第2話 出会い
「誰よ?」
とララ・蘭はまず守里剣を睨んで、「いや…俺…守里剣と言います!今日で16歳になったばかりというかなんていうか…」
はというと、グルグルと守里の周りを周って歩きながらカラン・唯は「いきなり誰なのよ!」
こちらもあまり機嫌が良いとは思えない感じな雰囲気。
そこへ、セイナは、「えへへ、今日で誕生日で、まず刀が欲しいんだっていうんだけどね?」
まだ納得がいっていない2人でしたが「その前に紹介するね、ララ・蘭ことララ姉、カラン唯ことカラン姉ね」
2人は疑問の顔をしながらも、きちんと頭を下げ挨拶をした。
そこへ、セイナが何だか言いずらそうに、「前に京都に行ったことあるよね、おじいちゃんに会ったり京都周ったり!」
それを遮ってもおかしくないように、ララやカランは警戒心満載の顔をあらわにしている。
困りつつ、セイナはここは頑張ろうと思い意を決して!といったものの、いったん深呼吸をしてから、「えっとぉ…冬至郎おじいちゃんにもらったのがあったから…」
まで言いかけると、ララとカランに同時に、「反対!」と言われてしまった。
そこへ、トキノ・マーズリが、いきなり現れた守里剣に驚きと、ララやカランの怒った顔を見て「まず、武器類は何もないから問題はないようね」
と、守里剣が持っていたバッグをチャックしながら、「事情もだけど、目的が分からないようじゃどうしようもないわね」
「ちょっと相談させてほしいかな?」
と、トキノとララ、カランの3人はどこか外で話込んでいるようだったので「ああ、俺、ジャンク屋やってるから怪しく…」までいいかけると、「ああ、挨拶ね、私トキノ・マーズリって言うの、守里剣君ね」
ちょっと待っててというように3人で外へ不審そうに行ってしまった。
その間にセイナは、
「紹介するね、ロロナ、AIなんだ、えへ」
ロロナは、AIだけに宙を泳ぎながら、「ようこそ~ゲンナ号へ~」と言っている。
ゲンナ号に興味を持った守里剣は「へえ~…凄いや、AIの考案は誰なの?エネルギーはここからで…」と、ロロナに近づこうとすると、
ララとカンナは、腕を組んで半分睨んだように、「そもそも何に使うのよ!遊びだったら帰ってもらうから!」
トキノは冷静に「そうね、私たちと関係ないようなら大事なものだから渡すことはできないと思うの」
そして「私たちも大切な用事があるから、遊びで使うようなら困るものなの、今後のためにね」
とトキノは真剣な表情。
守里剣は「確かにここまでの準備は相当でしょう…だからこそやっぱり!」
とセイナは困った顔をしつつ、守里剣も頭を掻きながら、「案内するから…誰にも言わないで下さいよね…」
ララが「怪しい施設だったら困る!」
といったのですが、トキノとカンナは静止し、「彼、守里剣君は誰にも見せたくなかったものをみせようとしてるの」
「しかも、何も危ないものはないわ、これなら良いかしら」
というとセイナは安心したような顔になり、守里剣は照れ顔をしつつも、ちょっと心配もあった守里剣は「内緒でよろしくお願いいたしますね?」と小声でみんなに、
そしてセイナにも内緒ね、と仕草を取って、
セイナ・凛、ララ・蘭、カンナ・唯と隠してあった倉庫へ向かうことになった…
そして、トキノ・マーズリも同行することになった。
「いきなりだったわね…ん…私はララ・蘭、17歳」
「少林寺拳法やっているから何か不審な行動があったら、ただじゃすまないわよ!」
と照れたように挨拶し、「私はカンナ・唯、私たちは名前の通りイタリア人と日本人のハーフね、20歳よ」「法律に関してはかなりうるさいから、少しでも法律に反したら黙っていないからね」ちょっと検事っぽい雰囲気を出した。
「トキノ・マーズリっていうの、みんなの世話役ね、27歳で1番年上ってことになるわ」トキノは何か守里剣の目の輝きに秘めたるものを感じたような気がした。
ひと通り挨拶を終えたので、セイナも安心し守里もホッとしたように顔が綻んだ。
「まあ、私たちの挨拶はこんな感じね、いきなりだったから気を悪くしないでね」
「ロロナの紹介は済んだみたいだから…悪いけど行きましょうか」
その時、たまたま守里のお腹がグーッとなった。
みんなで思わず笑ってしまいましたが、唯一食事作りで美味しく作れるララがビーフシチューを用意し、夕飯を食べてからということに。
守里はガッついて食べたことによって、
ララも照れた顔になり、みんなも「それだけお腹空いていたなら作ったララも喜ぶわ」
するとララは「そりゃ、悪い気はしないわよ」と照れながら言った。
するとみんなも空腹に気付き食べることにした。
最初の警戒心はほぼなくなり、守里も落ち着いてきた様子。
何だかみんなの気持ちがほぐれた。