ドンパチ女学院

アリス:私はこれからどこへ行けばいいの?
チェシャ猫:それはどこへ行きたいかでちがうさ

ファイヤーあんd

2012-11-08 23:24:24 | RIFT



街で起きる敵の侵略。
RIFTを閉じるときのような段階で展開しますが、肝心のラスボスがなかなかこない。
待ち構えるRaid、数分の戸惑いのあとガヤガヤと。



城の西にいるように見える。
誰かがそういうので向かってみる。






いつもそこに4人いるはずの、WFクエストNPCが全員いない。







と思ったら下のホールでかたまっており







ターゲットしてみると、狙っているのはまさしくラスボス。


ターゲットのターゲットで直接ターゲットまではいけますが、姿は見えないし視線が通らなくて攻撃も不可です。
誰かが「AEはどうだ!」と皆があちこちでAEを撃ちますがまったくダメ。
壁の中のどこかにはまっているようです。





あきらめっぺー  ということになって解散。残念。


じゃあ何をしようかな。ワールドイベントのクエストがEmberIsleで採取だからそこへ行こうかの。





アレを拾うんですが、何ぶんマグマがぐつぐつしていまして、ちゃんと(?)ダメージがガンガン来るものですから自力で拾うのが難しい。
自分にhotやウォードをかけても、拾う間にしむ。
ヒールしようにも拾うのにもインタラプトされて出来ません。


