10/12記事に予告編を貼り付けました『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』の記録を残しときます。
ただいま渋谷シネマライズエックスにて上映中。渋谷シネマライズの携帯サイトは こちら。
11月6日(金)までのようですよ。ご興味お有りの方、お見逃しのないように!
又、11月7日(土)からは、同じ渋谷ライズエックスにおいて、
『こまねこ』の新作『こまねこのクリスマス ~迷子になったプレゼント~』があります!こちらも楽しみ♪
2009.10.4鑑賞。
お誘いいただいたNAL様、ラッコ庵様、ありがとうございました♪
<↓以下解説引用>
1965年から1972年にかけて、たった4本の短編作品を残し、2007年にこの世を去った伝説にアニメーション作家、ライアン・ラーキン。
わずか25歳にしてアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるなど、瞬く間にその名を世界に轟かせた。
だが、若すぎた成功と創作へのプレッシャーに追い詰められ、やがてすべての栄光を捨てホームレスとして生きることを選ぶ…。
10年後、彼の境遇を知った国際アニメーション映画祭のディレクターが、ライアンを審査員として呼び寄せた。
他の審査員たちは得体の知れない人物の加入に不満を抱いていたが、ある夜、審査員自身が手掛けた作品を互いに鑑賞する上映会で一変する。
ただ人が歩くだけの、わずか5分の短編に、全員が感動のあまり言葉を失った。
その作品こそライアン・ラーキンの傑作『ウォーキング』だった。
審査員の1人、CGアニメーション作家クリス・ランドレスは、ライアンの魅力に引き込まれ、彼へのインタビューを基にCGアニメ作品『ライアン』を制作。
2005年アカデミー賞短編アニメーション部門でオスカーを受賞したことで、ライアン・ラーキンの名は、再び世界の注目を集めることになった。
<引用終わり>
上映されたのは
『ライアン』(2004)監督:クリス・ランドレス
※CGアニメ作家であるクリス・ランドレス監督のオスカー受賞作
『ライアン・ラーキンの世界 特別版』(2004)監督:ローレンス・グリーン
※原題『ALTER EGOS』(互いの他我)とでも訳すのでしょうか?ライアン・ラーキンとクリス・ランドレス両方を対比したかのようなドキュメンタリー(抜粋版)
『シランクス』(1965)監督:ライアン・ラーキン
※木炭画で描いたデビュー作。BGMはドビュッシー。
『シティースケイプ』(1966)監督:ライアン・ラーキン
※『シランクス』以前に作ったわずか1分のテスト作品。ノーマン・マクラレンが絶賛。
『ウォーキング』(1968)監督:ライアン・ラーキン
※アカデミー賞にノミネートされたライアン・ラーキン監督の出世作。
『ストリート・ミュージック』(1972)監督:ライアン・ラーキン
※メルボルン国際映画祭グランプリ受賞。実写・水彩画などを交え、自由なメタモルフォーゼのアニメーション。
『スペア・チェンジ小銭を』(2008)監督:ライアン・ラーキン、ローリー・ゴードン
※ライアン・ラーキンが構想していた復帰作の完成を待たずに、ラーキンは他界。彼の死を看取ったチワワというバンドのローリー・ゴードンが、若手のアニメーターと共に、遺した素材を用いて完成させた。
以上、7作品。
******************************************
以下、あらすじと感想。少々ネタばれありです。注意!
最初に上映されるクリス・ランドレス監督のCGアニメ映画
『Ryan』
まず映画を観ている私たちに挨拶するのが、監督本人。
顔も頭も部分的に異様な(カラフルな)傷がついていたり、消失していたり。
それぞれが精神的な傷だったり、幼い頃のトラウマだったりと、自ら説明する。
続いて現れるライアン・ラーキンも、ほとんど消失していて、スカスカの顔と体。
グロテスクぎりぎりのところなんだけれど、私たちは、これが実在する天才アニメーター、ライアン・ラーキンだと分かって見ている。
何故、こんな姿に?監督によれば“心理的リアリズム”とのこと。(あとで読んだパンフに書いてありました)
昔の自分の作品『ウォーキング』を愛おしそうにスカスカの手で撫でるライアン。
そうか、これはインタビューシーンで、ドキュメンタリーなんだと何となく分かってきました。
ラーキン自身の作品も紹介しながら、クリス・ランドレスとの対話を、毒のある遊びを交えたような映像で見せる。
ラーキンに縁のあった元恋人や昔のプロデューサーの証言。声は本人たち。
途中、ラーキンが激怒するシーンも。
ラーキンは、天才アニメーターと言われたことがすっかり過去のものとなってからも、当時と変わらぬ誇りを持ち続け、人に関わるよりは孤独であることを選んだんでしょうね。
ラストは「Spare change,Sir」とあい変わらず路上に立ち、物乞いを続けるラーキン。
通りを隔てて向かい合うクリスに気付き、うやうやしく大仰に(おどけて)お辞儀をする。
結局、二人の間にはストリート1本が横たわる距離感があったということなのでしょうか。
お互いに、媚びる必要はどこにも無いんだとばかり…。
献辞はバーバラ・ランドレス。クリス・ランドレス監督の母上のようです。(アルコール依存症だった?)
