もの想う鷲 (A thinking eagle)

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2月8日 スティーブ・ジョブ氏は、曹洞宗に心酔された仏教徒であった。

2015-02-08 15:09:03 | 日記
2月8日 スティーブ・ジョブ氏は、曹洞宗に心酔された仏教徒であった。

アップル社を創業し、去り、最後はアップル社に返り咲き、2000年からCEOを勤められ、亡くなられる2か月前に会長職に退かれたスティーブ・ジョブ氏(1955年〜2011年)は熱心な仏教徒であった。17歳の時インドに旅をして、ガンジーの有名な言葉「明日死ぬかのように生きろ!、永遠に生きるかのように、学べ!」に会い、生涯、座右の銘とされた。渡印の前から、既に、曹洞宗の桑港寺(Sanfrancisco Temple)の鈴木俊隆老師(1905年〜1971年)に禅の指導を受け、鈴木老師が1971年に逝去されてから、嗣法者の乙川弘文老師(1938年〜2002年)につき、参禅を続けて行かれた。1991年のローリン・パウエルさんとの結婚式は、仏式で乙川弘文老師が主催して執り行われた。

パソコンに詳しい方々は、スティーブ・ジョブ氏がCEO時代に発売した「Macintosh」は、現在の「Window」等とは桁違いの、バグのない素晴らしいものだったと言っていられる。
また、iPod、iPhone、iPad、は私には良く分かりませんが、革新的なもののようです。その証拠に、iPod、iPhone、iPadのお蔭で、アップル社は、氏がCEOを退かれた2011年8月には、エクソン・モービルを抜き、時価総額で世界最大の企業になっていた。さらに2012年には、1999年12月にマイクロソフトが記録した記録を抜き時価総額が6,230億ドルを超え、現在も世界最高額の6824億ドルの時価総額を誇っている。(ちなみに、トヨタ自動車は20位で2044億ドルの時価総額である。)


2005年6月12日、スタンフォード大学の卒業式に登壇したスティーブ・ジョブ氏のスピーチは多くの人を感動させました。その言葉の中には、彼が傾倒した禅の心がありました。
概要は以下の通りです。

未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない。君たちにできるのは、過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても、将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じてはいけない。自分の根性、運命、人生、カルマ- - -、何でもいい、とにかく信じること。点と点とが、自分の歩んでいく道の途上のどこかで、必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信をもって己の心の赴くままにいきていくことができる。結果、人と違う道を行くことになってもそれは同じ。信じることで全てのことは、間違いなく変わるんだ。
(中略)
私が若い頃見て影響を受けた「The Whole World Catalog」の最終号にはこんな言葉があった。「ハングリーであり続けろ。馬鹿であり続けろ」そして私は常にそうありたいと願ってきた。今皆が卒業して新たな歩みをはじめるのに、皆もそうあって欲しいと思う。ハングリーであり続けろ。馬鹿であり続けろ。

(注記:「馬鹿」といってもただの馬鹿ではない。馬鹿正直で不器用な人が、かえって人から信頼され、偉業を成し遂げることができる。「ハングリー」は「貪欲であれ」というので
はない。若者よ「立ち止まるな」、「落ち着いてしまうな」、「探し続けよ」ということである。「自己の心の赴くまま」とは、自分がやりたいと思っていることは、きっと自分に合っている。自分に合っていなければ、きっとやりたくなくなるということである。「信じること」、何を信じるのか- - -自分を信じる、自分の可能性を信じるのである。自分にどんな能力があるのか、とにかくやってみないとわからない。「繋がっていく」- -「努力は決して無駄にはならない」とは言えないが、努力があってこそ、失敗があっても、成功がある。過去のすべてが繋がって今がある。)

彼は、禅の影響を受け、大学時代から、絶対菜食主義者であった。ただ、癌の手術後、蛋白源が必要になって、魚介類を食されるようになられたとのことです。日本食、とりわけ、蕎麦と寿司を好まれたそうです。アップル社の食堂、Cafe Macsには、氏が考案されたという「刺身蕎麦」のメニューがあるそうです。Cafe Macsで働く日本人のスタッフの女性は、築地で
本格的な蕎麦打ちの修行をされたそうです。
出家して日本にわたり、永平寺で修業したいと真剣に願われた時期がありましたが、師の乙川弘文老師は、それを思い留めさせ、ジョブズが強い関心を持っていた「ものづくり」の世界で仕事をしつつ、禅の教えと関わり生きる生き方を勧められた。氏はその通りに生きられ、禅の教えと生き方は、常に氏のよりどころとなっていったのです。