おっそうだ。このクエストでまず拾った指輪、アレはめればダメージ来ないんじゃない?
IPPの凍ってる湖で拾った氷の指輪。間違いないですな。







あったまいいー。そうですよね、ゲーム的にそうに決まってます。よくあるし。







違いました。




ノーラス戦乱記 5

2012-11-08 04:29:36 | EQ2ノーラス戦乱記
第五章  裏切りの聖職者  P3-7


「無礼者!」
チョコリクシャはクレウを睨んで言い放つと、森に向けて駆け出した。

「本意ではないが仕方あるまい」
クレウは追いかけようとしたが、次の刹那飛び下がった。

ドガン

轟音とともに地面に何かが衝突し、土くれを巻き上げてえぐれて爆ぜた。

「虚をついたのだが流石に勘がよいか」
水煙の中に立つバーバリアン、ツンドラがつぶやく。

「こっちは大丈夫。怪我はないワ」
クレリックのナツンがチョコリクシャを抱えて叫ぶ。

「急ぎ合流地点へ」
ツンドラは背後のナツンに声をかけると、クレウを遮って向かい合った。

「武の心得があればわかろう。弱き者よ。それでも我が前に立つか?」

クレウはツンドラを値踏みするように眺めてから言った。

「退けぬ時とてあろうよ」
ツンドラが拳を固める。

「武運を!」
ナツンは古代パナ語による祝福を唱えると、チョコリクシャを伴い足早に森の中に消えた。


クレウは身にまとう闘気を増しながら無造作に歩いてきた。

「退かぬ」
ツンドラは自分に言い聞かせるように叫ぶと、下がりそうになる足を踏ん張った。

クレウは小さく気を吐くとツンドラに向けて飛びかかった。

二人が交差する瞬間、森の奥に潜んでいたラトンガの魔術師がクレウに向けて呪文を放った。
閃光がクレウの動きを封じ、ツンドラの右拳がその胸を貫いた。

「そうか・・貴様らがTSUNOか・・」

クレウはおびただしい量の血を吐いて倒れながら言った。

「強兵よ。卑怯と罵られても構わぬ。それほど彼我には差があったのだから」
クレウの骸の横で膝をつくツンドラの右腕は、肩からちぎりとられていた。



**** **** **** **** **** ****


夜空をふたつの月が照らす。
ネクチュロス・フォレスト・・鬱蒼とした森の中、野営のテントのまわりには数人の武装した男達が動き回っている。

「たしかに今夜だと?」
ラファルは兵士の一人に尋ねた。

その時、森の木々を薙ぎ倒して巨大な白い獣が現れた。
赤い目をした巨大な犬、それは咆哮を響かせてテントの近くにいた兵士に噛み付き、その体を引き裂いた。

「やーたんやめなさい!」

森の奥から凛とした女性の声が響くと、白い獣は動きを止めた。

歩いてきた女性は兵士の傷口に手を当てると、癒しの呪文を唱えた。
ほどなくして兵士の傷口は閉じて、痛みもなにもかも回復してしまった。

ラファルは女性に歩み寄り一礼する。
「フラウ将軍、まさかあなたほどの方が出奔されるとは、この目で見た今も信じられないくらいです」

「私が身命を賭したOsanpoは、今ではもう別の国になってしまったのです」
憂いを含む美麗な面立ちに銀色の髪を両サイドに束ね、白色の鎧で身を包んだウッドエルフの女性。
Osanpoの四大将軍の一人であるフラウ将軍である。

「同胞に追われ、時として刃を交わすことになるかもしれない。そのような覚悟が本当におありなのですか?」
ラファルは鋭い眼差しで射るようにフラウを見やる。

「迷うならばこの場にはいませんわ」
フラウも強い視線を返す。

「形式として聞いたまで、将軍の覚悟は理解しています」
ラファルは表情を崩し、フラウに手を差し出した。

それから数時間後、ラファル、チョコリクシャ、フラウの三人は、ネクチュロス港から出航した黒い帆船の上にあった。

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つづく

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ノーラス戦乱記 5

2012-11-08 04:01:35 | EQ2ノーラス戦乱記
第五章  裏切りの聖職者  P1-2

 コモンランド北方の山岳地帯にOsanpoの城砦はそびえたっていた。
石造りの厚い外壁の内側にさらに内壁を加え、玉座のある天守塔は4層もの厚い壁に守られている。

夕方から降り出した雨は深夜になって嵐に変わり激しい雨が城や地面を叩いている。
暴風はごうごうと唸りをあげて木々を揺らす。

ザガガガン

雷鳴が轟き天空から青白い光の筋が落ちる。
その光が城の裏手から出てくる人影を一瞬だけ照らし出す。
黒いローブのフードをすっぽりとかぶり、まわりを気にしながら森へ向けて駆けていく人影・・・

レディ・チョコリクシャ・ホワイト。

ノーラスでも由緒ある家系であるホワイト家に生まれ、Osanpoの後宮にてカトーに寵愛されている妃の一人である。
父親は肺の病にてすでに他界しているが、カトーの副官として名を馳せた猛将ワーザー・ホワイト伯だ。

「急がないと・・」
チョコリクシャは小さくつぶやくと黒々とした森に視線を送る。

「このような嵐の夜更けにどこへ行かれるのか?」

突然の背後からの声にチョコリクシャの体が硬直した。

「クレウ!?」

振り向いた先の暗闇に立つのはOsanpoの千人将クレウであった。
温厚な性格だが戦闘となると豹変し、徒手にて100人を屠った逸話から百殺のクレウと呼ばれている。

「まさかスパイが貴方だったとは・・」

「夜風にあたりに出ただけです」
チョコリクシャは毅然とした表情で答える。

「陛下の妃に手荒な真似はしたくないのです。
拘束させてもらいますが暴れないでいただきたい。」







ノーラス戦乱記 4

2012-11-08 03:40:40 | EQ2ノーラス戦乱記
第四章  丞相の最後  P5-6


「女王陛下がお待ちでしてね」
ダーシャの両手に炎の魔力が集中していく。

「亡国の際に落ち着いているな。心すでにここに非ずか?」
ルピアは何度も国替えしているダーシャを皮肉ると、鋭い眼光で腰のダガーの柄に手をかける。

「心配には及びません。カトーは間もなく兵を引くでしょう。今頃Osanpo本城をVeyron率いる連合軍が攻撃している報せが届いているはずです。
留守を守るアカシャは稀代の天才軍師ですが、自ら兵を率いる戦はけして強くは無い」
ダーシャの右手が灼熱の炎を蓄える。

「我が国が軍備を増強していると流言を放ち、カトーとOsanpo本体を遠いこの地に呼び寄せたのはこのわたしなのです」
ダーシャが右手を突き出すと、螺旋状の炎がルピアを襲った。