続いて、実写ドキュメンタリーに次いで、ライアン・ラーキン自身の短編アニメ作品
『シランクス』『シティースケイプ』『ウォーキング』『ストリート・ミュージック』
台詞無し、殆どストーリーらしいストーリーも無しの実験アニメのよう。
でも、何と自由なことか…。
心にあふれ出ることをそのまま好きに動かして、自ら楽しんで作った感じがありあり。
チの好きなものの基本です。
心のままに、あふれでる思いを表現したものが大好き♪
アニメってそういうもんだよね^^
アニメに限らず、絵画や文章、あらゆる創作物もそうでしょうけど。
こりゃー、カナダ国立の機関(ナショナルフィルムボード)で創作を続けるのは難しいかもって思っちゃいました。
パンフにもありましたが、意に沿わぬ、国からの依頼の仕事もこなさなきゃいけないってのは、若い、このアーティストには酷だったかも。
NFBサイト、ライアン・ラーキン監督のフィルムへのリンクは こちら。
↑太っ腹!
パソのスペックにもよるけど、HIGH QUALITYでフルスクリーン選んじゃったりすると、DVDで見てるような気分味わえますね。
RYAN (Entire Film)
クリス・ランドレス監督の最新作『The Spine』(『脊髄』っていう意味?)のオフィシャルサイト(カナダ)は こちら。
うーん、ますますキモイなぁ;;;
公式サイト
ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション - goo 映画
ただいま渋谷シネマライズエックスにて上映中。渋谷シネマライズの携帯サイトは こちら。
11月6日(金)までのようですよ。ご興味お有りの方、お見逃しのないように!
又、11月7日(土)からは、同じ渋谷ライズエックスにおいて、
『こまねこ』の新作『こまねこのクリスマス ~迷子になったプレゼント~』があります!こちらも楽しみ♪
2009.10.4鑑賞。
お誘いいただいたNAL様、ラッコ庵様、ありがとうございました♪
<↓以下解説引用>
1965年から1972年にかけて、たった4本の短編作品を残し、2007年にこの世を去った伝説にアニメーション作家、ライアン・ラーキン。
わずか25歳にしてアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされるなど、瞬く間にその名を世界に轟かせた。
だが、若すぎた成功と創作へのプレッシャーに追い詰められ、やがてすべての栄光を捨てホームレスとして生きることを選ぶ…。
10年後、彼の境遇を知った国際アニメーション映画祭のディレクターが、ライアンを審査員として呼び寄せた。
他の審査員たちは得体の知れない人物の加入に不満を抱いていたが、ある夜、審査員自身が手掛けた作品を互いに鑑賞する上映会で一変する。
ただ人が歩くだけの、わずか5分の短編に、全員が感動のあまり言葉を失った。
その作品こそライアン・ラーキンの傑作『ウォーキング』だった。
審査員の1人、CGアニメーション作家クリス・ランドレスは、ライアンの魅力に引き込まれ、彼へのインタビューを基にCGアニメ作品『ライアン』を制作。
2005年アカデミー賞短編アニメーション部門でオスカーを受賞したことで、ライアン・ラーキンの名は、再び世界の注目を集めることになった。
<引用終わり>
上映されたのは
『ライアン』(2004)監督:クリス・ランドレス
※CGアニメ作家であるクリス・ランドレス監督のオスカー受賞作
『ライアン・ラーキンの世界 特別版』(2004)監督:ローレンス・グリーン
※原題『ALTER EGOS』(互いの他我)とでも訳すのでしょうか?ライアン・ラーキンとクリス・ランドレス両方を対比したかのようなドキュメンタリー(抜粋版)
『シランクス』(1965)監督:ライアン・ラーキン
※木炭画で描いたデビュー作。BGMはドビュッシー。
『シティースケイプ』(1966)監督:ライアン・ラーキン
※『シランクス』以前に作ったわずか1分のテスト作品。ノーマン・マクラレンが絶賛。
『ウォーキング』(1968)監督:ライアン・ラーキン
※アカデミー賞にノミネートされたライアン・ラーキン監督の出世作。
『ストリート・ミュージック』(1972)監督:ライアン・ラーキン
※メルボルン国際映画祭グランプリ受賞。実写・水彩画などを交え、自由なメタモルフォーゼのアニメーション。
『スペア・チェンジ小銭を』(2008)監督:ライアン・ラーキン、ローリー・ゴードン
※ライアン・ラーキンが構想していた復帰作の完成を待たずに、ラーキンは他界。彼の死を看取ったチワワというバンドのローリー・ゴードンが、若手のアニメーターと共に、遺した素材を用いて完成させた。
以上、7作品。
******************************************
以下、あらすじと感想。少々ネタばれありです。注意!
