この作品は本編にて一切描かれていない第一次内惑星戦争について取り扱ったものです。
また一連の文章の設定はアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』及び『宇宙戦艦ヤマト2202』に基づいてはおりますが、公式設定で描かれていない部分などや個人的趣向を優先したいところは、独自設定を用いています。予めご了承ください。 拙い文章ですので過度な期待はしないでください。
前回を読まれていない方はこちらから読まれることを推奨いたします。
《よし、花火の中に突っ込むぞ!》と金剛型宇宙戦艦ヒエイは先陣を切って敵陣に踏み込む
そして沖田艦長の指示によってキリシマも包囲のど真ん中に突入していく。
キリシマ、ヒエイに続きコンゴウやアブグマ、駆逐艦なども火星圏の戦場に突撃していった。
「ミサイル発射用意!」と沖田は指示する。
「ミサイル発射用意」と安田は復唱しミサイルが装填される
「攻撃始め!」と沖田は号令しキリシマのVLSから八本のミサイルが飛んでいき、包囲網に突破口を開く。
現在の火星圏は敵陣のど真ん中というべき場所で、目標のマーズステーション周辺には敵艦艇が大量に待ち構えていた。
その中に突っ込んでいった艦隊はほぼ無謀ともいえ、現状完全に火星軍に包囲されていた。
「死中に活を見出さねば、この包囲を突破することはできない!」
「狙うはマーズステーション。ただひとつだ!」と沖田艦長は命令する。
一年以上沖田艦長の部下としてやってきた山南でもこのような本気の顔は初めて見たと率直に思う。
「これが演習の時に単艦で旗艦だけに撃沈判定出してた作戦だよ....」と山南は呟く
「山南!周りの敵は気にしなくていい! ただあのステーションだけを目指せ!」
「安田、全火力で周りの艦艇を沈めろ! ステーションにたどり着くまで、この船に傷一つ付けるな!」
「沖田艦長。ちょっと振り回しますぜ。」と山南は帽子を上げる。
「うむ。やってみろ。」と沖田は言う
「最大戦速!」と山南はレバーを限界まで倒す。
「全砲門開けっ!」安田は指示する。
キリシマは普通の戦艦では考えられない、まるで駆逐艦のような挙動を見せる。
その分艦内は揉みくちゃになっているがそんなことは知ったことないと山南は舵を回す
《どうなってる!こんな機動無茶だ!》
「ジタバタ言うんじゃねえ! 戦艦は客船じゃねえんだ!」と山南は声を荒らげる
宇宙を裂くフェーザー砲の筋、そしてミサイルの雨。
キリシマを先頭にヒエイ、ハルナは暴れ馬の如く、火星軍の艦艇、戦闘機を沈め続ける。
暴れ馬とは対照的にコンゴウや巡洋艦は着々と砲とミサイルで敵艦を減らす。
「主砲オーバーヒート!オート攻撃がロックされました!」と安田は報告する。
「手動で撃て、やり方は分かるな?」と沖田は指示し再びフェーザー砲が息を吹き返す。
「了解!マニュアルに切り替え!」
「撃てえっ!」
《ハープーン装填!》
「攻撃は始めぇっ!」
三隻の戦艦たちが大暴れしてはいるがそれでも段々押されつつある。
まだ火星軍の堅陣を噛み砕けていない.。
陽電子砲はこちらを指向しつつある
《待たせたな》とバースト通信が入る。その声はギアル提督のものだ。
黄色の塗装が特徴的な欧州艦隊は火星軍を横側から強襲し包囲陣の破壊を試みている
《ヨーロッパだけにいい思いはさせないさ》とアメリカ艦隊もかなり数は少なくなっているが、砲火を抜け、なんとか中心にたどり着き包囲網に噛り付く。
