ただ、異性の友人が出来たらガールフレンドなんて言い方をせず、「彼氏・彼女」と言います。イントネーションは「枯れ木」と同じです。「ボーイフレンド」「仲良しの友達」とかで良いのにと思うのですが。
そして、交際を止めると「別れた」と言うのです。「中高生なんだから、元のお友達に戻ったとかにしたら」と言ってみると
「だってみんな言ってるよ」との事です。
「別れろの切れろは芸者の時…」と思わず小さな声で呟いてしまうと
「えっ、今なんて言ったの」と尋ねられ
「いやいや、何も言ってないよ」と慌てて答えると、その慌てぶりを見て
「あっ!コンプライアンスとかなんかにに引っ掛かる?」と尋ねるのです。
「そうそう!そのコンプライアンス!うっかりしていて、ごめんなさいね」と言うと
「まあ、それじゃ仕方ないからいいよ」と、それ以上追及されませんでした。
今の子供達はネットリテラシーにダイバーシティにSDGsと、学科以外の教育も沢山受けています。
使ってはいけない言葉もきちんと認識して、差別も無く立派だと思います。
お陰で私が失言して困るだろうと、さらっと聞き流してくれました。
一人になり考えてみると、泉鏡花の「婦系図」の中の科白で、特に問題は無いのですが、若い人の前で言う言葉ではないなぁと反省しました。
説明を求められたら大変でした。
中学生の頃、テレビで「湯島の白梅」の舞台中継を見て、お蔦・主税と取り巻く人の心情は何となく理解出来たような気がした事など思い出し、変な子供だったと思います。
学校で配られる国語便覧等の日本文学史では、泉鏡花の代表作は「婦系図」より「高野聖」を掲載する本が多いのも納得です。
若い人の賢さとコンプライアンスに救われた思い出です。