「知っている」
ダーシャの背中にルピアのダガーが深く突き刺さった。

「我々は戦に来たのでは無い。企みを知ったアカシャの命により貴様を殺しにきたのだ」
ルピアは突き立てたダガーを二度ひねって引き抜くと、もといた部屋の隅まで飛び下がった。

「な・・!?」
ダーシャが吐血し膝をついて倒れる。

「万策を弄してなお届かぬ、それが我らOsanpoと知れい」
ルピアはダガーの血を拭い鞘に収めると、音も無く暗がりに消えていった。


**** **** **** **** **** ****


「本城に戻る。陣を引き払えい!」
カトーは城から立ち上る紫の細い煙、ルピアからの合図を確認すると、巨躯を揺らして立ち上がり地響きのように叫んだ。

ほどなくしてOsanpo本体は跡形もなく退去し、大きな犠牲を払ったものの、女王フィリアと新興国家は延命することとなったのだった。


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 つづく

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ノーラス戦乱記 4

2012-11-08 03:22:30 | EQ2ノーラス戦乱記
第四章  丞相の最後  P3-4


「常勝将軍セラ・・なんと忌々しいことよ・・」

女王フィリアは砂塵の向こうを睨みながら言った。

クェリオスのゆりかごと呼ばれるこの都市は、クェリオス神を信仰する者達が集った宗教国家の中心であり、女王フィリアと7賢人によって統治されていた。
この国は新興国家であり、征服したとて財を得る旨みもない。
統治者達は、Osanpoが侵攻してくるなどとは露ほども思っていなかった。
防備もしていないところへ、カトー率いるOsanpo本体が電撃のように進軍してきたのである。

「丞相はどこか?呼んでまいれ」
怒りに震えるフィリアの声が響き、兵士の一人が慌てて城へ向かった。

**** **** **** **** **** ****


壁一面の本棚にはびっしりと本が並んでいた。
部屋の隅の机には背の低い猫背の男が座り、熱心に書き物をしている。

丞相ダーシャ、クェリオスのゆりかごの軍事、内政のすべてに精通し、女王フィリアを補佐して国を動かす最高位の官吏である。

「丞相!戦局は思わしいものではなく、本陣にて女王陛下がお呼びです」
勢いよく扉が開き、息を切らせた兵士が叫ぶ。


「すぐに行きましょう。先に本陣に戻り、これを女王陛下に渡してください」
ダーシャは立ち上がって振り向くと、兵士の目を見据えて静かな物腰で答え、先ほどまで書いていた書簡をその手に渡した。


「行かせてよかったのか?」

誰もいないはずの部屋で突然に声が響く。
いつからそこにいたのか、背の高いケラが部屋の隅の壁にすかって立っている。

「わたしの炎に巻き込みたくはないのです。あなたこそ、暗殺者が姿を見せてよいのですか?」
ダーシャは8mほど離れた場所にいるケラを見つめて答える。

「誘っているウィザードの背中に飛びかかるほどマヌケじゃないのでね」
このケラこそOsanpoのルピア、ノーラス最凶のアサシンと呼ばれる狂った暗殺者だ。






ノーラス戦乱記 4

2012-11-08 03:20:34 | EQ2ノーラス戦乱記
第四章  丞相の最後  P1-2


窓から見える夜景はどても綺麗で、ラファルに時を忘れさせた。
港に停泊する巨大な客船、高台に点在する貴族の別邸の灯りは、暗闇の中に浮かぶ無数のかがり火のようでもある。
それらを見下ろして、ひときわ高い丘の上にあるこの邸宅は、砦と呼んでも差し支えが無いほど豪壮なものだった。

部屋の中央では小さな燭台の灯りに照らされて、ハイエルフの女性がピアノを弾いている。
調度品は贅を尽くしており、無造作に置かれた家具ひとつで立派な家が建つだろう。
王侯貴族の部屋だとしても、これだけのものはいくつも無いであろう。