《この機を逃すな!マーズステーションへの攻撃を開始!》と後方からの支援に回っていたコンゴウの永倉は指示する
「了解。イソカゼ、アヤナミはキリシマに続け」と沖田は無線で指示し
「これよりマーズステーション03への攻撃を開始する」と沖田は叫び。
キリシマのアフターバーナーは火を噴き。全速力で宇宙を裂く。
そしてその動きに突撃駆逐艦も続く。
《レールガンエネルギー充填完了!》《フェーザー砲いつでも撃てます!》
「撃て!」と山南は指示し
敵艦艇を破壊し包囲に穴をあけ、埋められる前にキリシマ、イソカゼ、アヤナミは通り抜ける。
ほぼ特攻に近い攻撃であった。キリシマの火星圏迷彩で塗られた真っ赤な艦体は今や煤で黒く染まっている。
「このままだと衝突します!」全速力で砲台へ向かっている
「山南!微調整して脚の隙間を通れ!」
「安田魚雷発射管開け!脚の隙間を通った瞬間に砲台に攻撃する!」と沖田はいう
中々に無茶な作戦だ。しかしここまでくれば立ち止まることはできない。
「魚雷発射準備!」と安田は復唱する。
「コンタクトまであと60秒!」
キリシマはその速力で対空砲火も抜け、陽電子砲の下に潜り込む
「艦首上げぇぇぇぇぇぇ!」と山南は叫びながら舵を引きキリシマが艦首を上げる
この瞬間しかない。失敗は許されない。誰もが知っていた。
「撃てぇっっっっっっ!」沖田は号令し、魚雷、ミサイルが勢いよく飛び出す。
山南は魚雷やミサイルが放たれたことを確認し、キリシマを離脱させる
「フルスロットル!急速離脱します!」山南はスロットルを最大にしマーズステーションから火星側に飛び出した。
そして直後陽電子砲を支えていた主脚の基部はイソカゼ、アヤナミの攻撃によって崩壊
陽電子砲の本体は崩れ、ギャラガステーションに重く圧し掛かった。
「山南、安田。良くやった」と沖田は言う。
しかし二人は顔を見合わせるだけだった
「素直に喜んだらどうだ?」と相馬は呟く
すると全艦優先通信で地球からの通信が入った。
乱れた映像が小さなテレビ画面に映像で表示される。
《全艦隊攻撃を中止せよ。 火星と地球政府の講話が行われた。 》と芹沢はとても低い声で言う。
「そうか......」と永倉は呟く。
《これはグレッグ・コールドウェル国連宇宙海軍総司令直々の命令である。》
《今すぐ地球に戻り給え。》
「.........全艦隊反転180度。地球へ舵を取れ。」永倉は指示する。
同時に火星軍も攻撃をやめている。
戦争が終わった今彼らは敵ではなくただの人間同士だった。
自然とブリッジクルーたちは敬礼をする。
共に戦った仲間に。
我々と戦った勇敢なる火星軍の戦士に。
———————―そしてこの地で散った両軍の英霊の魂に。
ついさきほどまでここで戦争が行われていたなんて嘘のような静けさだ。
これが第一次内惑星戦争の顛末である。
第一次内惑星戦争 終
2179.11.14.
月面条約が締結され地球全国家は火星共和国を承認し、完全な独立国となる。
2180.1.4.
内惑星戦争の教訓を元に各国常備軍が国連軍指揮下に置かれる。二重指揮体制が各軍に与える影響は大きく、完全な統合は先延ばしとなる。
2181.2.5.
火星にレアメタル、カイバ―ナイト60が埋蔵されていることが判明。エメラルダス政権は独自資本で採掘を行う。.
2183.4.12.
