goo blog サービス終了のお知らせ 

のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

事故原発で誰が作業しているのか

2011年06月09日 22時34分26秒 | Weblog
布施祐仁氏(ジャーナリスト)が

取材で得た

原発で働いた作業員の証言を

岩波書店発行、雑誌「世界」6月号に

投稿していました。

いくつか紹介します。

(1)まずは、双葉郡出身で、

現在は首都圏の別の東電関連施設に勤務している人からです。

本社から応援要請がきたとき、

自分から手を挙げたと言います。

しかし、恐怖感はなかったのかという質問に対して、

「やっぱり怖いですよ」

とのこと。

「僕らは数日間だけだったので我慢できましたが、

ずっといる東電社員の人たち

さすがに限界にきている感じでしたね。

集中力が切れて、

何か起こらなければいいなと思いました」とおっしゃってます。

マスコミが

東京消防庁の活躍を華々しく報じていました。

それについて、

「みんな頑張っているからそれを否定するつもりはないけど、

地震の時からずっと一番危険な場所で、

爆発に巻き込まれて負傷者を出しても決死の作業を続けてきたのは、

うちら協力会社社員だということを、

もっと知ってほしい。

うちらは涙を流す暇なんかなかった」と言います。

(2)次も東電協力会社の社員。

同じく普段は原発と関連ない施設で働いていたそうです。

危ない仕事だったけど後悔していないとのこと。

「もし、原子炉が爆発でもしたら、

放射能の被害は全国に広がる。

誰かが食い止めなければ」ならなかったからです。

この方の場合、

「たとえ新しい『ふるさと』を用意してもらっても、

そこを『ふるさと』とは思えない」

ということが気持ちの支えになっていたのかもしれません。

(3)浪江町に住む協力会社の社員で、

「どうしても行ってくれと言われたら行かざるを得ない」

という心境を吐露された方もいらっしゃるようです。

「県外に避難した人も

だいぶ呼び戻されているみたい。

みんな『赤紙が来ちゃったよ』なんて言ってるよ」とのことです。

また、この人によると、

「一番危険な仕事をやるのは、

三次請けより下の人たちだろうな。

このあたりには

社員が四、五人しかいない会社がいっぱいある。

うちらは『人夫出し』と呼んでいて、

彼らは日当で働いている。

ヤクザがやっているところもある」そうです。

(4)「人夫出し」会社の人の証言も載ってました。

「いつ抜けてもいいかな」と思い始めていると書いてありました。

報道で言われている

日当ウン十万円どころか、

いつもの日当すら出るかどうかが分らないらしいです。

東電が高額の報酬を呈示しても、

間に入る会社がピンはねすると言います。

(5)放射線管理の男性は、

「通常ではありえない環境。みんな放射性物質の

内部取り込みはしてるだろうなって諦めてます」とのこと。

(6)万が一のとき、補償されるんでしょうか。

東京電力に対する、雑誌「世界」の質問状に対し、

次のような回答が返ってきたそうです。

「基本的に、緊急作業に従事する作業者に対しては、

二五〇ミリシーベルトという被爆線量限度が定められており、

問題は起きないものと認識している。

その前提の上で、何かあった場合には

原子力損害賠償法で対応していくことになるだろう」と。

しかし、細胞レベルで影響を与える放射線に

「安全な量」はありません。

問題があったときの対応として原子力損害賠償法を持ち出していますが、

実際の運用として、うまく機能するのでしょうか。

かつて、一九七七~八二年に

福島第一原発の配管工事などに従事した

元石川島プラントの建設社員の長尾光明さんが、

そのときの被ばくが原因で

多発性骨髄腫(血液がんの一種)になったとして、東電相手に損害賠償請求を起こしました。

国が労災と認定したにもかかわらず、

東電が被爆との因果関係を否定したからです。

法廷で「白黒つけておかんことには死ぬにも死なれない」と語っていた長尾さんでしたが、

一審結審直後の二〇〇七年一二月一三日、

判決を聞くことなく無念の死を遂げました。

結局、一審判決は、病気そのものを認めず、請求を棄却。

控訴審判決は、多発性骨髄腫を認めたものの、

「高度の蓋然性をもって証明されたということはできない」

として請求が棄却されました。

長尾さんの裁判を担当した鈴木篤弁護士によると、

「疫学調査で原発労働者の発症率が通常の五倍(発症率80%以上)まで行かないと、

東電側の責任が問われない」そうです。

また、「内部被ばくの可能性もあったのですが、

それも考慮されませんでした
」と報告しておられます。

最後に、無念の死を遂げた長尾さんの言葉を紹介し、

この稿を閉じます。

とにかく、正直に言ってくれればいいわけですが、

すべて隠すんです。何もかも隠して隠して隠しまくる。

はっきりそういうのがありました、

すみませんと言えばそれで終わりなのに、

それをいちゃもん付けて。飼い殺しならまだいいけどね。

ほんまに使い捨てですわ






最新の画像もっと見る

コメントを投稿