ソファーの横の大理石のテーブルの上には、大粒の宝石がついたピアス、そして羊皮紙とペンが置いてあった。

「自分を責めることはないのよ」
コーデリアはピアノを弾く手を止めて、静かに立ち上がった。

ラファルは窓際に立って無言で外を眺めているが、その背中は少しつらそうに見えてせつなくなった。

「あなたがこうしているのは、わたしがクロンボーグ家の娘だからってことはわかっているの」
ラファルの背中に寄り添ってささやく。

「そんなことはないさ」
ラファルがやわらかい声で答える。

「ずるい人。でも、許してあげる。わたしももう後戻りできないもの」

静かな港町もいずれは戦火に飲み込まれるのだろうか。
ラファルの背中に頬をあてながら、コーデリアはぼんやりと考えていた。


**** **** **** **** **** ****


「右翼第一軍団壊滅して四散、スティール将軍討ち死にです」

「敵将はセラ。すでに第二軍団と交戦中。ノイド将軍の陣まで迫る勢いです」

本陣には次々と報せが届くのだが、どれもよくないものだった。

「常勝将軍セラ・・なんと忌々しいことよ・・」








ノーラス戦乱記 3

2012-11-08 01:55:21 | EQ2ノーラス戦乱記
第三章 The Lost Soul P5-7


夕闇の中を怒号が飛び交う。

朝から続く戦闘で、守備兵の抵抗はあきらかに鈍っていた。

「ワロスィー将軍、蹂躙してくるのだ」
本陣のカトーは傍らのエルダイトに告げる。

「根絶やしにしてまいりましょう」
ワロスィーは痩せこけた顔の奥の眼光を光らせて言った。

デルタ公国最後の城は炎と黒煙に包まれ、陥落の時が近いことを知らせていた。

黒いローブの集団がOsanpo本陣後方から歩み出る。

副官のヒーブが先頭を走り、魔術師軍団は城門前まで馬を進めた。
そして一斉に呪文の詠唱に入った。

ワロスィーの詠唱が終わると、その手の先から緑色の毒霧が吹き出し、城の隅々まで広がっていった。

デルタ公国の守備兵達の顔は紫色に変わり、喉をかきむしり苦悶の表情を浮かべて絶命していく。
炎や冷気、あらゆる魔法が城を襲い、そこにあるすべてのものを破壊してしまった。

「内乱により分裂したとはいえ、かつての強国も不甲斐無いものだな」
カトーは崩れ落ちる城を眺めながら言った。

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「袂を分けたとはいえ、長く仕えた城が落ちるのを見るのは気持ちよいものでは無いな」
山道から城を見下ろしていたパラディンは、兜の奥の目を伏せた。

「滅びるべくして滅びたのです。やつら旧臣達は己の保身ばかり気にして、ゴスモグ将軍の威光でデルタ公国が保たれていたことがわからなかったのです」
ジェイズは城から出る煙を見つめていた。

「多くの魂が奪われ、我々は同朋を失った」
ゴスモグは天空を仰ぎ見た。
「そしてノーラスはまだまだ多くを失うだろう」

ジェイズと配下の兵団は大きく頷いた。

「国、歴史、家族、Osanpoは我々から奪い続けている」
ゴスモグは聖剣"マーの真理"を天空に突き立て叫んだ。
「我はここに誓う!Osanpoを倒し、奪われしものを必ずや奪い返すことを!」

