映画を見ていて我知らず体が震えたのは初めてかも。
カンヌ映画祭で金賞を取ったのが話題になった本作品。1920年代のアイルランドの英国抗戦が題材になっています。
すごく楽しみにしていたので今年の締めにとっておこうかとも思いましたが、我慢できずに公開初日に行きました。
冒頭は男の人たちが熱くアツくハーリングのゲームに興じる場面。
わぁ♪アイルランドだ~とニヤつく間もなく次の場面で急展開!
全く倣岸な英兵たちが「全ての集会は禁止だ!ハーリングも!」とどなりこんできて、調書を取るから名前と住所を言え!と銃で小突き回しながら全員を整列させました。その中で17歳のミホールは英語読みのマイケルではなく、あくまで自分の名前をゲール語で「ミホール」と答えます。
それだけ、それだけで!母親が見ている前で殺されてしまうのです。
そんな事件があっても予定していたロンドン行きを遂げようと翌日、駅に向かう主人公の青年医師・デミアンでしたが、
そこでまたイギリス軍の非行を目撃し、ついに闘う決意をします。
初めはハーラー(ハーリングのスティック)を銃に見立てて訓練を始めたほど、武器にも事欠く心細い有様でしたが、多大な犠牲を払って徹底抗戦し、とうとうイギリスと独立に関する条約を結ぶまでにこぎつけました。
しかしここにまた更なる悲劇の萌芽が…。
経済的な裁量しか与えられない条約ではイギリスから完全に独立したことにならないとするデミアンたち。
条約はおいおい改正していけばいいからこれ以上闘いを続けて英国軍を呼び戻すようなことにならないようにしようというデミアン兄・テディ派。
仲間割れ…と言ってしまえばそれまでなんだけど、肉親や幼馴染を交えた反目だけにその痛みはそれこそ生爪を剥がされるようなもの。
デミアンが恋人に宛てて書いた手紙に「僕たちは奇妙な国民だ」という一節がありましたが、ほんにねぇ、あの信念の貫き方はどうだ…。
イギリス在住のパキスタン人男性とアイルランド人女性の恋愛を描いた同監督作品「やさしくキスをして…」の中でも、家族総がかりで彼らの交際が引き起こした悲劇を訴えても引くことをしない彼女を見て些か辟易したものですが、頑なに信じる道を行くアイリッシュ像が監督の中にあるのでしょうか。
話を本作に戻すと、あれだけ血なまぐさいお話の中でもアイルランドの緑は圧倒的でした。その中にゴース(ハリエニシダ)の黄色やフクシアのピンクが目立っていました。
それにしても20年代の設定ではあるけれど、ロケ場所探すのそんなに苦労しなかったんじゃないかしら。
(都市部は今、怖ろしい勢いで変化を続けていますが。)
昔の人のいでたちのきちんとぶりも印象的でした。男性はみんなシャツにベストとパンツ、鳥打帽が定番。その上にトレンチみたいなコートを着て匍匐前進は大層やりづらかったと思います。
印象的といえば男性を支える女性たちも凛々しかった。
2時間余りの間、相当体に力が入っていたようで、映画館を出てしばらくは上半身の血がすぅっとひいていくような貧血状態。
帰途、バスに揺られる間も虚脱感でぼーぅとしてしまいました。
カンヌ映画祭で金賞を取ったのが話題になった本作品。1920年代のアイルランドの英国抗戦が題材になっています。
すごく楽しみにしていたので今年の締めにとっておこうかとも思いましたが、我慢できずに公開初日に行きました。
冒頭は男の人たちが熱くアツくハーリングのゲームに興じる場面。
わぁ♪アイルランドだ~とニヤつく間もなく次の場面で急展開!
