この間、本屋さんで、溜まり過ぎたポイントで買った本です。表紙とタイトルに惹かれて。西奏楽 悠さんの作品で「僕らの空」という本です。
とある男子高校生が、道に迷い山に続く道に差し掛かるところで、不思議な2匹の神様に出会うところから始まります。いくつかの短編の続いた後、男子高校生のどうしても叶えたかった願いが判明します。
最初は、よくあるほのぼのとした、神様とのやり取りを描いたお話かなと思いましたが、作品を読み進めるうちに、物語の初めに、三毛猫のお願い事を描いたお話で「永遠を願った後だからこそ、求めることができた一瞬の可能性」という言葉の意味が、どれくらい大切で重い言葉なのかが痛いほどわかりました。ところどころ伏線はありましたが、読んでいても気づかなかったし、うっすら感じていたけどこのままハッピーエンドで終わってほしいと願わずにいられなかった。でもバッドエンドでもない、心からの願いを叶えた後の代償が悲しいけど、幸せなんだって感じされる物語でした。
手に取って読んだ人は、たぶん誰も物語の最後の結末を予想できないと思います。
この本は、ずっと手元に残しておきたい一冊になりました。久々にこれって本に出会えた気がします。