本日は、海外より取り寄せたスターリングエンジンという模型を組み立てます。英国製であります。
精度が高い物というのは、調整が難しいので色々と慎重に行きたいと思います。
これはイギリスのKontax社の製品であり、キットの重さは300g、本を2冊重ねたぐらいの大きさです。
全ての部品を出してみました。
円形の物ばかりです。熱源を効率良く利用しようとすると、設計思想としては基本的に円形になるのでしょうか。
スチロールは部品を内装しているだけでなく、この様に組み立てる際にも利用します。
又、組み立て後も分解、再調整の際に必要になるかもしれないので、暫く保管しておきます。
青いスポンジ(ディスプレーサ)に金属の棒を1/4の深さだけ差し込みます。
この時、既に問題が発生していますが、気付く事無く作業はどんどん進みます。
部品の種類は沢山ありますが、構造は簡素なので助かります。
この中の空気の温度差が動力源になります。又、一般的なエンジンと異なる点は、物理的に接する物が無い、密閉されない事です。動いているところを見ないと分かりづらいですね。(Twitter)
いづれにせよ、とても美しい鏡面です。
柱とOリングの高さを合わせますが、小さくて見えにくいので苦労しました。
何度もチャンバーを回しながら、柱とOリングの高さを微調整します。Oリングは変形するので、完成後も、都度調整し直す事を前提とし、目的の位置より一歩手前で止めておきます。
(マニュアルから抜粋)
徐々に様相が浮かび上がってきます。右にあるグラスは、組み立ての際使用します。
フライホイールという部品を回転させてみます。ここの精度は発注する時から、かなり気にしていましたが、見たところ良さそうでホットしました。
はい、問題発生。写真ではかなり見にくいのですが、青いスポンジ(ディスプレーサ)の取り付け位置が低すぎ、上にある黒い部品(トップ・プレート)との隙間が大きすぎます。部品を外し、調整を繰り返します。
組み立ては終わりました。動作確認をしましたが、少し気になる異音と同時に振動も伝わって来ます。しかし、本来どの程度なのかが分からないので、不具合かどうかすら分かりません。プロが組み立てた実物を直接見る事が出来れば良いのですが。
とりあえず、温度差を得やすい夜に再度、動作確認をします。安定して動き続けないと、分からない部分もあるのです。
両側から見た感じ。
掌の体温と気温の差が約17.5度の環境でテストを行いました。ご覧の様にどんどん加速していきます。
ただ、回転させ始める段階において、手のひらの広げ方次第では熱不足で回りません。温度の伝わりが顕著に表れます。
日光の当たる場所に暫く置き、上側のプレートを温めても回りません。おかしいな... 調査等、今後の課題です。(夕暮れ時に撮影したので、若干実物と色合いが違います。)
複数回の測定の結果、継続して稼働する最小温度差は4℃でした。
一方、10℃以上の温度差があるにもかかわらず動作が遅い時もあり、見落としている条件がある様です。
又、現段階では、完成までの進捗は8割程度であり、微調整しなければならない箇所が見えてきました。
完成までには、もう少しかかりそうです。
(未推敲)
So Beautiful design and movement. #KontaxEngines #StirlingEngine pic.twitter.com/jignC5VNno
— haru san (@Strings440) February 24, 2023
Kontax Stirling Engine
・後日談
周辺の環境が良ければ、太陽光を当てるだけでなんっっっとか回ります。止まりそうになった時は息も止まりそうになりますが。
a Stirling engine runs that uses the heat of the sun's rays. #StirlingEngine #Kontax LTD engine. #MadeinBritainGB pic.twitter.com/1L5ZRoSM3N
— haru san (@Strings440) December 21, 2020
そもそもスターリングエンジンって何?
スターリングエンジンというものは、19世紀初頭に発明された熱をエネルギー源とした機関です。
本稿では「熱効率」と「出力」のみに着目して簡潔に説明します。一言で言うと、熱効率はが高い一方、出力は低い特性を持った機関です。
この図を見ると、むしろガスタービンの汎用性の高さが目立ちます。しかし、何事も適材適所が必要ですし、複数の物を組み合わせる事により相乗効果が期待出来ます。