全く倣岸な英兵たちが「全ての集会は禁止だ!ハーリングも!」とどなりこんできて、調書を取るから名前と住所を言え!と銃で小突き回しながら全員を整列させました。その中で17歳のミホールは英語読みのマイケルではなく、あくまで自分の名前をゲール語で「ミホール」と答えます。
それだけ、それだけで!母親が見ている前で殺されてしまうのです。
そんな事件があっても予定していたロンドン行きを遂げようと翌日、駅に向かう主人公の青年医師・デミアンでしたが、
そこでまたイギリス軍の非行を目撃し、ついに闘う決意をします。
初めはハーラー(ハーリングのスティック)を銃に見立てて訓練を始めたほど、武器にも事欠く心細い有様でしたが、多大な犠牲を払って徹底抗戦し、とうとうイギリスと独立に関する条約を結ぶまでにこぎつけました。
しかしここにまた更なる悲劇の萌芽が…。
経済的な裁量しか与えられない条約ではイギリスから完全に独立したことにならないとするデミアンたち。
条約はおいおい改正していけばいいからこれ以上闘いを続けて英国軍を呼び戻すようなことにならないようにしようというデミアン兄・テディ派。
仲間割れ…と言ってしまえばそれまでなんだけど、肉親や幼馴染を交えた反目だけにその痛みはそれこそ生爪を剥がされるようなもの。
デミアンが恋人に宛てて書いた手紙に「僕たちは奇妙な国民だ」という一節がありましたが、ほんにねぇ、あの信念の貫き方はどうだ…。
イギリス在住のパキスタン人男性とアイルランド人女性の恋愛を描いた同監督作品「やさしくキスをして…」の中でも、家族総がかりで彼らの交際が引き起こした悲劇を訴えても引くことをしない彼女を見て些か辟易したものですが、頑なに信じる道を行くアイリッシュ像が監督の中にあるのでしょうか。
話を本作に戻すと、あれだけ血なまぐさいお話の中でもアイルランドの緑は圧倒的でした。その中にゴース(ハリエニシダ)の黄色やフクシアのピンクが目立っていました。
それにしても20年代の設定ではあるけれど、ロケ場所探すのそんなに苦労しなかったんじゃないかしら。
(都市部は今、怖ろしい勢いで変化を続けていますが。)
昔の人のいでたちのきちんとぶりも印象的でした。男性はみんなシャツにベストとパンツ、鳥打帽が定番。その上にトレンチみたいなコートを着て匍匐前進は大層やりづらかったと思います。
印象的といえば男性を支える女性たちも凛々しかった。
2時間余りの間、相当体に力が入っていたようで、映画館を出てしばらくは上半身の血がすぅっとひいていくような貧血状態。
帰途、バスに揺られる間も虚脱感でぼーぅとしてしまいました。
TBありがとうございます。
争いを描いた作品を観ると本当に心が痛みますね。
同じ兄弟なのに、、、
切なくなりました、、、、。
良かったらもう1回見に行こうと思ってましたが
見てるだけであまりの消耗ぶりに疲れました。
でも見られて良かったです。
あのような風景っていかにもアイルランド~という感じなのですが、もちろん都市部もあるわけでしょう?
さすがにcloud9さんは草花の名前もよくご存知ですね。
あの赤っぽい花はアザミか?なーんて適当なことを考えていました(汗)
ロングコートに銃。あれは義勇軍のこだわりだったのかしら。
こないだコメント入れた時に一緒にTBも送ったつもりでいたんですけど、勘違いだったみたいですね。
あのフューシャ(フクシア)の花は先に口紅の青みピンクの色名として知っていて、現物をみたときに、
おぉまさにフューシャピンク!と感動しました。
アイルランドの特に西部、夏にドライブすると道端の生垣がずっとピンクだったりしてとてもキレイです。
都会といえるのはダブリンとコークぐらいで、それも点のように小さな範囲です。あとはみんな緑・ミドリ・みどり…なのでたまの黄色やピンクがすごく目立つのかも。
アイルランドのみならず、人間の普遍的な部分をも表していて、深い映画と思いました。
カンヌでパルムドールもうなずける作品と思います。
TBさせていただきました~
コメント&TBありがとうございます。
私も体調不良の前にこれだけは劇場で見ることができてほんとうに良かった…と思っています。
また機会があったら心して再見したい作品です。