そして剣を返して続けた。
「その日まで我々はLost Souleと名乗るのだ!」

暗闇の中でジェイズと一団は、湧き上がる使命感と感動に熱く熱を帯びていた。

歴史を背負うもの達が、またひとつ産声を上げたのだった。

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つづく

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ノーラス戦乱記 3

2012-11-08 01:50:40 | EQ2ノーラス戦乱記
第三章 The Lost Soul P3-4


「外が騒がしいようだが何事だ?」
カトーは広間に着くと玉座に腰かけた。

「仕官を志願する流浪の者が衛兵と争いになっているようです」

「ほう、つれてまいれ」

その者は軽やかに歩いてきた。
衛兵は手を出すことができず、二重三重に流浪の者を取り囲んでいる。


「俺は仕官したいだけだ。争うつもりは無い」
男はカトーの前に一直線に歩いてきた。

その時、広間の右手の文官の列から飛び出すものがあった。

「おのれ!インキー!生きていたか!」

憤怒の形相で飛び出したのは、ユンキーという女官だ。

「控えい」
カトーが玉座から立ち上がり叫ぶと、ユンキーはその場にへなへなと座り込んだ。

カトーは二歩ほど進むとユンキーに尋ねた。
「この者を知っておるのか?」

「この男はインキー。我が故国Havenの高官だった男です」
ユンキーは目前の男に、憎悪の眼差しを向けている。

「この男はHavenの守護神と称えられたキザード将軍を毒殺し、その首を土産にRat王国に寝返ったのです。
それによりHavenは勢力を弱めてついぞ滅び、恐帝ザミエルは一気に覇権に手をかけたのです。
このような者を招き入れてはなりませぬ」

「弱い者が滅びただけだ」
インキーは悪びれることも無く言い放った。
「我が才は王佐の剣。必ずや陛下の懐刀となりましょう」

「Rat亡国の際に命を落としたと聞いていたが・・。まさか!ザミエルの病死も貴様が!?」
ユンキーは青ざめた顔で言った。

インキーはにやりと笑っている。

カトーはインキーのほうに踏み出して言った。
「我々は神を殺すのだ。主君を殺すなど罪には当たらぬ。次の遠征についてまいれ」
岩のような体躯はまわりの大気の温度を上げ、燃えるような赤い瞳は狂気を宿して光っている。

インキーは間近で見るカトーの覇気に気圧され、息を呑みうなずいた。
「まさかこれほどとは・・」


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ノーラス戦乱記 3

2012-11-08 01:40:50 | EQ2ノーラス戦乱記
第三章 The Lost Soul


月は庭園を照らし、池のほとりにはふたつの人影があった。

「厳しい戦いになるが、ついてきてほしい」
ラファルは暗黒剣ヴェル=アレクを手にしたダークエルフの騎士だ。
黒々とした刀身には古代文字が赤く刻まれている。


「はい」
ウッドエルフは、少し間を置いて答えた。

グリフィンの彫像の口から流れ出す水が波紋を作り、水面に移る月を揺らしている。
着ている紫のローブは上質な生地で丁寧に仕立ててあり、裾や襟には金の刺繍が施され、持ち主の身分が高貴なものだと知らせていた。

ライムライトはソーサラーの魔術、プリーストの祈り、ローグの武術を体得している賢者で、大陸全土に名が知れ渡っている。

「ありがとう。俺はほんと強引だよな」
ラファルは自嘲気味につぶやいた。

「いえ。強引だとは感じていません」
ライムライトの銀色の髪が夜風に揺れる。


「え?」
ラファルは意外な言葉に振り返った。

ライムライトはちらりとラファルを見たが、すぐに視線を水面に戻した。
「強引ではないのです。いやだから強引になるのですから」

ラファルはライムライトを見つめて微笑んだ。
「そうか。二人の道がいつまでも同じことを祈ろう」

「ええ」

二人は無言のまま月明かりに照らされていた。


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まだ数行ありますが、区切りのいいところで続きは明日。

それにしてもこのオトコマエっぷりは著者の特権っ

ノーラス戦乱記 2

2012-11-08 01:35:51 | EQ2ノーラス戦乱記
第二章  常勝将軍Sellas P5-7



「約束は守れそうにないな」
キスケは妻との約束を守れないことが残念だった。

来月生まれる子供を抱いてやること、こんな些細な約束が守れないことを、目の前にたなびくOsanpoの旗と、その軍勢の威容が物語っている。
しかも急遽ボンズの軍をも率いることになったため、命令の伝達経路すらままならず、キスケの率いる3万の軍勢は半分の力を出せるかすらもあやしいのだ。

