」というエッセイが掲載されていて、
ビリー・ワイルダーの映画版に言及されているのがめちゃくちゃ面白くないですか😆

だってビリー・ワイルダー版って、ホームズがロシアのバレリーナに迫られたとき
「ワトソンと自分は幸せに暮らしてるからダメ」って断る口実(???それは本当に口実なのか???)
を言って退けるやつらしいんですよ!!!
その内容知ったとき、えっそれマジなんですか???って思ってしまった。
どこの同人誌だよ!!!(失礼)
しかし例のそのエッセイを読むに、相当な原作愛が溢れている映画らしいので、
金と時間がめちゃくちゃかかった、
豪華な二次創作で間違いないのでは…!!!
わたしまだ見たことないけど!!!!
そのうち見たい!!!!

と、欲望のままに語ってますけど、
わたしが四つの署名で普通???に好きなのは、
サディアスの豪奢なインド趣味のお部屋だったり、(グラナダ版が忠実に再現しててすごい見入ってしまう)、
セポイの乱などの歴史的背景が絡んできて財宝探しに発展するあたりです。
宝探しってやっぱりワクワクしますよね〜!
あと、光文社文庫版の装画が、ささめやゆきさんなんですよね!!!
理論社の世界ショートセレクションシリーズのヨシタケシンスケさんの装画も好きですけど〜!!!

というところです。
原作ではなんか報われない感のある探偵氏ですけど(???)
グラナダ版を見ると、あー探偵氏めっちゃ愛されてるなあと思うので、今後もグラナダ版は定期的に摂取していきたい。


グラナダ版ホームズ 赤い輪・マザランの宝石感想

2019-11-03 17:19:51 | SH関連
土曜にぶっ続けで二本見たんですけど、
その前に金縁の鼻眼鏡が配信終わるのに見るの忘れてたーー!!!

いやまあブルーレイBOX持ってるので見れるんですけどね!?
でもやっぱり悔しいじゃないか!!!

そんなこんなでタイトル通りの二本の感想。
赤い輪のほう、イタリア出身の人が殺されたのを
ワトソン先生が「自分が自宅まで聞き込みに行ったからだ」
って自分を責めてたとき、
探偵氏が君だけのせいじゃないみたいなこと言うじゃないですか。
それにちょっと感動すると同時に、

ああこの人、肝心なところではしっかりワトソン先生をフォローするんですよね!?
と思ってなんかホッとしたんだけどね……
いや私はどんだけホームズを血も涙もない人間だと思っているんだ。
まあ、寂しい自転車乗りの時にワトソン先生をけちょんけちょんに言ってたってのを思い出してしまったんだけど、
今回さすがに別問題だもんな…ワトソン先生だけを当然責められないという。
ワトソン先生が自分を責めるところは見ててもう本当に心が痛むので、探偵氏がそう言うのが唯一の救いだよなぁと思う。

しかしホームズも最終的に後手に回ることになってしまったのは悔しいだろうなあ。
まあ赤輪党から逃げてきた夫婦が無事で良かったけど…

と、ラストはあんまりスッキリといかない感じながら、
探偵氏がワトソン先生のことを気遣っていたのは!わたしにとって!重要な!ポイント!でした!!!!!!



さて次、マザランの宝石。
探偵氏不在、そしてストーキング宣言の回ですね(???)
きみのことを見ているぞ!第三の目で!!!
っていう!!
やっぱりストーカーじゃんこの人!!!
バスカヴィル回がその最たるものだと思うけど!!!

ストーリーは、原作のマザリンの宝石と三人ガリデブを掛け合わせたものになってるんですよね。
他の作品と違うことになってるベーカー街の部屋の間取りや、
ホームズが蝋人形と入れ替わるのを犯人が気づかないかどうかの偶然に頼るなんて……と、原作マザリンで指摘される点を、三人ガリデブと合わせてうまくカバーしたなと。

まあマザリンもガリデブも単体で脚本にするには短すぎなのかなと思う。
空き家の冒険で出てきた蝋人形が再登場するのは個人的には面白かったんだけど。

探偵氏不在の分、マイクロフト兄様がダイヤ盗難の犯人である伯爵を追い詰める役で、
一方ワトソン先生はガリデブの謎を解こうとするこの話。

米国出身のガリデブ氏が英国仕立ての服を着古しているところから、
実はガリデブ氏は英国暮らしが長い、
とワトソン先生が推理してたところで、
すごい!探偵氏のやり方を身につけておられる!と思ったら、
あとで原作を確認したら探偵氏の推理の部分だったんですよね……。

あと、ジョン・ガリデブの広告がおかしいってのを老姉妹が指摘してたところ、
おばちゃん達めっちゃ鋭くない!?って思ってたら、
ここも原作では探偵氏の推理だったね。
綴りが違うってのは原作ではワトソン先生が言ってたけど。井戸が普及してないとか言ってたのは探偵氏だった。

この回、原作の三人ガリデブにもある通り、ワトソン先生が犯人に負傷させられてしまう……😭😭😭
見ててめっちゃつらいですね。ワトソン先生が負傷するところなんて見たくない……。
ほんで探偵氏が戻ってきたらブチ切れコースじゃないですかコレ。
「マイクロフトが付いていながら何故こんなことに!!!!!!」ってなりそう。おちついてください。

まー原作でそもそも探偵氏キレまくってたけど。
原作ではここでワトソン先生は探偵氏の深い愛情を感じ取るという名シーンですなぁ。
この回、都合上仕方ないのはもちろんわかるんだけど、探偵氏不在になっちゃったのが個人的には本当に残念〜。

あと、ものすごくどうでもいいんだけど、
マイクロフト兄様のことを、ワトソン先生がファーストネームで呼ぶシーンがあるけど、
それを探偵氏が知ったらどう思うだろうな〜🤭
とか何とか思ってしまうわたしの頭がおかしいぞ!?