アメリカ合衆国が火星共和国に対し、宣戦を布告。
第二次内惑星戦争勃発する。
暗い部屋で男が誰かに電話をしている。たくさんの回線で繋がれた電話機の画面は怪しく光る。
「はい。全て準備は整っています。ええしかし火星を再び取り戻すのは容易ではありません」
「このご時世何かの大義名分がなければ大規模な侵攻はできません」
「ええ」
「あの作戦を使います」」
「ご安心を。私に全て任せてください。」
「——————合衆国大統領。」
また一連の文章の設定はアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』及び『宇宙戦艦ヤマト2202』に基づいてはおりますが、公式設定で描かれていない部分などや個人的趣向を優先したいところは、独自設定を用いています。予めご了承ください。 拙い文章ですので過度な期待はしないでください。
前回を読まれていない方はこちらから読まれることを推奨いたします。
《よし、花火の中に突っ込むぞ!》と金剛型宇宙戦艦ヒエイは先陣を切って敵陣に踏み込む
そして沖田艦長の指示によってキリシマも包囲のど真ん中に突入していく。
キリシマ、ヒエイに続きコンゴウやアブグマ、駆逐艦なども火星圏の戦場に突撃していった。
「ミサイル発射用意!」と沖田は指示する。
「ミサイル発射用意」と安田は復唱しミサイルが装填される
「攻撃始め!」と沖田は号令しキリシマのVLSから八本のミサイルが飛んでいき、包囲網に突破口を開く。
現在の火星圏は敵陣のど真ん中というべき場所で、目標のマーズステーション周辺には敵艦艇が大量に待ち構えていた。
その中に突っ込んでいった艦隊はほぼ無謀ともいえ、現状完全に火星軍に包囲されていた。
「死中に活を見出さねば、この包囲を突破することはできない!」
「狙うはマーズステーション。ただひとつだ!」と沖田艦長は命令する。
一年以上沖田艦長の部下としてやってきた山南でもこのような本気の顔は初めて見たと率直に思う。
「これが演習の時に単艦で旗艦だけに撃沈判定出してた作戦だよ....」と山南は呟く
「山南!周りの敵は気にしなくていい! ただあのステーションだけを目指せ!」
「安田、全火力で周りの艦艇を沈めろ! ステーションにたどり着くまで、この船に傷一つ付けるな!」
「沖田艦長。ちょっと振り回しますぜ。」と山南は帽子を上げる。
「うむ。やってみろ。」と沖田は言う
「最大戦速!」と山南はレバーを限界まで倒す。
「全砲門開けっ!」安田は指示する。
キリシマは普通の戦艦では考えられない、まるで駆逐艦のような挙動を見せる。
その分艦内は揉みくちゃになっているがそんなことは知ったことないと山南は舵を回す
《どうなってる!こんな機動無茶だ!》
「ジタバタ言うんじゃねえ! 戦艦は客船じゃねえんだ!」と山南は声を荒らげる
宇宙を裂くフェーザー砲の筋、そしてミサイルの雨。
キリシマを先頭にヒエイ、ハルナは暴れ馬の如く、火星軍の艦艇、戦闘機を沈め続ける。
暴れ馬とは対照的にコンゴウや巡洋艦は着々と砲とミサイルで敵艦を減らす。
「主砲オーバーヒート!オート攻撃がロックされました!」と安田は報告する。
「手動で撃て、やり方は分かるな?」と沖田は指示し再びフェーザー砲が息を吹き返す。
「了解!マニュアルに切り替え!」
「撃てえっ!」
《ハープーン装填!》
「攻撃は始めぇっ!」
三隻の戦艦たちが大暴れしてはいるがそれでも段々押されつつある。
まだ火星軍の堅陣を噛み砕けていない.。
陽電子砲はこちらを指向しつつある
《待たせたな》とバースト通信が入る。その声はギアル提督のものだ。
黄色の塗装が特徴的な欧州艦隊は火星軍を横側から強襲し包囲陣の破壊を試みている
《ヨーロッパだけにいい思いはさせないさ》とアメリカ艦隊もかなり数は少なくなっているが、砲火を抜け、なんとか中心にたどり着き包囲網に噛り付く。