「アーチャー、ソーサラー」
キスケの号令で、矢と魔法による第一射が始まった。


セラの軍団は怯むことなく押し寄せてきた。
速さに重点を置いたくさび型の陣形が、キスケの陣を切り裂いてゆく。

後方のフラウとリュオンの軍も動いた。
さながら大地が揺れながら押し寄せてくるようだ。


キスケは覚悟を決め、戦斧を高々とかざして叫んだ。

「我こそはキスケ!一騎打ちを望む!」
バーバリアンの巨躯と相まって、すさまじい迫力だ。

すると目の前の隊列が割れて、小柄なウッドエルフが飛び出した。

「我が名はセラ。今日この場より常勝将軍の誉れを得る者だ!」
叫ぶが早いか一直線に斬りかかってきた。


キスケは140kgもの重さがある戦斧を棒きれのように無造作に振り回した。
まるで竜巻のようだ。
セラは疾風のように身をかわし二刀で戦斧をさばくと、キスケの鎧の脇と首の隙間に剣を滑らせてキスケを討ち取った。


大将を失った守備軍に勢いは無く、後方から押し寄せるリュオンとフラウの軍団は残党を踏みにじり、そのままの勢いで城へと突入した。
そしてわずか一時間後には、城内のすべての場所にOsanpoの旗がたてられていた。


セラは激戦の疲れと安堵で痺れるような感覚を味わっていた。


「思ったよりはできるようね」
フラウがグラスを差し出すと、セラは笑顔で受け取った。

セラは勝利に酔うこともなく、次の戦場に思いを馳せているのであった。


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つづく

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ノーラス戦乱記 2

2012-11-08 01:25:09 | EQ2ノーラス戦乱記
第二章  常勝将軍Sellas P3-4


「いったいどれほどの軍勢だと言うのだ?」
ナフは苛立っていた。

世継ぎの無い先王が突然の病に倒れてから、ナフ、ペイシェンス、ウヒョウの3人の将軍がレッカーズを統治していた。
レッカーズは往時の勢力は見る影もなく、今では辺境の小国のひとつに過ぎない。



「まずはお手並み拝見といこうかしら」
フラウは後方に陣取ったまま、先陣を切るセラの軍勢を見つめていた。

「レッカーズには武名を轟かす、キスケ、ボンズの2将がいる。いかなセラとて苦戦は免れまい」
リュオンは部下に胴鎧をつけさせている。

砂煙を上げて猛進するセラの軍勢は3万、後攻めのフラウとリュオンが5万ずつの13万からなる大軍団。
対するレッカーズは城内に2万、城外の平野に陣取る3万の5万というところか。
誰の目から見てもOsanpoの勝利は確実であり、いかにして犠牲を抑えて勝つかという、内容が問われる戦だ。


「ボンズはどうした?」
城外の陣形の乱れを察してペイシェンスが伝令に問う。

「ボンズ大将は出陣しておりません」

「どこにおるのだ?」
ウヒョウが問う。

「出奔されたようです」

「おのれボンズ・・。先王からの恩を忘れたか」
ナフは怒りに満ちた声で言った。

その時、ボンズはすでに城から遠い土地に逃げだしていた。
「沈む船から降りることの、なにが悪いと言うのだ・・」
小さくつぶやくと、ローブのフードを深々とかぶりなおした。


「約束は守れそうにないな」
キスケは妻との約束を守れないことが残念だった。








ノーラス戦乱記 2

2012-11-08 01:20:13 | EQ2ノーラス戦乱記
第二章  常勝将軍Sellas P1-2



「あの者には荷が勝ちすぎるのでは?」

訪問者が部屋から出て行くのを確かめてからサディは言った。

「実力だけでは認められぬのが宮廷だ。セラには戦果を刻む戦場が必要なのだ。」

カトーは新しく四大将軍に任命したセラに、リュオン、フラウと合同でレッカーズを攻めるよう命令したのだ。
長く続く戦乱で国力は落ちているが、Rat帝国の時代にはデルタ公国と並んで列強と呼ばれた強国である。

