リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ぼったくりシクロと戦う サイゴン

2011-01-20 11:34:22 | メコン川研究所(メコンの目改題)

「脱中国」加速、ベトナム投資急増 進む工業団地整備 アジア物流基地化(産経新聞) - goo ニュース

 

明日は帰るだけだし、そんなつもりでホテル近くにいたシクロ 自転車力車に乗った。

乗る前に値段交渉して、ドンの紙幣をみせてこれで間違いないかと確認したはずが、トラブルとなった。

まず、二人で5ドルというねだんが、倍になる。

最初の約束と違うと拒否

そして、突然、その値段が10倍なり、高圧的に怒鳴り出す。

やられた。ぼったくりだぁ!

 

彼のぼったくりのテクニックを整理すると。

1.シクロに二人乗れるといって値段交渉をする。

2.中央市場で別のシクロを呼び、二台に分けようとする。これは すぐに拒否した。

3.ホテルの近くで乗ったのだが、ホテルから反対側、交通量が多く外国人には渡りにくい側におろす。

4.ベトナム ドンでしか支払いを受けないといい 法外なドンを請求する。

5.米ドルでも支払いを受けるといい、5分の3のレートで値段をつり上げる。

ざっと。こんなところだ。

彼はひたすら、大声でわめき散らす。

しかし、声の大きさなら、ボクは大抵の人間よりも大きい。つれも一緒になって、反論することになった。

暇だったし、徹底的に付き合うことに決めたのだ。

 

しばらく言い合っていたが、これは長期戦に持ち込めば勝てるな、とふんだ。

道路際の縁石に腰をおろした。

まあ、座れと言った。

かれは、きょとんとしてボクの横に座った。

 

人を威圧しようとすれば、高いところ、そして面と向かって怒鳴った方が効果がある。

横に並んで座って、ボクよりも小柄な彼がどなっても、威力は半減している。

しかも、ボクたちは特に予定もないので、この騒動を愉しんでおこうと思い始めていた。

縁石に座って、喧噪の交差点を見ていた。

 

場所はサイゴン、マジェステックホテルの筋向かいのサイゴン川沿いの歩道である。

かれの同業のシクロ、近所の物売りのお婆さんが集まってきて、ボクたちを取り囲んだ。

彼は集まった連中にこの旅行者がいかに理不尽か ということを演説している(らしい)。

 

さてどうしたものかな、と こちらも 落としどころを考えているが双方、まだ大声での応酬は断続的に行っている。

小さなお婆さんが彼に背を向けて、彼の最初の要求、二人分払いなさいと指を二本出して、目配せした。

結果的にはこの金額になるのだが、まあ、ここは、日本人も恫喝に負けない連中がいることを示そうと、その時点ではこの提案はのまないことにした。

観光地の歩道に人だかりである。

彼の同業者は野次馬というのか、彼の支援というのか集まっているが客も取らなくてはならない。

そこで、客引きする彼らに観光客が近づくと、

あぶねーよ。

高いよー。 気おつけなー

と大声を出すことにした。

これは、かなり効いて、最初文句をいっていた、他のシクロたちは200メートルくらい離れて商売を始めた。

歩道には、ボクとつれと彼の3人が残った。

 

喧噪の中を時間が過ぎていく。

日没までにホテルに帰ればいいや、あと3時間は大丈夫だな。

ミネラルウオータを飲む。かれも大声で怒鳴ったあと、氷水をすすった。

くもりとなり、午後としては過ごしやすかった。

 

ボクたちは最初に彼が言った金額しかしめさない。

時間はすぎ、彼の同業者は客をとって周囲を走っている。

 

客を降ろして、その同業者がやってきて、どこから来たとまじまじと聞くので、

日本だと答えると、首をひねりながら去っていった。

さてどうしようか。

 

かれは時計をみながら、明らかに焦っている。

もう、2倍分くらいの時間も使ったし、金を払うかなと思い始めたころ、

かれはふらりとどこかへ、消え、長さ50cm、厚さは5cmほどの木材をもってふらふらと歩いてきた。

どうやら、実力行使に出るつもりらしい。これが、角材だったら、ボクたちはすぐに逃走していたと思う。

でもその大きな木材では殴りかかろうとしたら、彼がその木材を振りかぶった段階で、隙ができるな。と考えていた。

しかし、危ない状況ではある。

と 連れが彼の元に近づくと、彼は木材を放し、さきほど お婆さんが示した金額は払えと言うのだった。

それは、彼が怒鳴っていた要求額の5分の1だった。

 

シクロに1時間半、二人で乗って、10ドル。

この金額が妥当なのかどうか、よく判らないのでホテルに帰って旅行ガイドなどを調べると、物価の値上がりを考えるとすこし安いくらいの値段だったようだ。

拘束時間、交渉時間をいれたら、最初の取り決めた値段通りだから、まあ良いことにしようと思っている。

 

しばらくして、ホテルの近くにミネラルウオーターを買いに出かけた。

ホテルの前はシクロの停車が禁止されていて、道路の反対側に彼と仲間のシクロがいた。

ボクにどこから来たかと聞いた男が、笑いながら手を振って、シクロに乗れと言っている。

ボクたちと価格闘争をした彼はその横で、ボクたちから目線をそらして、シャツで汗を拭いていた。

 

 

 

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月17日 あの日 長良川で | トップ | ぼったくりシクロの言い分 ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やられたね! (マツベェ~)
2011-01-20 12:51:01
 シクロは昔からぼったくりをしますね.初期の交渉金額で絶対に終わらない.あたしも何度もやられたが,けっして追加を払ったことはない.モトシクロ(オートバイ)でもぼったくりがあります.また,車でもメーターのない車は要注意です.私の場合は初めに決めた金額を無理矢理握らせて,知らん顔をして,そのままどろんを決め込んでいました.
 治安はいいと思いますが,お気をつけ下さい.無事のご帰国を.
返信する
残念なことだ (ニイムラ)
2011-01-20 13:19:51
もし、最初から二人分くらいの請求なら払っていたと思う。
 法外な値段を恫喝的にわめかれたら、闘うしかないよなあ。

 久しぶりにアドレナリン全開。
返信する

コメントを投稿

メコン川研究所(メコンの目改題)」カテゴリの最新記事