リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

水面は誰のモノか 国際的なボート競技開催

2005-09-02 18:42:47 | アユの流し目/雑記帳
長良川で世界ボート選手権が開催されている。

 ボクはボート競技自体には好感を持っていることはまず、断っておく。
 学生時代、ヨット部に席を置いていたことがあって、下宿代を節約にヨット部の艇庫に住んでいたことがあった。すぐ隣に、ボート部の艇庫があって、同じ学部の友人が出来た。そんなこともあって、4人艇を漕がしてもらったり、一緒に砂浜を走って、青春のバカやローをしていた。

 アジアで初めてという、国際ボート選手権の開催。それはめでたい。日本ではマイナースポーツだが、ボート競技は国際的なスポーツだ。特に、ヨーロッパでは競技人口も多いし、格式の高いスポーツ?と見なされているという。
 しかし、その会場がなんで、長良川なんだよ。

 漁師さん宅に行った。いまの季節は端境期で、漁はしていないと言う。しかしだ。
「 長良川の支流に全部オイルフェンスを張った。国交省が来て、ボート競技の間はご勘弁をと行ってきた。迷惑な話だ」
ゴミ流すなということだそうだ。漁師さんは支流にもエビ獲りの網を張ったりして移動することが普通なんだ。

 そんなに水面を守る力があるならば、例えば、琵琶湖とかに国際コースを作って、とんでもないスピードで走り回る、バスボートやらジェットボートやらの規制が出来ないのかね。

 このボート競技はトヨタがメインのスポンサーだ。
国内でどの程度報道されているかは分からないが、国際的には大きな扱いとなっている筈だ。万博と併せて、世界企業トヨタを特に、ヨーロッパにアピールする事には一役買っているに違いない。

 たなびく国旗は51カ国。
まさか、サッカーのトヨタカップの後は、ボート競技を毎年開催なんてことは無いだろうなぁ。
それも、開催時期をアユ、サツキマスの遡上期に変えて。

ニイムラ

追記。
琵琶湖で水面利用に関するシンポジウムが開催されるそうです。
以下転載。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

みなさま

ついに、環境省が日本の非常識から世界の常識に踏み出しました。

支笏湖、本栖湖 水上バイク禁止へ公園計画パブコメ
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6303

次は、河川法(自由使用)ほかの国交省です。

9.11水辺の環境とレジャーを考える全国連絡会 案内です。
禁止に持ち込んだ支笏湖、本栖湖からも参加されます。

            びわ湖自然環境ネットワーク 井上
以下 転送歓迎

水辺の環境とレジャーを考える全国連絡会 

     水辺の環境とレジャー規制を考える

 ~琵琶湖ルールの功罪、賢明な利用にはなにが必要か?~

水上バイクやバスつりなど一部レジャーに伴う水辺の環境被害を食い止めるため、
全国に先駆けて琵琶湖ルール(琵琶湖レジャー利用適正化条例)が施行し3年目の
夏を迎えますが一部の地域で不適切なレジャー利用者が減少することもありましたが、
取り締まり体制の不備のためほとんど地域では実効性が乏しい状況にあります。
水上バイク禁止の方針を決めた本栖湖や支笏湖など各地での取り組みや被害状況の
情報交換を行い、琵琶湖ルールのその実効性について検証したうえで、全国の水辺を
対象とする国レベルでの法規制の必要性について検討するとともに、賢明な利用あり方
について考えます。

