
この芽は前任の学校に植えられていたヤツデの木から
訳あって我が家に持ち帰り、挿し芽をしたのでした。。
その訳とは、
児童ホームの男の子ふたりがヤツデの木を弓なりにしならせて
遊んでいたらしく、折る気は無かったらしいのですが
結果折れてしまいました。
すぐにそのことを先生なりに報告して謝ったのなら
事件にならなかったのですが事実を隠そうとしたりお互いに
なすり付け合うような言動をとったので
責任者の先生は事態を重く見てコンコンと
植物も生きている、傷つけてはいけないと諭しました。
わたしはその日、お休みだったのですが
次の日にその事を聞いて、折れた枝から新しい生命が
誕生することをその子たちに知ってもらいたくて
児童ホームに行き、折れた枝から挿し芽が出来そうな部分を
ふたつ持ち帰りました。
その子たちふたりに立ち会わせて
「この折れた枝はこうして水に浸けていてもやがて枯れてしまうのよ。
でも、この枝がもっと生きたい、死にたくないと思ったら、
新しい命が生まれるかもしれないね。
先生は、そのお手伝いをするために赤ちゃんの芽を持って帰って
大事に大事にお世話します。
そしてこの芽が大きくなったら、ちゃんとごめんなさいを言って
ここに戻して植えてあげようね。」
こどもたちはしっかりとこちらを見てうなずきました。
わたしはもうこの学校の先生ではありませんが
この新しい命の芽を学校の庭に戻すとき
あの子たちといっしょに喜びたいと思います。