「陛下は随分とあの者を買っているのですね」
サディは不愉快そうな顔で言った。

セラは四大将軍に相応しい実力を持っているのだが、小柄な女性ということがそれをわかりにくくしていた。

部屋を出たセラが廊下を歩いていると、フラウが階段を上がってくるのが見えた。

「これはフラウ将軍、今伺おうと思っていたところです。
次の遠征はリュオン将軍とともにレッカーズを攻めよとのことです」


フラウは手にしていた短剣を落とした。
セラが床の短剣を拾おうと手をかけると、フラウは短剣を踏みつけてセラを見下ろしながら言った。

「噂には聞いています」

セラが見上げると、フラウは嘲るような笑みを浮かべて続けた。

「新将軍殿は武勲ではなく、寝室で陛下を喜ばせる術に長けているとか。
新しい任務も将軍の座も、陛下の寝室で手に入れたものだと」

「やめないか!」
後ろから階段を上がってきたリュオンがフラウをたしなめた。

「あら、あなたの寝室にもこの小娘が入り込んだのかしら?」
フラウはリュオンがセラをかばったことが、ひどく気に入らないようだ。

リュオンは短剣を拾いセラを立たせると言った。
「非礼はわたしからも謝ります。フラウも本心ではないのだ。
任務については後ほど話しましょう。もう行かれよ。」

セラは悔しかったが、堪えなければならないことは理解していた。


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ノーラス戦乱記 1

2012-11-08 01:18:14 | EQ2ノーラス戦乱記
第一章  Osanpoの台頭 P7-8



「どうしたのだ?」
ダイヴィッチェは向きなおり立ち上がろうとした。


ドスッ


あまりにも唐突だった。
カトーの手にした戟はダイヴィッチェを貫き、その先端の三日月の刃は背後の祭壇をも破壊した。


「父よ、あなたの器はもはや溢れてしまったのだ。
これより先は我が千年王国へと導こう。」


カトーは左手でダイヴィッチェの頭を握り、次の瞬間トマトを潰すように握りつぶした。


「これよりOsanpoは神には祈らぬ。神を殺すのだ・・」


窓の外はいつの間にか嵐に変わっていた。


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つづく     

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この物語は実在の人物や団体とは関係ありません
いろいろごめんなさい><






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これにて第一巻の完。

私は初めて読ませていただいたとき、最後のセリフ

「これよりOsanpoは神には祈らぬ。神を殺すのだ・・」

で大爆笑しました。
Osanpoさんは、とてつもない強さを誇る神のアバターに挑戦し、次々と討ち果たしていたからです。

神さまは特殊なゾーンではなくフィールドにいて、運がよければ会うことができました。
自分が信仰してる神様のそばへいくと、バフがもらえたものです。

戦闘もフィールドで行われるので、遠目に見学したこともあります。
息詰まる戦闘の中、TMPさんにTell


それをこんな凄みのある言葉でセリフにし、表現するとは。
あまりの素晴らしい発想に声を出して笑ったものです。


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著者解説


この場面ではカトーがダイヴィッチェを殺すのですが、これはハードレイドギルド派だったカトーが、
ダイヴィッチェと意見が合わずGLが変わりOsanpoがどんどんハード路線に向かっていったことと、
神(Avater)を殺しているOsanpoを書きました。

神殺しに向かうOsanpoとその他ノーラスの各国(ギルド)の対立という構図を示し、
そこまでたどり着きませんでしたが大きなシナリオの序章になっていました。(神殺しには意味がありました)


ノーラス戦乱記 1

2012-11-08 01:15:05 | EQ2ノーラス戦乱記
第一章  Osanpoの台頭 P5-6


「我々が手を下す必要はないのです」
フラウはこちらを見つめてそう言った。


「では、誰が彼の者に鉄槌を下すと?」
リュオンが好戦的な眼差しで問う。


「先ほど討ち取った領主の首、あれを送りつけてやるだけでよいのです。
ゴールドムーンは民を思い、戦わずして城を明け渡すでしょう。
その後にその首を切り落としてしまえばよいのです。」

「貴卿が敵でなくてよかったと思うよ。」
リュオンは感嘆の表情で言った。


Mastersは衰退していたが、ノーラス最古の王朝にして暴竜ダラザーを討伐した血筋だ。
リュオンとフラウの率いる軍団はMasters殲滅のために合同で遠征してきている。

