典拠:Валерий Продан @vv3762さんのツイート〔4:36 - 2014年11月28日 〕
―― how lovely〔4:37 - 2014年11月28日 〕――
なんてツイートしている人、Rogoff Alex @RogenAlexVanさんがいた。
僕は、
とてもそんな気にならない。
(ウジ虫が
多数、集結しているぞ!)
としか思わなかった。
ところで、数千年前のアボリジニや古代マヤ文明では
傷の治療にウジ虫が用いられていたという。
その話をしたい。
数千年前のアボリジニとは時代空間を越えて、
実は、ナポレオン戦争や
南北戦争時にも
ウジ虫が傷の回復に有効であることが
目撃されていた。
しかし、情報を受け取っても、みんな半信半疑だったのだろう。
実用化されることはなかった。
しかし、大きな世界戦争を介して、
古代に帰るべく、
ウジ虫の力が本格的に見直される時期がきた。
すなわち、第一次大戦のとき、
二人の兵士が到底、助からないと
放置されたるほどの大怪我をしたはずなのに
元気だった。
診察に当たった外科医、ウィリアム・ベアが驚いて
患部をみたところ、
傷口に数千匹のウジ虫が群がっていたのを発見した、
丁度、上の写真に見る女性の唇のように。
全身総毛立つ思いで、
夢中になってウジ虫を洗い流すと、
そこには
すっかり快癒した
ピンク色した肌が見えたというわけだ。
かくして、
この医師の証言の下、世界中に
ウジ虫の傷口を癒す力が知られるようになった
(「THE BIG ISSUE」(Vol250.2014年Nov.1号)参照)。
最近は研究も進み、
「世界最小の外科医」と呼ばれ、
「マゴット(無菌性ウジ虫)・セラピー」が
提唱されている。
それによると、ウジ虫の力には、
二つの働きがあるとされ、
観察される。
一つは、
壊死部分を食べる働き。
食べる際、
「細菌の増殖を防ぐとともに、
分泌される抗菌ペチプドによって
患部を保護します。
抗生物質を使う場合と異なり、
耐性菌の問題は生じない」とのこと。
もう一つは、
「セリンプロテアーゼという、
物質を分泌して、
繊維芽細胞や毛細血管などからなる未分化な組織である
肉芽組織を育てる手助けをする」こと。
二つの働きの内、
後者につき、
なぜ、ウジ虫がそこまでするのか、
不思議ワールドだと
指摘されるのは、
岡田匡・マミ皮ふ科クリニック医院長だ。
こんな話をされている。
「変だと思いませんか?
彼らがそんな作用をもつ必要はないんです。
腐ったところを食べるのは、
自分の成長のためであり、
細菌を殺すのは自分が生きのびるためです。
しかし、成長すれば、
餌から離れて地面に潜り、
さなぎになった後、羽化して飛び去っていくのですから」と。
なるほど、
言われてみれば、
その通りだ。
もっとも、マゴット・セラピーは、
決して万能の治療法ではない。
その点、
同医師は、
こうも説明される。
患部の血流が
悪い人はそちらを優先すべきだ。
また、再生医療の進歩には目を見張るものがあるから
そちらの受診の方が
適当と判断される場合もある。
しかし、多額な費用を要するというお金の問題とともに
忘れてはいけないことがある。
それは、
必ずしも
再先端治療が絶対ではないということだ。
マゴット・セラピーのよさを軽く見るべきではないのだ、と。
思うに、
ハエの幼虫に過ぎない
ウジ虫が
「人間の肉芽組織を育てる」
という意外な
働き、
ハエと人間との間には太古の昔からある
共生関係を暗示しているようだ。
自然の不思議には
敬意を払うべきと思う。
せめて、
僕も人間の唇の拡大写真を見て
「気色悪いな、うじ虫の集合写真みたいじゃん」
といわず、
「かわいいな、このウジ虫ちゃんたち」
ぐらいのこと、
言えるようにならんといけないかも、
と反省した。
でも、ここだけの話、唇の拡大写真を見るのは、
これっきりにしたくはある。
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