ずっと見たかったのが、なかなか時間が無くて後回しになってた1本。
というのも、なんとなく右寄りというか、イデオロギー臭がしそうな一本だと思っていたから、どうしても食指が動かなかったからだ。
というのも、なんとなく右寄りというか、イデオロギー臭がしそうな一本だと思っていたから、どうしても食指が動かなかったからだ。
だが、見終わっての感想は、それ以前にレビュー等で見ていた印象とだいぶ違った。何より当時の菅元総理の描かれ方が思ったほど酷くない、というか当人が自身で説明してる言動と大差が無い。たしかに未曾有の災害にあたって、右往左往し迷走している様は描かれているが、日本国のためにとにかく先頭に立とうと努力をしているように描かれている。
端的には、東電本店に乗り込んで激高する場面。菅元総理自身がウェブサイトでその時何を話したかを後悔しているが、そこにはこうある。
「会長、社長も覚悟を決めてくれ。60歳以上が現地へ行けばいい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない。撤退したら、東電は必ずつぶれる。」
しかし劇中では、こう言ってる。
撤退などあり得ない。命がけで守れ。撤退したら東電は100%潰れる。逃げてみたって逃げ切れないぞ。60になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く。会長、社長も覚悟を決めてやれ。撤退などあり得ない。
たしかに、撤退(現場放棄)するつもりがない福島第一原発スタッフからすれば「何言ってんだコイツ」だし、知識も技術もない奴が来るなよって思うのはよく分かるが、全面撤退すると聞かされていたとすればこの激怒も理解はできるし、なにより矛先は現場ではなく本店幹部に向けられている。これ、むしろ元総理をかっこよく描いてなかろうか。
菅元総理や民主党政権について大きな不満を自分は感じているが、1点だけ偉かったとすれば現場放棄もせず、当事者として総理大臣としてなんとかしようとした点だけは評価している。方法論が良かったのかとか、その後を含めて対応が適切だったかは別として。
ドラマチックに見せるために事実と異なる描写は多々あるのだろう。専門家でも無い自分でも分かる範囲ですらいくつか気づいた点はある。だが、当時の政権を含めて誰が悪かったというような短絡的な描かれ方ではなく、誰もが懸命に努力をしたんだという描き方はアンフェアではないように思った。
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