goo blog サービス終了のお知らせ 

海の家

旅行と映画の感想を載せていきたいと思います。
よろしくお願いします(*^_^*)

容疑者Xの献身

2008年10月13日 09時50分18秒 | 映画感想
監 督  西谷弘
出演者 福山雅治 (湯川学)
     柴咲コウ (内海薫)
     堤 真一 (石神哲哉)
     松雪泰子 (花岡靖子)

 10月11日(土)に観に行きました。長崎に新しくできた映画館を体験するという目的もあり、地元長崎出身の福山雅治さん主演のこの映画をチョイスしました。
なかなか渋い映画だったな~というのが第一の感想です。テレビとはひと味違うワールドでした。


…以下ネタばれありです…



 ストーリーは孤独な容疑者Xの切ない恋(といえるのかどうか…)と、湯川准教授との友情が絡んできて、謎解きと言うよりは孤独な男の魂の救済を描こうとしたヒューマンドラマとして成り立っています。
テレビドラマでは見られない湯川准教授の悩む姿は渋くてかっこよかったです。もうひとりの主人公である石神を演ずる堤真一さんや、その片思い相手である花岡を演ずる松雪泰子さんの味のある演技で、キワモノでない、本格派の雰囲気を醸し出していました。映像も登場人物達の日常の風景(=我々の日常でもある見慣れた雰囲気)を丁寧に描き、映画世界へ自然に引き込まれていきます。
なかなか見応えのある良作だと思いました。

 しかし、不満がないわけではありません。渋いということは裏返すとテレビ版のハデな演出が少ないということで、湯川准教授の決めのポーズ(顔を片手で覆う)や、所かまわず数式らしきものを書き散らすシーンなどは影を潜めています。その辺り物足りないと思う人もいるのではないでしょうか。(かくいう私もそのひとりです)やはり「ガリレオ」が出るからには、颯爽としたかっこいい事件解決を期待してしまいます。(と、ここで改めてこの映画の題名を見ると、どうも「ガリレオ」の文字が入っていないようです。監督はこの辺りでもテレビ版との差別化を図っているのでしょうね)

 また、映像が丁寧だと記しましたが、ハデなシーンは冒頭と山とエンディングの三カ所だけだったように思えます。映画という大スクリーンとの相性という点からすると、やや物足りなさを感じました。

 さらに、内容面でも謎解きよりも人間関係に力点が置かれていて、謎の面白さが、映像としてはっきり提示されなかったような気がします。湯川准教授が二人に分かれるシーンがありましたが、当然容疑者に対してもそういった演出をして欲しかったです。少なくとも映画館で二人して映画を観ているシーンや、友だちと会っているシーンは映像化した方がよかったような気がします。

 繰り返しますが、この映画はテレビ版「ガリレオ」とはかなり軸をずらしたものだと感じました。ガリレオというハデなキャラ立ちに頼ることなく、人間性を描き出す本格ドラマとしての位置づけをしようという意欲にあふれた作品です。そのずれが魅力でもあり、不満点でもあるようです。私としてはこの作品とテレビドラマの「エピソードゼロ」の2作を観て満足しました。

(2008年10月11日(土)ココウォーク映画館にて)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