リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

ラオス メコン本流ダム建設に着手

2012-11-19 21:27:48 | メコン川研究所(メコンの目改題)
ラオスがメコン川のダム建設に着工。産経WEBニュース

  関連情報
  メコンウオッチより

 メコン川下流(中国を除く)本流ダム建設

  ダム位置図

 ★テキスト版


水資源争いに新局面 ラオスがメコン川ダム着工 ベトナムなど反発
2012.11.10 18:51 (1/2ページ)[アジア・オセアニア]

 【シンガポール=青木伸行】ラオス政府は10日までに、延期していたメコン川でのダム建設に着工した。水資源の確保と環境への影響をめぐりラオスと対立し、建設中止を求めてきたベトナムなど流域国の反対を押し切り強行した格好だ。ベトナムなどは直ちに反発し、水資源の係争は新たな局面を迎えている。

 ダムは、北部サイニャブリ県に建設される水力発電用の「サイニャブリ・ダム」で、7日に着工式が行われた。出力126万キロワット、総工費35億ドル(約2780億円)。2019年に稼働する予定だ。サイニャブリのほかにも、メコン川沿いに9基を建設する。

 人民革命党の一党独裁による社会主義体制を堅持し、1人当たり国民所得が880ドル(約7万円、09年)と貧しいラオスは、20年までに後発発展途上国から脱却することを目指している。ダム建設の狙いは、国内の電力需要をまかなうこと以上に、電力を近隣諸国に輸出することで経済成長の活路を見いだす点にある。

 その顧客が、同じメコン川流域国であり、電力需要が増大しているタイだ。サイニャブリの電力の大部分を買い取り、タイの建設大手チョーカンチャンが、ダム建設も手がけている。

 これに対し、ベトナムとカンボジアは(1)ダムが建設されればメコン川下流の水量が減少し、農業や漁業に深刻な被害がおよぶ(2)とりわけ、年間2300万トンのコメの収穫量を誇り、最大の穀倉地帯であるメコン・デルタが水不足になる(3)下流域の住民6千万人が影響を受ける-とし、建設に強く反対してきた。

 このため、メコン川流域国で構成するメコン川委員会(MRC)は、ダムの建設による環境と水資源への影響に関する調査結果が判明するまで、工事には着手しないことで合意していた。ベトナムは調査に少なくとも10年を費やすよう主張し、ラオスも5月、工事の延期を発表していた。

 にもかかわらずラオスが着工に踏み切ったのは、ラオスに不利な調査結果が導き出される可能性が高く、経済成長を図るうえで背に腹は代えられない、と判断したためだとみられる。

 一方、ベトナム外務省は8日、「自然資源、メコン川については、公正な開発が死活的に重要で、流域国に共通の利益をもたらすものでなければならない。ラオスは調査に協力すべきだ」と、強く反発した。

 
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