海の家

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崖の上のポニョ

2008年08月14日 12時45分24秒 | 映画感想
監 督 宮崎駿
声の出演 ポニョ: 奈良柚莉愛
       宗介: 土井洋輝
       リサ: 山口智子
       耕一: 長嶋一茂
       グランマンマーレ: 天海祐希
       フジモト: 所ジョージ

 8月12日(火)佐賀のイオンシネマで観ました。
 事前にインターネットで色んな方の感想を見ましたが、賛否両論あるようです。私としては、最後まで楽しく宮崎ワールドにはまれて、大満足でした。
 ジブリ作品としては、「ゲド戦記」以来、宮崎駿作品としては「ハウルの動く城」以来の作品となりました。私としては、「ゲド戦記」「ハウルの動く城」共に、不満の残る作品だっただけに、この作品には、期待半分、不安半分の気持ちでしたが、特に「アニメーション」という表現方法において、面目躍如という感がしました。


以下ネタばれありです…


 まず圧倒的インパクトとして、めまぐるしく動く絵が挙げられます。ただ動くだけではなく、アングル、緩急の付け方など、よく研究し練り込まれていて、見ていて気持ちがよかったです。ポニョが波(?)の上を走るシーンなど、久々に宮崎アニメの疾走感が出ていました。また、水の底に沈んだ森の表現も不思議な感覚で、現実と幻想の交錯した世界をうまく表現できていました。色合いもこの手のジャンルでは実にしっくり来ていて、とても見やすかったです。コンピューター処理をしていないと言う話ですが、手書き独特の「揺れ」が感じられるいいアニメだと思います。(人によってはその辺りで酔ってしまうこともあるかも…)
 表情の描き方も丁寧で、なかなか好感が持てました。ポニョの三段変身(魚→半魚人→人間)は、観る人によってはちょっと気味が悪く感じるかもしれません。特に半魚人の時の顔は人間離れしています。この辺りはもちろん監督の意図ですので、評価は観た人の感じ方で言いと思います。私は、主題の一つである、「外見だけで愛するのではない」ということを伝えるために必要だったと思いました。

 内容は、ある意味定番、私としては真新しさを感じさせるほどではありませんでした。環境破壊などに対する、文明批判的な主題も読みとれますが、あまり深刻に分析するよりも、その世界観に身を任せて楽しむという姿勢で観るのがよいような気がします。単純なストーリーではありますが、人物の性格付けやそれぞれの絡みで、冗長さは感じられません。主人公の二人よりも、宗介の母リサやポニョの父フジモト、おばあさん達など、宮崎駿色の強い個性派の脇役によって、楽しい雰囲気が盛り上がっています。

 あえて難を言うならば、ポニョの描き方ですが、「宗介が好き」という一点だけで持たせようとしたところは、性格の広がりに欠けるところがあり、(途中、赤ちゃんに接するところで優しさなどを表現しようとした所もありますが、そういう箇所が少なかったような気がします)親近感が今一歩出なかったかもしれません。
この点と、上記した「半魚人」との描写によって、この作品は「トトロ」ほど、両手放しで国民的に親しまれる作品とはならない可能性もあります。

 しかし、涼しげな海の映像、動きのある楽しいアニメーション、水の底の不思議な世界、心優しい登場人物達、心温まるストーリーとハッピーエンド、名作児童アニメとして十分な力量を持った作品です。
幸せな「その後」を想像したくなる傑作だと思いました。


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