《この機を逃すな!マーズステーションへの攻撃を開始!》と後方からの支援に回っていたコンゴウの永倉は指示する
「了解。イソカゼ、アヤナミはキリシマに続け」と沖田は無線で指示し
「これよりマーズステーション03への攻撃を開始する」と沖田は叫び。
キリシマのアフターバーナーは火を噴き。全速力で宇宙を裂く。
そしてその動きに突撃駆逐艦も続く。
《レールガンエネルギー充填完了!》《フェーザー砲いつでも撃てます!》
「撃て!」と山南は指示し
敵艦艇を破壊し包囲に穴をあけ、埋められる前にキリシマ、イソカゼ、アヤナミは通り抜ける。
ほぼ特攻に近い攻撃であった。キリシマの火星圏迷彩で塗られた真っ赤な艦体は今や煤で黒く染まっている。
「このままだと衝突します!」全速力で砲台へ向かっている
「山南!微調整して脚の隙間を通れ!」
「安田魚雷発射管開け!脚の隙間を通った瞬間に砲台に攻撃する!」と沖田はいう
中々に無茶な作戦だ。しかしここまでくれば立ち止まることはできない。
「魚雷発射準備!」と安田は復唱する。
「コンタクトまであと60秒!」
キリシマはその速力で対空砲火も抜け、陽電子砲の下に潜り込む
「艦首上げぇぇぇぇぇぇ!」と山南は叫びながら舵を引きキリシマが艦首を上げる
この瞬間しかない。失敗は許されない。誰もが知っていた。
「撃てぇっっっっっっ!」沖田は号令し、魚雷、ミサイルが勢いよく飛び出す。
山南は魚雷やミサイルが放たれたことを確認し、キリシマを離脱させる
「フルスロットル!急速離脱します!」山南はスロットルを最大にしマーズステーションから火星側に飛び出した。
そして直後陽電子砲を支えていた主脚の基部はイソカゼ、アヤナミの攻撃によって崩壊
陽電子砲の本体は崩れ、ギャラガステーションに重く圧し掛かった。
「山南、安田。良くやった」と沖田は言う。
しかし二人は顔を見合わせるだけだった
「素直に喜んだらどうだ?」と相馬は呟く
すると全艦優先通信で地球からの通信が入った。
乱れた映像が小さなテレビ画面に映像で表示される。
《全艦隊攻撃を中止せよ。 火星と地球政府の講話が行われた。 》と芹沢はとても低い声で言う。
「そうか......」と永倉は呟く。
《これはグレッグ・コールドウェル国連宇宙海軍総司令直々の命令である。》
《今すぐ地球に戻り給え。》
「.........全艦隊反転180度。地球へ舵を取れ。」永倉は指示する。
同時に火星軍も攻撃をやめている。
戦争が終わった今彼らは敵ではなくただの人間同士だった。
自然とブリッジクルーたちは敬礼をする。
共に戦った仲間に。
我々と戦った勇敢なる火星軍の戦士に。
———————―そしてこの地で散った両軍の英霊の魂に。
ついさきほどまでここで戦争が行われていたなんて嘘のような静けさだ。
これが第一次内惑星戦争の顛末である。
第一次内惑星戦争 終
2179.11.14.
月面条約が締結され地球全国家は火星共和国を承認し、完全な独立国となる。
2180.1.4.
内惑星戦争の教訓を元に各国常備軍が国連軍指揮下に置かれる。二重指揮体制が各軍に与える影響は大きく、完全な統合は先延ばしとなる。
2181.2.5.
火星にレアメタル、カイバ―ナイト60が埋蔵されていることが判明。エメラルダス政権は独自資本で採掘を行う。.
2183.4.12.
アメリカ合衆国が火星共和国に対し、宣戦を布告。
第二次内惑星戦争勃発する。
暗い部屋で男が誰かに電話をしている。たくさんの回線で繋がれた電話機の画面は怪しく光る。
「はい。全て準備は整っています。ええしかし火星を再び取り戻すのは容易ではありません」
「このご時世何かの大義名分がなければ大規模な侵攻はできません」
「ええ」
「あの作戦を使います」」
「ご安心を。私に全て任せてください。」
「——————合衆国大統領。」
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