こ〜んに〜ちは〜
大きなニュースとなったのは、2023年4月をもってチーム8が活動休止することだろう。2014年4月にスタートしたチーム8は、「全国各地のファンのところへ会いに行く」というコンセプトのもと、47都道府県からひとりずつ代表メンバーが選出され、47人で構成されていた。企業のスポンサーがつき、「エイター」と呼ばれるファンの後押しも受けながら、AKB48本隊とはまた違った独自の熱狂を生んでいた。
10月19日リリースの60thシングル曲「久しぶりのリップグロス」でも、選抜メンバー16人中、チーム8からは大西桃香、岡部麟、小栗有以、小田えりな、倉野尾成美、下尾みう、本田仁美の7人が選抜入り。まちがいなく、AKB48の中軸がそろったチームだった。
チーム8の活動休止は発展的な決断?
2019年にメンバーの卒業が続出したときは、小栗が「もっと、みんなでいっぱい色んなところへいって大きな景色がみたい。ねぇみんなまだチーム8でいよう」(2019年4月20日投稿)とTwitterで呼びかけるなどし、苦しい時期を乗り越えた。
当時、新メンバーも多数加入し、雑誌『AKB48 Team8 6th Anniversary Book』で岡部は「『このコたちとまた新しいエイトを作っていきたいな』という気持ちが強いです」と意気込みを語っていた。しかし、「全国各地のファンのところへ会いに行く」というコンセプトを掲げるチーム8にとって、その後のコロナ禍が活動に影響を及ぼしてしまった。また、それまで欠員が出た際はオーディションでメンバーの補充をおこなっていたが、2020年以降は実施されず、現在は17府県の代表メンバーが欠けている状態だった。
これはあくまで希望的観測だが、2023年4月からの活動休止は「整理・刷新期間」ととらえて良いのではないか。1年かけて、コンセプトを含めてあらためてチームの立て直しをはかり、そして2024年4月の10周年記念になんらかのアクションを起こす。そのための発展的な決断だと推察したい。また、前述したようにチーム8に主力メンバーが集中していることも一因として考えられる。AKB48の各チームのパワーバランスをあらためて整える意味合いもあるのではないだろうか。
18期生オーディション開催、17期生の涙の意味は?
日本武道館3デイズの千秋楽公演では、18期生オーディションの開催も発表された(10月9日募集開始)。これにショックを受けて涙を流したのが、2022年5月にお披露目を果たしたばかりの17期生である。
たしかにこの10年を振り返ると、第14期生オーディションが2012年4月18日募集開始、第15期生オーディションが同年12月20日募集開始で、その間は約8カ月。そして第16期生オーディションが2016年8月22日募集開始、第17期生オーディションは2021年12月15日募集開始と期間が空いている。近年では珍しく立て続けにオーディションがおこなわれることで、17期生としては「自分たちが物足りなかったから、すぐに18期生のオーディションがひらかれるのではないか」という戸惑いが生まれ、それが涙につながったのかもしれない。
しかしチーム8の活動休止、そして各チームの再編成もこれから起こり得る状況をふまえると、18期生が出揃ったところで大きな企画が待っていると考えられる。
異例の卒業の多さ、HKT48はこれからどうなる?
AKB48に発展性が見込める一方で、やや波乱がありそうなのがHKT48である。
9月に村川緋杏、坂口理子、下野由貴、10月には外薗葉月、宮﨑想乃が卒業を発表。約1カ月間で5名ものメンバーが活動終了を報告することになった。ちなみに2022年はここまで、田島芽瑠、松岡菜摘ら10名がすでにグループから卒業。HKT48はこれまでの卒業生が1年で5名前後だったことを考えると、グループとして異例の事態と言えるだろう。
特に2022年の卒業生のなかには、4期生の松本日向、宮﨑想乃、5期生の上島楓、水上凛巳花という、本来であればこれからグループの中軸を担うはずの期生もふくまれていた。5月7日に6期生がお披露目されたが、成長途上であることから、卒業生続出による“空白”が今後どのような形で響いていくのか。
ただ、矢吹奈子、田中美久ら大黒柱はもちろん健在。さらに6期生からは最上奈那華という新星もあらわれた。円熟期を迎えているメンバーと新しい世代の混じり合いがグループとしての見どころにもなっており、どのように変貌していくのか楽しみも尽きない。
2021年12月にリリースされた4年ぶり2作目のオリジナルアルバム『アウトスタンディング』も高評価をあつめるなど、作品やパフォーマンス力に関しては間違いがないHKT48だけに、ここが正念場となりそうだ。
このように各グループ、さまざまな変革が起きている。しかし、すべて未来を見据えたものとして考えて良いのではないだろうか。今後もポジティブな意味での新展開がありそうだ。
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