「北極星に願いをこめて」 (右脳のひらめき)

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星守る犬 ~死を美化するものではない~

2012年02月29日 19時49分57秒 | 精神哲学 ~魂の筋力をつける朋塾~


こんばんは。

星守る犬という話がありましてね。要は、支えてもらう家族を失った男が、犬を連れて、持病の心臓病を抱えて、車で北上し、誰も知らないところで亡くなったという話なんですけれどね。映画になったんですが、私は見ていて、ひどく胸が温まらなかったんですよ。

当人は、死後6ヶ月経って、発見されるのですが、一緒にいた犬は死んだばかり。

これから先はグロイ話も含まれるので、承知してください。

 

実際に、うちの姑と舅が、こんな感じで、共に生きとしいけるまで、遊んで暮らし、最後の日まで遊び続けたいというんですね。

簡単な話じゃないですよ。星守る犬では、奥さんが、だんなさんに、「もう、あなたを支えていける強い思いが残っていないの」と言いまして、離婚になるんですよ。そして、おじさんは、犬を連れて、心中のように北上して色々なものを観光し、野垂れ死にするわけです。

野垂れ死にする場所は、今では、誰もが入らないとはいえ、人の土地だったり、国有林だったりします。

なんにせよ、誰かが手入れしていて、誰かが必ず見ているんですよね。野垂れ死にされて、半年。第一発見者は、そこで何を見るんでしょうか。メルヘンチックに、犬がおじさんに寄り添って亡くなっていて欲しいのは、私たちの希望です。

 

犬が、仮に、おなかがすいて、おじさんを食べてしまって、食べ物がなくなったので、死んでたら、どうなんでしょうか。

 

見た人にもショックを与えますし、ついでに言えば、奥さんは離婚して他人だとなっても、残っているお子さんはどのように受け止めるでしょうか。残された家族は、どのように、その死を受け止めるでしょうか。その亡くなった人に携わった人の心の中には、どういう悲しみが残るでしょうか。

私は時々、自分でも、自分の体調の悪さが嫌になることはあります。でも、それで自殺をするのは簡単な事です。

 

けれど、それを見て、ショックを受けるのは、家族ですし、第一発見者が上手に家族にならないと言う場合でも、亡くなった後の処置、亡くなるまで持っていた所持品の処分など、問題は山ほどあると思います。遺族が、本当に、これから心中しに行くのだと分かっていて、快く送ってくれる人などいないです。

実質、姑がそういう話をしていた時、息子が、「星守る犬になりたいの?」と聞いたんですよ。

 

死ぬ人には、何ら心残りはないと思いますよ。自殺にせよ、死ぬ人には心残りはない。

 

だけれど、何故、そこまで自己中になるんですかね。老いて子供の世話になるのは、情けないことで、介護施設に入るのは嫌なんでしょう。だけれど、介護施設に入らないで、野垂れ死にしたということは、残された家族がそう望んでのことだろうと、誰もが受け止めると思います。老いた現実では、自分のできることが今までの半分以上で、毎日できないことが増えていく。だからこそ、焦る気持はあると思うんですけれどね。焦っても、仕方がないんですよ。

舅姑に関しては、いまだ、責任を持たなければならない、大姑も残っています。

今の老人が金を握っているのは、有名な話ですが、金を握っていない老人の、老老介護の情けない現実に、もっと国は目を向けるべきだと思うんですよ。ちなみに、私は、介護施設に入るのは仕方がないと思っています。今の世の中、介護を家で行うって難しい話ですよ。うちの父が、殆ど畳で見送ってもらったも同然だったのですが、その父でさえ、病院に行くと当人が決める前に、一旦事切れたようでね。

母が、その後、父に何かあったら困るからと申しまして、当人は病院に行って死ぬと決めたらしいんですね。

ただ、この場合、医者である兄と、看護師であった兄嫁がいてこその賜物だとはおもいますけれどね。ここまでできるのは、余程お金があるか、身内に医者がいないと難しいと思うんですよね。まぁ、なんとも、星守る犬は、心が温かくなったと申しますが、

あれね、心臓病患者には、理想に思えると思うんですけれど、

 

人は最後の最後まで、生き抜いたことを、周りに見せていかなくてはならない責任があるんですよ。例え、どんな人で、どんな人生であっても。

 

 

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4 Comments

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特殊清掃 (はこ)
2012-02-29 21:57:05
朋さんのエントリが、丁度最近読み進めているブログと関連するようで思わずどきっとしました。
http://blog.goo.ne.jp/clean110
実際の後始末はとても文面では表しきれないのでしょうけれど。。
このブロガーも朋さんの様に、人知れず上げているのかもですね。

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Unknown (yaya)
2012-03-01 10:28:22
日本人は人の死を穢れとし、遠ざけ、結果(死んだ人を)美化する傾向にあると、知り合いが申しておりました。

死んだ人を悪く言わないのは、日本人の特徴だとか。

核家族が増え、身内の死を家で看取る事が無くなる事で、死は遠い出来事になり、ますます美化されて行くのかもしれませんね。
返信する
Unknown (Unknown)
2012-03-01 11:45:56
私は書籍の方でしたが、やはり読後は複雑でした。近頃人間の方でそんなニュースがありましたが…。死を理解できる者(犬も子供も)が、慕った者の死を嘆くのなら、そこにわずかでも前向きなエネルギーがありますが、死を理解できない者が、わからないままにやがて…というのは、こたえました。ましてや家族のその後のメンタルを想うと、フィクションとはいえ辛かったです。とても心は温まらなかったのでした。
返信する
コメントありがとう ()
2012-03-01 18:40:45
はこさま

私も実はそのブログの愛読者なんですよ。やはり、こういう仕事上、
特殊清掃を施した跡の物件に住めるか
どうかという話が出てきます。

誰も住みたくないのではないでしょうか。

ありがとう

yayaさま

段々世が過ぎるにつれて、
介護は介護師にという考えが
多くなってきました。

実際に、介護してみると
その介護が壮絶な体験であることに
気がつくと思うのですが、
人の死というモノを美化しすぎるから、
自殺が減らないんじゃないですかね。

よく考えると、この話、犬と心中しに行ったおじさんの話。娘がいたら、
おじさんには、お父さんとして、
最後まで病院で戦い抜いて欲しいと思う
と思います。

死を美化する習性が直らない限り、
こういうものが増えるんでしょうね。

ありがとう。

Unknownさま

後味が悪い物語なんですね。
フィクションとは言え、今は全てを
フィクションと捉えてくれない人が多い。
だからこそ、作り話を現実として考える
人がいないわけではない。心温まらなかったのは、ご一緒だったんですね。

ありがとう。

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