日時:2005年 9月11日(日)
   11:00-12:00 現場を見る(大津市柳が崎、航行規制水域ほか)
   13:30-17:00 連絡会シンポジウム
場所:AM琵琶湖柳が崎+PM滋賀県立スポーツ会館(TEL077-522-0301JR西大津駅5分)
http://www1.biwakosportsnow.or.jp/spokan/access.htm
内容:
第1部 ”現場を見る”          (11:00-12:00)   
 集合:大津市柳が崎 びわ湖大津館 前(TEL/077-511-4180JR西大津駅15分)11:00
      http://www.biwako-otsukan.com/2004/access/index.html
  (内容)水上バイク、バスつりの現状を現場 柳が崎 で見る
第2部 連絡会 (勉強会:情報交換、意見交換) 
①水辺利用の適正化への各地の取り組み       (13:30-14:30)     
 本栖湖 水上安全指導員 渡辺浩司さん、
 支笏湖 北海道大学大学院農学研究科 愛甲哲也さん
 長良川、須磨、明石、福井、淀川  
 (内容)地域の利用適正化にむけた地域協議会等の状況、行政の動き     
     琵琶湖ルール施行後の変化(近隣府県への被害移動状況)       
②検証報告「施行後3年を経たレジャー利用適正化条例の功罪」(14:40-15:00)
      びわ湖自然環境ネットワーク 井上哲也
 (内容)琵琶湖の現状と実効性に欠ける琵琶湖ルールの検証と条例改正のポイント  
③賢明な水辺利用への意見交換              (15:00-17:00)
  コーディネーター: 寺川庄蔵 (滋賀県レジャー適正化審議会委員、FLB代表)
  参加者:各地からの参加者、行政(滋賀県レジャー対策室長他)、自然保護団体
    滋賀県レジャー対策室・環境省環境対策調査官事務所・国土交通省淀川河川事務所
  参加呼びかけ先
    県内被害地域関係者 (近江舞子南小松地域協議会ほか)ほか
    自然保護団体関係、議員関係
主催:水辺の環境とレジャーを考える全国連絡会
 (事務局: FLBびわ湖自然環境ネットワーク)
参加申込: びわ湖自然環境ネットワーク事務局長 井上哲也
TEL: 090-3820-8888 E-Mail: 
ttmm@mx.biwa.ne.jp
参加費:500円 (資料、会場費) 
びわ湖自然環境ネットワークホームページ:http://www.geocities.jp/flbiwa/
市民がつくる琵琶湖を守るためのレジャー規制条例案
http://www.biwa.ne.jp/~t-shozo/biwako.htm
テーマ・キーワード: 
水辺の環境、水域の安全、レジャーと規制、自由使用、義務、責任、水上バイク
レジャー客による騒音、悪臭、車両侵入、植生破壊、プレジャーボート、
水質・底質汚染、バーベキュー、ゴミ糞尿問題、レジャー関係者の不法占用、
外来魚、プラスチック製釣具 、現行法律、条令、
協働体制、企業・業界、行政、環境団体、市民、利用者

参考
2004年水辺の環境とレジャーを考える全国連絡会記事 山梨日日新聞:040606
水域環境保全全国連絡会が発足 本栖でシンポ レジャー規制検討も
http://www.fujisan-net.jp/news_main.php?news_num=2139
各地の動き
●支笏湖 北海道新聞050803
「支笏湖、プレジャーボートを全面禁止 釣り舟は許可制 来春から」 
「支笏湖の水上オートバイ、来年度から規制へ」 千歳民報050728
http://www.tomamin.co.jp/2005/cp050728.htm
●本栖湖 山梨日日新聞:050323
「本栖湖の「水上バイク規制」で集約 水質汚染の被害深刻 地元協、県に意見書提出へ

http://www.fujisan-net.jp/news_main.php?news_num=3443
●琵琶湖
水上バイクの航行規制水域設定など 志賀 地域住民ら独自対策  京都新聞050808
県が適正化審に諮問レジャー条例見直し含め  中日新聞050804
http://www.chunichi.co.jp/00/sga/20050804/lcl_____sga_____000.shtml
「訴えは不適法」県側却下求める マリーナ撤去訴訟 大津地裁
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005082300076&genre=D1&area=S00
特に今年は死亡事故(福岡県宗像市、宮崎市、平塚市、静岡)が多いようです。
大阪の海岸では遊泳者が殺されています。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050723STXKG055723072005.html


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 踏まれたのは誰? | トップ | 奄美に台風が接近  台風1... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悲しいです。 (masa)
2005-09-02 23:00:00
ニイムラさんのおかげで、長良川の状況がリアルタイムで知ることができ、嬉しく思います。だけど、長良川で起こっている事実は悲しく思います。



悲しんでばかりではいけないとは思うのですが....。
返信する
二度も (ヒラマツ)
2005-09-03 08:36:51
 そういえば,秋田八郎潟も同じようです.

数年前,八郎潟にいきましたが,あそこの

残った水面もボート競技場として使われていました.本来は米作の集約的農業を行うことを目的にあの豊かであった汽水湖が埋め立てられたわけです.しかし,今,その目的は米の減反で放棄され,やはりボート競技場として利用されているようです.長良川も八郎潟もおなじような運命になっているとは!

