奈良県での催しが滞りなく終了した。
このまま広島へ帰るかどうかを
決めかねていた。
せっかくの奈良。
観光をするべく新大阪発新幹線を
翌日夕方で予約していた。
が、宿を取っていない。
帰る選択肢もあると思いながら
「お世話になりました」と
挨拶をしながら決心した。
箸墓古墳に行こうと。
箸墓古墳は最も古い時代の
ひとつで前方後円墳。
「大市の墓」として天皇の皇女の墓
ということになっているが
卑弥呼の墓という節がある。
地元である桜井市の人は
そう信じているようだ。
随分前だがある人に
「卑弥呼の墓はどこですか」
と聞いたことがある。
至極当然のように「箸墓古墳」
と言っていたので
以来興味を持っていた。
タクシーで住宅街を抜けて10分。
小高い山の手前に出た。
木が生えている。
りっぱな山にしか見えないが
人力で土を盛ったのでしょうね。
タクシーに待ってもらって
拝所に向かって細い道を行く。
鳥居の正面に立つと同時に
嗚咽する自分なのだった。
あの感情をどう表現すれば良いか
分からない。
運転手さんに見られたら恥ずかしい
と思うが涙がこみ上げる。
近しい人の墓参で感じるのと同じ
積年の気持ちに近い。
「倭国の女王」として
激動の人生を生きたのでは
なかろうか。
倭国は大陸から見て劣った
「卑しい国」だったので
「日ノ巫女」に「卑」という
字をあてがわれている。
卑弥呼はつまり天照でもある。
天照は男神で別に存在したが
同名を付けられたのだとか。
「戒名」という人もいた。
女性をざっくり二つに分類すると
天照系列と稲田姫系列になる。
めちゃくちゃざっくりだけれど
いわゆる側室と正室。
「秒で嫌われる」中には
このテーマも根づよくあって
私は前者に縁があるのを自覚
している。
とにかく秒速で「あなたは女の敵」
と思われることがある。
「どっちでもいいじゃん」と
乱暴になってはいけない。
どっちの女性も協働しつつ
「女性の時代」を謳歌したい
などと思うんです。
「女性の時代が来ました。
どうか力を貸して下さい」と
卑弥呼にお願いをしたら気が済んだ。
折しも桜井市は満開の桜。
2,3日すれば散り始めるだろう。
お花見にはベストタイミング。
でも目的を果たした気がした。
返す返すもスーツケースを
ガラガラ引っ張っていることだし、
桜井駅から新大阪を目指し
新幹線のチケットを取り直して
広島に帰った。
私が帰宅するや麻呂の
甘え方が半端なかったので
1日早く帰って正解だったと思った。
が、桜見物をしとけばよかったかな
というプチ後悔はあった。
で、翌朝テレビをつけたら
なんと奈良県桜井市の桜が満開だ
と報じているではないか!
あまりにタイムリー。
「奈良県の桜」と言えば吉野が
紹介されることが多い。
これも何かの計らいと感謝しといた。
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