☆テキスト版
養殖カキ着卵に新技術 三ケ日・猪鼻湖で実証実験
(2014/1/28 14:30)
|
カキの養殖で従来の方法より多くの卵を付着できる「着卵材」を、群馬高専の小島昭特命教授(70)=材料化学=が開発した。浜松市北区三ケ日町の猪鼻湖で昨年実験し、性能を実証した。各地の海や湖でも応用可能で、小島教授は“猪鼻湖生まれ”の技術の普及に期待している。
着卵材は、腐葉土と炭、鉄を入れた麻袋を縦45センチ、横35センチのポリエチレン製の網で覆った。ホタテ貝を使う一般的なカキの養殖では、着卵を妨げる フジツボが付かないよう産卵直前に設置する必要があったが、新開発の着卵材ではフジツボと卵の付着場所が分離され、水中で放置しておくことも可能になっ た。
猪鼻湖などでの実験には、小島教授の助言を受けて水質浄化に取り組んでいる地元の市民グループ「わらの会」 (前原基二会長)が協力し、昨年8月から毎月設置した。11月中旬に確認したところ、9月に入れた着卵材の一つに約4500個のカキが付いた。小島教授に よると、ホタテ貝を使った方法のおよそ2倍という。
小島教授はアサリなどの貝類の養殖も可能になると話し、「猪鼻湖で誕生した技術で世界中に水産資源を提供したい」と意欲的。
さらに、開発した着卵材は、麻袋の中の鉄と腐葉土がプランクトンを増殖させ、水草の成長を促進するため、「最善の水質浄化策にもなる」と言う。
わらの会は3月、着卵材100個を湖底に設置してアマモを生やす計画。三ケ日中生徒も小島教授の指導を受けてオリジナルの装置の製作に乗り出す。夏目厚司事務局長(62)は「着卵材を使った浄化の取り組みを浜名湖湖岸全域に広めたい」と言葉に力を込める。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます