【紀伊田辺~滝尻王子】 令和6年(2024)12月14日(土)曇り/雨
行 程:宿6:40--7:18秋津王子--8:15万呂王子--8:40三栖王子--9:45八上王子--10:35稲葉根峠--10:50稲葉根王子--11:36一瀬王子--12:15ふるさと食堂12:40--12:56鮎川王子--13:16御所平--14:55清姫の墓--15:35滝尻王子13:33==(明光バス 970円)==17:15紀伊田辺駅
歩行距離:25.2km (渡辺浜・八軒家より累計229.5km)
【田辺市】
紀伊田辺駅
6時40分に宿を出るも日の出は7時、まだ薄暗い
田辺市内から秋津川右岸高山寺方面へ渡り、青木歩道橋で右会津川の左岸側へ渡り返す
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71秋津王子 田辺市内宿より2.2km
申し訳なさそうな石碑と古びた解説版、他にも「落合の秋津王子推定値」があるそうだ
左会津川
会津川は国道42号線が渡る上流で右会津川・左会津川に分かれる
天気予報どうり雲行きが怪しい
降ったりやんだりの小雨の中を行く
72 万呂王子 宿より5.5km
道標には「万呂王子跡」と書いてあるが、ここが万呂王子跡だろうか?
標柱の向こうの梅畑の中に『史跡 万呂王子跡』, 『文化財を 大切に』と書いた標柱があるらしい
矢印の方向へ行くと
土道となる
虹が見えたので天候回復と思いきや再び雨が降り出す
雑草道はズボンが濡れる
やはり舗装路は歩きやすい
【西牟婁郡上富田町(かみとんだまち)】
上富田町のマンホールは町の花「さくら」と「やまもも」
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南方熊楠山中裸像撮影場所
南方熊楠記念館には「山中」では無く「林中」とある
山中裸像は神社合祀令による森林伐採に反対するための、パフォーマンスとして撮影されたという
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田中神社 境内の南方熊楠が命名した「オカフジ」は県指定文化財
オカフジは当地での呼び方で、標準和名は牧野富太郎によって命名されたヤマフジ
しかし、熊楠は「キフジ、オカフジと本草図譜巻二十九に出おるものに候。丁度大字岡に産する故オカフジという名が宜しき様に思うも、牧野博士はこれにヤマフジと名を付けあり、小生は既に古くよりキフジ、又オカフジなる名称があるに、昨今ヤマフジと命名するは、如何と存じ候。」
とライバル牧野富太郎に反論している
民家の間を抜ける
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稲葉根峠 宿より11.2km
急坂の昇り降り、ここだけなら山靴でよさそうだが
降りたところも民家の庭の様だ
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75 稲葉根王子 (岩田神社) 宿から11.6km
五体王子、江戸時代には「岩田王子」とも呼ばれていた
スタンプは水垢離のデザイン
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水垢離体験場
参詣者は岩田川(富田川)に出会い禊をし、熊野の霊域の入り口である滝尻王子まで、何度も岩田川を徒歩で渡った。
富田川はオオウナギの生息地。オオウナギは大きいウナギではなく別種
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79 一ノ瀬王子 宿より14.1km
*岩田川の瀬を何度も渡り、滝尻まで行きます。最初に渡るのが一の瀬です。この王子社は荒廃し、江戸時代に再興されて、市瀬王子社、別名、清水王子・伊野王子などと呼ばれていました。明治時代に春日神社に合祀されましたが、昭和四十四年(1969)に現在のように整備されました。
【田辺市(旧 大塔村)】
2005年5月1日に田辺市・龍神村・中辺路町・本宮町との新設合併により、現在は田辺市大塔地区となっている
庚申塔 道標を兼ね「左 くまの」
富田川上流 上鮎川集落を望む
雨も上がり晴れ間が広がってきた
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昼食はこちらの食堂で「三体月 カレー」
三つのフライドポテトを三体月に見立てたらしいが、ルーがは夜風吹かれたか冷えていたのが残念
*熊野の中辺路町や本宮町では、旧暦11月23日に昇る月が三体に見えるという伝承がある
今年は12月23日に観月会が模様される
バス停のお嬢さん
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77 鮎川王子 宿から17.0km
対岸の住吉神社に合祀、標柱には「大塔宮劔神社 川向」とある
対岸の住吉神社には劔神社が合祀されている
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住吉神社 鮎川王子社の社は工事中
明治に劔神社(つるぎじんじゃ)がこの神社合祀され、俗に「お劔さん」と呼ばれるようになった
御所平は後白河上皇の頓宮(仮の宿)があったといわれている
御所平から富田川を望む
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藤原定家の歌碑
「そめし秋を くれぬとたれかいはた河 またなみこゆる 山姫のそで」
丁度今頃の季節かな?
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この道の入口にスタンプ押印所があった
スタンプは道祖神だろうか
また雨が降り出した
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念仏渕
*後白河法皇は頭痛に悩まされて。夢枕に熊野権現があらわれ、「前世のどくろが富田川に沈んでいてどくろに松の根が入り、水の流れに松の根が揺れてそのたびに頭が痛む」というお告げがあった。念仏を唱え髑髏を取り出すとすっかり頭痛は治った。
峠の地蔵
新旧二体の庚申塔
徳本上人名号碑
川向うに滝尻王子と熊野古道館が見える
丁度田辺行きのバスが来たが、熊野古道館で休み1時間後のバスに乗ることに
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78 滝尻王子 五体王子 宿から25.2km
滝尻から奥は御山、熊野の霊域だと考えられてた
スタンプは滝尻王子を描いたものだろう
中辺路の押印帳は田辺駅にある観光協会では手に入らず、ここの古道館で100円で販売している
しかし、押印帳の1番は稲葉根王子であり滝尻王子は4番である、中辺路の起点で手に入らないのはすこぶる不都合
熊野古道館
中でお茶が飲めるのでカフェラテを注文し、展示物を見学してバスを待った
紀伊路から中辺路に入ると舗装路から藪や土道・山道が増えてきた
土道の方が雰囲気はあるし膝にやさしいクッション性も良いので好きだ
しかし、雨降りの日は中々難儀する
アスファルトに供えてクッション性が良く蒸れにくいローカットなウオーキングシューズにするか
山道での雨に備えクッション性は悪いがゴアテックス制のハイカットな靴にするか悩みどころ
舗装路など無い平安時代の熊野詣、藤原定家の苦労を思えばなんていうことは無いのでしょうが
中辺路に入ると現存又は復旧された王子も多いような気がする
これも南方熊楠の功績が大きいのだろうか?
日が経つにつれ南方熊楠の業績が気になる今日この頃であります
地図
参考1:歩く旅シリーズ 熊野古道を歩く 山と渓谷社
参考2:「日本史 小辞典」(改訂版) 山川出版社
参考3:藤原定家の熊野御幸(ごこう):神坂次郎著 角川ソフィア文庫
参考4:熊野まんだら街道:神坂次郎著 新潮文庫
参考5:歴史街道ウオーキングマップ::大阪府都市整備部
参考6:熊野古道紀伊路::和歌山県観光連盟
参考7:み熊野ねっと::自称「熊野の伝道者 てつ」さんのHP、熊野本宮氏子総代
参考8:Pentiumさんのヤマレコ::現存する王子だけでなく、合祀された神社や元あった場所など隈なく歩いている
参考9:日本マンホール蓋学会::各地のマンホールについて詳述している
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