禅が世界に広がっていっていることが、氏の生涯を一瞥しただけで知ることができました。最後に般若心経の最初のところの山田無門老師の翻訳を以下に記します。

偉大なる智慧の心理を自覚する肝心な教え
自由に心理を観る目の開けた菩薩は、その深い英智によって、肉体も精神も、全て空であると達観して、一切の苦悩災厄から免れる。舎利弗よ。肉体は空を離れては無い。空は肉体を離れて無い。 - - -以降は 現在に生きる禅の力「禅」(2015年2月10日発行)((エイ)出版社)を参照ください。
(註記:仏教の「空」とは無限の可能性を秘めた「空」です。)

Wikipediaから氏のことについて抜粋したものを以下に記します。

ビジネスについて彼は次の様に言っている。
私のビジネスのモデルはビートルズである。彼らはお互いの欠点を抑え、お互いを支え、各人の価の合計よりも、全体のトータルの方が大であった。偉大なビジネスは、一人では成し遂げられない、チームでのみ達成できるものである。ちなみにアップルの創業期には、ジョブズ、ウォズニアック、マークラ、スコットの4氏が居た。

氏のトレードマークのタートルネックは、三宅一生デザインのものであるが、氏が1980年代に盛田昭夫氏に案内されてソニーの工場見学をされたときに、三宅一生デザインの制服に感心され、アップルの制服も三宅一生デザインのものにするべく提案されたが受け入れられなかった。しかしこれを機に、氏は三宅一生デザインのタートルネックとリーバイスのジーンズ、ニューバランスのスニーカーを自身のユニホームとされた。

業界で氏にまつわる人物は数多いが、中でもマイクロソフトのビル・ゲイツ氏は同じ1955年生まれということもあって、独特のライバル関係にある。世間では確執が語られることも多いが、自他共に認める友人であり、ビジネスのみならずプライベートでも関係が深かったことが知られている。互いにビジネスの才覚については高く評価されている。

氏に対する評価は以下の通りです。


スティーブの様に深い影響を与えられる人間は,めったにない。その影響はこれからの多くの世代にも受け継がれるだろう。
―ビルゲイツ


スティーブはアメリカのイノベータの中で最も偉大な一人でした。違う考えを持つことに勇敢で、世界を変えられるという信念に大胆で、そしてそれを成し遂げるための充分な能力がありました。この星で最も成功した会社をガレージから作り上げることで、彼は米国の創造性の精神を立証しました。スティーブは毎日が最後の日の様に生き、私達の生活を変え、全産業を再定義し、私達一人一人が世界を見る方法を変えました。
―オバマ大統領


ジョブズ二は100マイル先の水平線が見えていた。しかし彼にはそこに到達するまでに通らなければならない道の詳細は見えていなかった。それが彼の天才性であり落ち度でもあった。
―ジェイ・エリオット


スティーブはまさに刺激的な存在だ。放漫で、暴虐で、激しく、無いものねだりの完全主義者だ。彼はまた、未成熟で、か弱く、感じやすく、傷つきやすくもある。そして精力的で構想力があり、カリスマ的で、さらにおおむねは強情で、譲らずまったく我慢のならない男だ。
―ジェフ・ラスキン


私が嫌な奴についての本を書いていることが知れた途端、誰もが進んでやってきては、スティーブ・ジョブズの話をきかせてくれるようになった。シリコンバレーで如何にジョブッズが恐れられているか、そのレベルは驚嘆するものがある。彼は人を震え上がらせ、悲嘆にくれさせる。だが、彼は殆どいつも正しく、例え間違っている時でも、その創造力の豊かさには目を見張るものがある。
―ジョン・スカリー

民主主義に沿っていたんじゃ、素晴らしい商品なんて創れっこない。闘争本能の塊のような独裁者が必要なんだよ。
―ロバート・サットン(スタンフォード大学教授)

2009年11月には、アメリカの経済紙「フォーチュン」から「過去10年間の最も優れた最高経営責任者」に選出された。

以上、wikipediaから抜粋しました。


深く仏教に帰依され、世界に貢献された、 スティーブ・ジョブ氏に敬意を表しつつ

合掌
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
コメント
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