いやもちろん、ホームズって呼んだらワトソン先生的にはシャーロックのことだから!
普通はお兄様のこともファーストネームで呼ばないところだけど、
しかしお兄様のことはホームズって呼べないし、ファーストネームで呼ぶしかないだろう!!!
ってワトソン先生は思ってるに違いないし、
マイクロフト兄様もそれを受け入れているんだろうけどさ。

しかし、ふたりの長い歴史の中でただ一回だけのジョン呼び(悪魔の足の回ね)
に比べると、マイクロフト呼びのハードル低いな〜!
と!一瞬思ってしまいました🤔
そしてなんかマイクロフト兄様とワトソン先生が仲良くなってるような…笑
これ、探偵氏が嫉妬してもおかしくないなぁって😱


とまあ、ここまでiPhoneのメモ帳で編集してたんだけど、全体をスクロールしてみてその長さに自分で引きました。
どんだけ英国探偵が好きなんだろうか私は🕵️‍♂️

82年生まれ、キム・ジヨン 感想

2019-11-03 16:21:00 | 読書
三ヶ月前くらいに買っていたんですけど、昨日ようやく読み終わりました。
もともとは絶賛放置中のツイッターで話題になってたのが読むきっかけです。書店の店頭で平積みされているのも知っていたし。
先に手に入れていたフォロワーさんが、疲れているときに読みたくないと仰っていて、読み進めていてもメンタルがやられるという感想も、わたしの周囲では聞かれた本でした。
ツイッターのフォロー関係がフェミニズム関連の話題に敏感な人が多くて、そういう反応が多かったんだとは思いますが。
そのような声を事前に聞いていたので、めっちゃ怖いなと思いながらページをめくっていきました。

実際は、主人公や周りの女性が、暴力の被害を受けるというような、具体的な描写はなかったので、少しだけホッとしたんだけど。
むしろ、直接に暴力を加えられるというより、周囲の言葉や態度が主人公を傷つけるといった描写が多くて、それにじわじわHPを削られたなという読後感でした……。

例えば、主人公のキム・ジヨン氏が幼い頃のエピソードで、長男である弟が家庭内で何かにつけ優遇されたというものがあったり、
小学校で男子に意地悪されたのを、あいつはお前のことが好きなんだから許して仲良くしてやりなさいと担任に言われたりとか。
日本にも家制度の名残はありますが、儒教の影響が強い韓国のほうが長男信仰は強いんだなと思いつつ、
しかし学校での出来事なんかは、私たちにも覚えのあるような出来事で、それが共感のもとになりつつ、
私たちはこんな幼い頃から理不尽な出来事にさらされてきたのかという絶望的な認識に至ったりもしますね。

成長して大学受験を迎えた主人公が、予備校が同じ男子に帰り道で付け回されて、父親に助けを求めたら、そのあと逆に説教された……ってエピソードが、個人的には一番理不尽さを感じました。ちゃんと世の中の人を見分けろとか無茶ぶりにも程があるぜ!!!
なんか、勘違いさせる女のほうが悪いとかよく言いますけど、その辺の男の人に人として当たり前レベルで愛想よくしてたら盛大に勘違いされてストーキングされるとか、何か前世で悪いことしたとでもいうのだろうか?????? それとも塩対応したらいいの?でもそうしたら女は愛嬌だとかまた言われるんでしょ??????どないせえっちゅうねん!!!!!!

この辺でわたしの怒りが頂点に達したので読むの一旦休んだんだけど、主人公の母がかなりパワフルな人であるところに救われた。商才を発揮したり資産運用なんかで、経済的に困らないようにしてくれてちゃんと主人公たちを進学させてくれんだよな……主人公をめちゃくちゃ激励してくれたりとか。
おかげでまた読み進める元気が出たけど、また結婚して妊娠して出産するあたりも精神力をガリガリと削られるエピソードで……。
しかも、女性が生きてたら一度や二度くらい出会ってるだろうエピソードばっかりってのがこの作品の共感を強めるポイントで、かつ、その傷つきエピソードは女性差別が根源的問題なんだ!と言語化してくれて目を覚まさせてくれるところがこの作品のすごいところですよね……。
男女の分断を助長するとかいう声も聞こえますけど、いやいや今まで可視化されてなくて共有もされてなかった問題が公に議論され始めただけだよね…今まで女性たちがモヤモヤしたり深く傷ついたりしても我慢してきた話が明るみに出始めただけだよね…という感想を持ちました。

わたしはBLが好きですけど、なんでBLにハマるかといえば、それこそこの作品で語られるような男女の不平等とか、自分が女性であることについて回る諸問題とかを、BLというファンタジーの中なら忘れられるという側面があるんですよね。純粋な愛がBLにはあるかもしれない……!!!という夢を見てしまう。その前にまあ単純に萌えるんですけど。

今現在『私たちにはことばが必要だ』も途中まで読んでいるので、それもまた書けたら感想を書きたいです。