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しもべにおけなみのおてていれをゆだべるということ
ねこのみなさんごきげんよう
ぼくがなんどもよびますのに
しもべはあまりにねたままでしたので、ぼくはおとくいの
「しもべのまぶたにちょこっとだけおつめをひっかけてひっぱる」
をくりだそすつもりで、そっとおててをふりあげました
そのしゅんかん、しもべのてがぼくのおててをつかもうとしました。
おきているのだとおもい、ぼくはわざをくりだすのをやめにして
ねこさんずわりでまちました。
が、いいだけまってもおきませんので、
ためしにもう一度おててをそっと
ふりあげてみましたら、やっぱりしもべのてが
ぼくのおててをつかもうとしました。
しもべはねながらにして、ぼくのわざをふうじるすべを
あみ出したのです。
そんなスキルをみがいても、ゆうしゅうなしもべには
なれないというのに、どうしてそんなところでちからを
はっきしてしまうのでしょうか。
さて、いまねこさんのおけなみはすっかり
夏仕様の、さっぱりしたおけなみのこととおもいます。
それでも、まいにちのおけなみのおてていれは
ねこさんにとって、かかせない習慣ですね。
ぼくは、おけなみのおてていれは、
たいはんをしもべにゆだねています。
ぼくがみずからおてていれをするのは、
おねんねのじゅんびのためか、
しもべにおてていれをしているぼくを
みせてあえげるためです。
おけなみのおてていれの、ほんしつのぶぶん
ーーつまり、おからだにまとわりつくはぐれ毛を
取り除くさぎょうについては、すべてしもべに
まかせています。
しもべにおけなみのおてていれれをされるのがきらい、
というねこさんもいらっしゃるでしょう。
そのりゆうにはさまざまあるようです。
たとえば、しもべが未熟で、
ごじぶんでやるほうがはるかにこうりつがよく
なおかつきもちがよい、というものや
ごじぶんのおけなみをたいせつにおもうために
しもべにはさわらせたくない、というものなどが
だいひょうてきかとおもいます。
ぼくも、しもべのおたくにまねかれたとうじは、
そのように考えていました。
トキトキのブラシで(のちにこれは、毛の多いタイプの
犬用ブラシだったことがわかりました。)
ガシガシじゃっじゃっとされますと
ぼくは、まだこねこさんのやわらかい地肌でしたし、
それはもう刺激がつよく、おめめはまっくろ
おみみはぺたん、おもわずにぎるおててにちからが
はいり、まさに”おけなみをむしられる”という
ふぜいでした。
おかげでぼくは、おけなみがうすくなって
しまいました。いまでもうすいままです。
そんなつらいかこがあるにもかかわらず、
ぼくがしもべにゆだねるのは、
あるとき、おけなみのおてていれにかける
ぼうだいなじかんとちからのことを、
おもったからです。
ねこさんはなによりきれいずきですから、
おけなみのちょっとのみだれも、わずかな
よごれもきになってしまいます。
そして、はぐれ毛はちくちくしてねこさんを
こまらせます。
つねに一定以上の美しさ、清潔さ、心地よさを
たもつためには、畢竟、おきているおじかんを
ほとんんどおけなみのおてていれにつかうほか
ありません。
おねんねしているか、おてていれしているか
ねこさんにはそのどちらかしかない、
そういうことになります。
それにおてていれによりおめしあがりに
なってしまうはぐれ毛のために、
いまたいらげたちゅーるさんを、ぜんぶ
げぼっとしてしまうこともままあります。
それにひきかえ、しもべにおけなみの
おてていれをゆだねますと、
ぼくがぼくをやめてぐーぐーいっているあいだに
すっきりさっぱりしてしまいますから、
たいへんぐあいがよいわけです。
こうすることで、ねこさんは
おけなみのおてていれについやす
膨大なじかんと、
膨大なエネルギーを温存できる、
そういうことになります。
このようにやりくりしたじかんで、
ねこさんはなにをなすべきかといえば、
絶対ねこさん制による支配の確立のため
おつめをとぎ、おみみをすまし、
にくきゅうをきたえ、
しっぽっぽとのきずなをふかめる
これにつきます。
みなさん、おわかりになりましたか。
おけなみのおてていれは、
しもべにゆだねるのです。
しもべにゆだねることに
けんおかんや、ふあんをおぼえている
ねこのみなさんにいいしょう。
いまはみじゅくでも、しもべは進化する
いきものです。
しもべのちからをしんじ、
きよみずのぶたいからとびおりるつもりで
しもべにゆだねるのです。
だいじょうぶ、ねこさんは
にゃんぱらりができますね。
そうです、あの偉大なせんせいから
おそわった、あのにゃんぱらりです。
たかいところからおちてしまっても
ねこさんらしく、ゆうがに着地できますから
おもいきってとびおりてください。
そのゆうきをもったねこさんが
ふえればこそ、絶対ねこさん制による支配が
盤石のものとなるのです。
とびおりるねこさんに、さちあらんことを!