P. Arbon at al.,  オーストラリアのナースボランティアについての論文

2011-07-16 22:45:26 | 本・論文の紹介(看護)
P. Arbon et al., Australian nurses volunteering for the Sumatra-Andaman earthquake and tsunami of 2004: A review of experience and analysis of date collected by the Tsunami Volunteer Hotline, Australasian Emergency Nursing Journal (2006), doi:10.1016/j.aenj.2006. 05.003

(http://www.public.health.wa.gov.au/cproot/350/2/Australian%20Nurses%20Volunteering%20for%20the%20Sumatra-Anderman%20Earthquake%20and%20Tsunami%20of%202004.pdf)

以下は、内容のまとめ-----------
2004年のスマトラアンダマン地震・津波の際に、現地の支援に入ったボランティアナースの活動の概要が述べられ、そのときの実際の知識とスキルのレベル、それに経験(経歴)と、津波ボランティアホットラインを通じてボランティアに応募してきたナースの知識とスキルが比較され、何が必要かが論じられている。

 このインド洋津波(2004年12月26日)に対して、オーストラリアでは、一般の人々からボランティアをしたいとの強い要望があり、12月31日、政府の国際開発局(AusAID)がAustralian Volunteers International (AVI)と協働して、津波ホットラインを作った。その中に、ナースの資格保持者も含まれた。

 資格、経験、臨床スキル、救急管理経験、外国語能力、パスポート、予防接種の状態についてナースのボランティア希望者の特徴がまとめられている。
 
 災害状況では、何もないところで支援活動をするために、実際に派遣されたナースは、ER(救命救急)、OR(手術室)、ICU(集中治療棟)、軍事関係といったの経験があるのだが(とくに初期の段階ではきわめて重要)、ホットラインへの希望者のスキルや経験はそうではなく、必要な予防接種についても自分の接種状況を把握していない場合があった。
 
 海外派遣の災害ボランティアナースの文脈で述べているが、重要なのは、ナース一般に対して、災害ボランティアに必要な知識やスキルを常日頃より周知するとともに、事前のボランティア研修と、正規の教育プログラムに組み入れていく必要性を強調している。

 また、災害支援は、救急状況から始まり、中長期の段階ごとに重点が異なるので、あくまでも現地のニーズを十分に把握をしてそれにあわせたスキルの配備が必要であるとした。

 オーストラリア全体のナース不足のために、ボランティアで派遣された場合、国内の病院で、ナースの不足が生じないような体制をとる必要があると述べている。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする