(積極的)傾聴:Active listening

2011-07-12 21:06:00 | 医療用語(看護、医学)
 前期の青学の担当授業は7月4日で終わった。大東は5月の連休明けに開講だったので、8月1日まで続く。

 VIVO連載の「ケアする人々に贈る言葉」の最新版がネット掲載された。題名は「上手な質問」↓
http://www.tokushukai.or.jp/media/vivo/img/vivo29_pdf/p29.pdf


 7月10日(日)は仙台でシンポジウムの通訳であった。「心のケアを考えるフォーラムイン仙台」

 現地の開催担当団体は、仙台傾聴の会。森山さんという元気で、思慮深い代表がいる。会のメンバーは一定の訓練を受けたあと、傾聴ボランティアとして、現在は、仮設住宅を訪問している。

 傾聴は active listeningで、「積極的傾聴」ともいう。共感を示せるスキルとして、カール・ロジャーズ(アメリカの臨床心理学者。看護理論ではジーン・ワトソンに影響を与えた。欧米の看護の文献で共感が説明されるとき、ロジャーズからの引用が多い)が重視したものである。詳しくは、渡部富栄著『対人コミュニケーション入門 看護のパワーアップにつながる理論と技術』(ライフサポート社刊)の第3章「治療的コミュニケーション」に記している。

(治療的コミュニケーション(therapeutic communication)は、クライアント(患者)に対する心理カウンセリングの技術であったが、ソーシャルワーカー、ナース、医師も用いるようになっている)

 (積極的)傾聴とは、簡単にいうと、批判や反論することなく、自分を失うことなく、相手の立場に立って、話をじっくり聴いていく。その中で、相手は自分の問題に気づき、自己変容を遂げていく、ということになる。

 傾聴には、話を促していく言葉や、投げ返し(reflection)など、必要なスキルがある。相手があまりに混乱していると、落ち着けて安定させる術も大切だ。

 災害に伴ううつやPTSDは早期に発見して精神保健の専門家の診察やカウンセリングを受けられるようにする必要がある。傾聴ボランティアとして関わる場合も、基本的な医学的知識も身につけておかなければならない。

 基調講演者は、Ruth Campbell氏。日本の民生委員を見て、ミシガン大学のターナークリニックで、高齢者のピアボランティアの活動を始めるインスピレーションを得たといっていた。Ruthから、今回の仕事の準備として、英語の論文を1つ紹介された。災害ボランティアナースに関するものだ。次回、紹介する。

 

 
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