東京・池袋で2019年4月、乗用車が暴走し2人が死亡、9人が負傷した事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)に問われた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)の公判が21日、東京地裁であった。妻子を亡くした松永拓也さん(34)が被害者参加制度を使って被告人質問を行い、「2人はまだ長く生きられるはずだった」と訴えた一方、被告は「心苦しいが、私に過失はない」と述べた。
自動運転技術も進み、そうでなくてもこれだけ電子制御された自動車で、もし万が一ブレーキを踏んでいても加速するという現象が発生した場合、ではそれを証明する手立てはあるんだろうか。
プリウスのシステム構成はよくわからないが断片的な情報から推測するに、アクセルペダルはアクセル制御ECU、ブレーキペダルはブレーキECUにそれぞれ接続され、それがHEV ECU(電子制御ユニット)を介してエンジン・モーターとブレーキパッドを制御しているらしい。加えて、ECUを介さず油圧によってもブレーキは動作する仕様になっているようだ。つまり私の理解したところによると下記図のようになる。
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これを踏まえて、以下の点が疑問。
- ブレーキペダルの操作がECUを介さず油圧にて動作するトリガーは何か
- 物理的なペダルの踏み込み量か
- ブレーキECUが何らか踏み込み量を検知して切り替えるのか
- EDR(イベントデータレコーダー)へアクセルやブレーキの記録が送られるのかどこなのか
- エンジンECUやブレーキECUに対するペダルのインプット部分か
- エンジン・ブレーキECUがHEV ECUへコマンドを送る手前なのか
- HEV ECUがエンジンやモーター、ブレーキを制御する部分なのか
EDRに運転のログが残っているとはいえ、それは操縦者の操作をコンピューターが受け取った後に記録しているのであって、そのイベントがどこで補足されているのかによっては、記録の意味が違ってくる。仮にHEV ECUからEDRへデータが送られている場合、インプットのデータが誤って解釈されていれば当然、ブレーキを踏んでいてもアクセルを踏んでいると記録されることになりかねない。
トヨタが事故車両に問題は無いことを調査したとは報道されているが、どういう検証をしたのかとか、どういうログデータに基づいているのかとか、そのログはどのように取得したものかとか、詳細が一切報じられていない。
もちろん、現時点でトヨタが欠陥を隠してるとか疑っているわけではないが、事故報告書が公開されているわけでも無いのにそこを報道はスルーしていいのだろうか。
被害者遺族が気の毒なのはそれはそうだが、加害者がどういう立場の人だとかは抜きにしても、「真相を」ってアホみたいに繰り返すとか被害者がどのぐらい気の毒かとかじゃなくて、『事実』を取材して報道しろよと思う。
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