最初に上映されるクリス・ランドレス監督のCGアニメ映画
『Ryan』
まず映画を観ている私たちに挨拶するのが、監督本人。
顔も頭も部分的に異様な(カラフルな)傷がついていたり、消失していたり。
それぞれが精神的な傷だったり、幼い頃のトラウマだったりと、自ら説明する。
続いて現れるライアン・ラーキンも、ほとんど消失していて、スカスカの顔と体。
グロテスクぎりぎりのところなんだけれど、私たちは、これが実在する天才アニメーター、ライアン・ラーキンだと分かって見ている。
何故、こんな姿に?監督によれば“心理的リアリズム”とのこと。(あとで読んだパンフに書いてありました)
昔の自分の作品『ウォーキング』を愛おしそうにスカスカの手で撫でるライアン。
そうか、これはインタビューシーンで、ドキュメンタリーなんだと何となく分かってきました。
ラーキン自身の作品も紹介しながら、クリス・ランドレスとの対話を、毒のある遊びを交えたような映像で見せる。
ラーキンに縁のあった元恋人や昔のプロデューサーの証言。声は本人たち。
途中、ラーキンが激怒するシーンも。
ラーキンは、天才アニメーターと言われたことがすっかり過去のものとなってからも、当時と変わらぬ誇りを持ち続け、人に関わるよりは孤独であることを選んだんでしょうね。
ラストは「Spare change,Sir」とあい変わらず路上に立ち、物乞いを続けるラーキン。
通りを隔てて向かい合うクリスに気付き、うやうやしく大仰に(おどけて)お辞儀をする。
結局、二人の間にはストリート1本が横たわる距離感があったということなのでしょうか。
お互いに、媚びる必要はどこにも無いんだとばかり…。
献辞はバーバラ・ランドレス。クリス・ランドレス監督の母上のようです。(アルコール依存症だった?)
続いて、実写ドキュメンタリーに次いで、ライアン・ラーキン自身の短編アニメ作品
『シランクス』『シティースケイプ』『ウォーキング』『ストリート・ミュージック』
台詞無し、殆どストーリーらしいストーリーも無しの実験アニメのよう。
でも、何と自由なことか…。
心にあふれ出ることをそのまま好きに動かして、自ら楽しんで作った感じがありあり。
チの好きなものの基本です。
心のままに、あふれでる思いを表現したものが大好き♪
アニメってそういうもんだよね^^
アニメに限らず、絵画や文章、あらゆる創作物もそうでしょうけど。
こりゃー、カナダ国立の機関(ナショナルフィルムボード)で創作を続けるのは難しいかもって思っちゃいました。
パンフにもありましたが、意に沿わぬ、国からの依頼の仕事もこなさなきゃいけないってのは、若い、このアーティストには酷だったかも。
NFBサイト、ライアン・ラーキン監督のフィルムへのリンクは こちら。
↑太っ腹!
パソのスペックにもよるけど、HIGH QUALITYでフルスクリーン選んじゃったりすると、DVDで見てるような気分味わえますね。
RYAN (Entire Film)
クリス・ランドレス監督の最新作『The Spine』(『脊髄』っていう意味?)のオフィシャルサイト(カナダ)は こちら。
うーん、ますますキモイなぁ;;;
公式サイト
ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション - goo 映画
確かにえぐい…
私も最初に見るのが『The Spine』だったら、拒否反応だったかも
あの愛すべき『ウォーキング』を作ったライアン・ラーキンのことを描いた『Ryan』を先に見たからこそ。
これが、私にとっては受け入れられるボーダーライン。
(「境界線」と書いて「キワキワ」と読む^^)
キワキワってスリルがあって魅力的なのです。
なんのこっちゃ…
クリス・ランドレス監督は、結構冷めた筆致に思いました。
尊敬の念は大きかったでしょうに、懐に飛び込むことはせず、忌憚ない言葉で、ライアンを怒らせたりもする。
さすがNFB。太っ腹!…でしょ?
(◎∠◎)OH!ビックリデース!
>アニメの殿堂はネット
そっか、そうだよね~^^
『ウォーキング』好きですか~私も!
コチャコチャこねくってなくていいよね。
望都さま『まんがABC』の中に「ペンで描く1本の線を愛している」みたいな記述ありましたね。あれ、思い出しちゃった♪
『The Spine』日本公開するかな~?又、渋谷辺りで?
なるほど、と納得です。
あちらにはいけない(そこまでふっきれない)監督の、ラーキンへの憧憬と敬意も感じます。
リンク先素晴らしい!太っ腹!(アニメの殿堂はネットでよいのでは?)
個人的には『ウォーキング』が一番好きです。歩く、それだけでその人のキャラクターを描く。真っ白な紙の上に世界を作り出す、なにかを動かすことの楽しさ、アニメーションの原点を見せてもらった気がします。見ればみるほど凄い、と思っちゃう。
『The Spine』も興味ぶかい。“心理的リアリズム”=肉体破壊的な表現は監督の持ち味なのでしょうが、シュールを通り越して切ないです。情報多謝です♪