本城は目の前にあり、野営中の軍幕のテントで二人は軍議を交わしていた。


「もういいでしょう。朝までただのフラウでいさせて」
フラウはいたずらっぽく笑ってリュオンの首に手を回した。

「お手柔らかに頼むよ」
リュオンはランタンの灯りを落とした。


翌日、ゴールドムーンは無抵抗に開城し、ノーラス最古の王朝はその幕を下ろしたのであった。


***** ****** ****** ****** ****** ******


ソルセック・ローの祭壇に瞑想していたダイヴィッチェは目を開いてつぶやいた。

「恐帝ザミエルには、いやというほど煮え湯を飲まされた。
しかし、今やその玉座は我が下にあり、Osanpoは帝国を凌ぐ版図を手に入れた。」


黒雲の隙間からのぞく月に照らされて、ティア=ダルの美麗な女性がハープを弾いている。

「サディよ、おまえはザミエルにもっとも寵愛された妃だ。そちもまた我が手にある」
ダイヴィッチェは満足そうに続ける。

「惜しむらくはこの手でザミエルを葬りたかったが・・」


すると部屋の外がなにやら騒がしい。
程なく扉が開き、大将軍カトーと、リュオン、フラウ、ワロスィーの四大将軍が部屋に入ってきた。









※ 著者Rafalさんが解説のコメントをつけてくださいましたので、そちらも本文に移しました。
今後もコメントへ投稿して下さった部分は、随時移行の予定です。(Natun)

ノーラス戦乱記 1

2012-11-08 01:12:42 | EQ2ノーラス戦乱記
第一章  Osanpoの台頭 P3-4


Rat帝国皇帝ザミエルの死は帝国を崩壊に導き、ノーラスはいくつもの小国へと分断された。
新たなる盟主を巡る戦乱は2年もの長きに渡って続き、北方の蛮族を束ねるOsanpoが、帝国からその玉座を奪い取った。

これが先の大戦である。

そしてOsanpoの暴威は、いくつか残った小国へと向けられているのだった。

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ラヴィルのもとに寄せられる報告は、どれも芳しいものではなかった。


「降伏さえ許さないのですね。」
顔色は悪く疲労は隠せない。


城壁の外には地を埋め尽くすような軍勢が土煙を上げて押し寄せ、地響きとともにOsanpoの旗が揺れている。
ラヴィルが送った降伏のための使者は、八つ裂きにして送り返された。


女王ラヴィルが統治するImpactは、険しい山岳地帯の天然の要塞に守られて栄えていた。


「すべてを奪いつくし焼き払え!」

大将軍カトーは10万の軍団の先陣を切って馬を駆る。
目前の城砦からは、矢と魔法が雨のように降り注いでいるが気にかける様子すらない。
あっさりと城門の前までたどりつくと巨大な戟を背中まで振りかぶった。


ズドガガッ


カトーは巨大な戟を城門に叩きつけた。
堅牢なはずの城門は、熱した飴のようにえぐられて大きく口を開けた。


「最後の時まで気高くありましょう。」
ラヴィルは覚悟を決めたかのように立ち上がった。

カトーとその軍団は城内に攻め入り、動くものすべてが動かなくなるまで蹂躙してまわった。

城内に動くものは無くなり、もう立ち上がることの無い女王の骸を見下ろしながら、カトーは満足げな表情を浮かべていた。


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著者解説



ここで出てくるImpactのラヴィルですが、元VientにいたWestmail(通称:西やん)が脱退してギルマスをしていました。
それで最初の餌食にしたのです。
この頃はまだ、こんなこと書いてもいいのだろうかと世間の反応を気にしながら書いていました。
実は本の値段が高くしてあったのは、一般に普及させないようにという狙いと、関係者に怒られないようにいたずら的な意味合いがあったからですw


ちなみにVientはSiriusが解散したあとに作ったギルドで、ギルメンのみで週5回くらい単独レイドしているまったりなのか激しいのかわからないギルドでした。
Vientを卒業するとOsanpoに行くという、Osanpoの学校と呼ぶ人もいたように、優秀な人がたくさんいました。
現在も現役のHeeb、KureuやSellas、そしてとびぬけた能力を持ちEQ最高、至高のプレイヤーだと思っているLimelightなどです。
また、Arrest、Goldmoon、Corderia、Ladyrosenwoodなど超プレイヤーだらけなのにGMがダメダメ(おもに女性問題)という惜しい状態でした(自滅