これをやったひとたちはわかっているのだろうか?なにか疑問を感じざるを得ない複雑な気持ち.
返信する
突然すみません (ボート競技者)
2006-02-03 15:06:01
こんにちは、関東のとある大学でボートをしている者です。

ボート競技が一般の方々の生活にちょっとお邪魔をしているようなので複雑な気分になりました。私は東北出身の者ですが、八郎潟の件に関しては少し違うような気が致します。確かに減反政策のため、八郎潟の干拓地(埋め立てとは異なります)は稲作だけでなく他の使われ方もされているようです。自然環境も変えてしまったかもしれません。しかし、それとボート競技は全く別の話のように思われます。(ちなみに八郎潟では残存湖ではなく干拓地の中にある中央排水路で行われています)

ボート競技に使われるようになるのはそこまで悪い運命なのでしょうか?漁業関係者に多大な損失を与えたりでもしたのでしょうか?(大潟村でそのような話は聞いたことがありませんが)「川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究」されているのであれば、人間の営みの一つであるスポーツも理解していただきたいものです。(マナーの悪い水上バイク等に関しては我々ボート関係者も閉口しています…)

ボート競技自体は人力のみで行われる地球に優しいスポーツです。岸辺で釣りをされている方にはたまにお邪魔してしますが・・。河川、湖沼の使われ方の問題とボートをごっちゃにされてしまうと、私も悲しいです。

支離滅裂な文章になってしまいすみません。ちなみに長良川で世界選手権が行われるのはしばらくは無いと思われます。国内大会は別としますが。



返信する
ボート競技 (ニイムラ)
2006-02-04 08:56:51
 コメントありがとうございました。

ご指摘のように、八郎潟は少し違いますね。そもそも、埋め立てする前から開放水面は競技に適するくらいの広さが十分にあったと思います。



 ボクは、長良川という河川の問題を書いています。川に河口堰を作った。水面ができたから利用しようという発想なのだと思います。

 ただ、そのことによる弊害は川では大きいということです。また、杞憂が的中しましたが、流れが早く、不均一で国際競技としての記録が抹消されましたね。それは、ボート競技としての利用も問題だということではないか、ということです。

 このページでも書いていますが、ボク自身はボート競技は好きなスポーツの一つです。



 蛇足ですが、あの国際ボートの時、松山の一人の選手がダブルスカルでしたか、で出場していたことを、ドキュメンタリーで知りました。

 同じ梅津寺(松山の浜)で練習した仲、知っていたら、旗もって応援したのにと残念でした。



 ただ、長良川はボート競技には向いていないということです。
返信する
Unknown (ボート競技者(伊東と申します))
2006-02-04 14:13:28
 ご回答いただき有難う御座います。長良川の場合、確かに国際コースという視点では向いていないかもしれませんね(9月にレースを見に行きました)。欧米の場合、レースは流れの無い湖沼で行われることが多いようですから。

 しかし日本で考えると、国際レースの規格を満たす2000メートルで、かつ10レーンの広さのコースを造るとなるとなかなか適当な場所が無いようです(大きい湖や海では波が高く競技に支障が出るので)。広さと水面コンディションの面で長良川が目をつけられたのかもしれません。自治体の誘致もあったかもしれません。

 記録は取り消されましたが、長良川の程度の流れの速さ自体は競技には殆ど問題ありません。

 ただ、一時的にでも川を占有して競技を行うことの問題性は、選手を含めボート関係者は認識していかなければならないと思いました。他の地域でもこの問題はあると思われます。

 マイナースポーツゆえに、活動水域も限られているので一般の人にもっと理解してもらう努力を続けなければいけませんね。



 ちなみに松山の選手とは武田大作さんのことですね。あの方はボート界では王長嶋、イチロー松井のような存在です。現在国内では敵なしです。私も少し話したことがありますが・・。大作さんと同じ水域で練習していたとは、偶然とはいえ凄いですね。



ニイムラさんのブログのおかげで、ボートに対する外からの視点を知ることができました。できれば今後も長良川および岐阜のボートの話を載せていただければありがたいです。

 
返信する
長良川河口堰 (ニイムラ)
2006-02-04 16:30:02
ボート競技は波の影響を避ける為、水深が4m以上無いといけないですよね。長良川のあのあたりは以前はもっと浅かったのです。もっと多様な自然があったのにな、と思っています。

ただ、ボート競技をするために長良川河口堰を作ったわけではないのはもちろんの話です。

 時期的に、あの頃、琵琶湖の内湖を広げて国際コースを作る計画がありました。大阪オリンピック誘致に向けてのものでしたが、内湖の復元なら一石二丁と計画を楽しみにしていましたが…。



 武田さんとは年齢がまったく違います。それに、ボクはヨット部でした。大学の艇庫がボートとヨット並んでいたので、同じ夕日を見ることが多かったのですが。
返信する

コメントを投稿

アユの流し目/雑記帳」カテゴリの最新記事