上州からの山旅

凡人noyamaの山旅の記録

大橋慶三郎さんに山仕事を聞く

2009年06月02日 | GG通信
  大橋慶三郎さん 81歳(昭和3年生まれ)

 
 地球温暖化が問題になっている
 森林は地球温暖化の原因である二酸化炭素を吸収する
 そこで、森林を整備すれば温暖化対策になる
 といった三段論法で森林の重要性が言われている

 しかし
 かつて山村の基幹産業であった林業は
 外材の輸入や木材に代わる新建材などにに押され
 国産木材の価格の低迷と共に
 衰退の一途をたどっている

 木材価格が安ければ生産コストを下げて利益を確保しなければならない
 そのためには
 森林に作業道を網の目の様に開け
 機械力により生産コストを下げなければならない

 そこで
 最近 注目されているのが
 作業道作りの名人「大橋慶三郎」さんなのだ
 
 
 地に這い山の声を聞く大橋さん


 安価で崩れない道作りの極意は「山の声を聞く」ことだそうだ
 「いかに山の状態を読み、道を付けてはいけないところに付けないのが基本」
 と いかにも名人芸の世界 
 禅問答の様で素人にはわかりにくい

 弟子入りして場数を踏まなければ上手く行かないのだろうか

 
 カーブの勘所を話す 岡橋清元さん

 
 大橋慶三郎さんの一番弟子である岡橋清元さんは
 伝統ある林業地帯 吉野で山林経営をしている
 1979年に経営の近代化のため作業道を開設したが
 かえって山を壊してしまったそうだ 
 
 翌1980年吉野を訪れた大橋氏と出会い
 指導を受けて道を開けた
 以来30年弟子として師事しているそうです


 そんなお二人に作業道作りのお話を
 雨が降りしきる現場で
 直接聞くことが出来ました


 
 手前:岡橋さん 中:大橋さん


 昼食時、NHK出演の裏話は面白かった
 河内弁や放送禁止用語を連発するので何回も駄目だしされたそうです
 撮り直しが多くて2日に亘ってしまったのですが
 2日目に違う服を着ていったため編集が効かなくなって
 似た服に着替えさせられたそうです
 放送されたものをよく見ると2種類の服で出ているようです

 今度ラジオ深夜便にも登場するそうですが楽しみです

 
 午後は近くの湿原の散歩をしました

 


 雨で滑る木道も難なく地下足袋で歩く81歳

 「年を重ねただけでは人は老いない 理想を失うとき初めて老いが来る」
 ということの見本が目の前に現れたようです

 


 湿原に咲く 水芭蕉に感激されていました
 雨に濡れるシラネアオイも素敵でした
 
 


 
 

 素人にはよく解らなかったのですが
 その道の名人に会った自分の記録
 聞き上手、書き上手になって記録に残したいものです



 大橋慶三郎
 昭和3年 大阪府大阪市生まれ。専業林家
 
 岡橋清元
 昭和24年 奈良県橿原市生まれ。清光林業(株)代表取締役

 


 宮本常一への第一歩にはほど遠いものでした
 「記憶されたものが記録に残る」

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 【参考文献】
 
  


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