のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

命をかける

2008年05月08日 15時49分16秒 | Weblog
「忠太さんのためやったら、僕、死ねるわ」

遊園地に行ったときだった。一人の利用者がそう言った。

「僕もや・・・」

次々と名乗り出てこられて、総勢8人だったかな、ジェットコースターに乗り込んだ。

ーーー何や、ジェットコースターの話か。

(そうなんです、ジェットコースターの話です。でも、皆、命がけです)

施設から行事として遊園地に行くことがあっても、”これぞジェットコースター”と

いうような代物には皆、乗ったことがない。メリーゴーラウンドに一日中、乗せてお

しまいになるのが普通だった。

今から思うと冷や汗ものだ。利用者のジェットコースター体験は、保護者や施設にば

れようもんなら、即解雇だったかもしれないからだ。

僕は利用者たちに”命をかける”、という体験をさせてあげたかった。

恋愛でも何でも、命がけでなければ埒が明かないことって、一杯ある。そんな難題に

直面したとき、自分はかつて、命がけでこれをしたという体験が一つでもあれば、今

後の人生が変わる思う。対象は、ジェットコースターであろうと、何であろうと一向に

構わないはずだ。

思えば、僕が施設で働き出して、何が人を引き付ける力になっていたかというと、こ

の命をかけるという姿勢ではなかったか。そういう意味では、介護者冥利に尽きる体

験をさせてもらった。人を支えるものは、支えられるのだ。

お袋の介助をしながら、施設で出会った利用者の人たちのこと、よく思い出す。彼等

は、僕の仲間だ。施設を去った今も、彼らの勇気と優しさに、支えられている。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジェットコースター (obichan)
2008-05-08 17:29:37
40歳過ぎてからのジェットコースター、
忠太さんの命がけの姿が浮かびます。
施設の皆さんの、命がけと言いながら楽しそうな姿が・・

・・で、
これは本当に最後までバレなかったのですか?(笑)
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聞きたかった話です (トッペイ)
2008-05-09 00:21:14
 忠太さんの、施設での話を早速聞けて、良かったです。障害者の立場を考えて、どう立ち向かうかという話は、実践に基づかれたものなので、とても参考になります。今後の、展開を期待しています。
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一生忘れない (kayo)
2008-05-10 12:04:19
楽しかったでしょうね、その時は!
皆さんの興奮が目に見えるようです
忠太さんのおっしゃるとおり、人間命がけの経験をしないとこの世で生きてる意味が分かりませんよね
それがジェットコースターでもです

私事ですが、今新パソと格闘中です
中々色んな設定が終わらず自分のブログはお休み中です
画像? ええ上手く移動が出来ました、けどファイルの移動が出来なくて・・・
頭の体操だと思って頑張ります✿
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