シネマるマンガぁ?byちゃとと

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映画『ゆれる』と小説『駈込み訴え』

2009-08-02 17:50:12 | シネマる(劇場編)
7/31に西川美和監督の映画『ディア・ドクター』を見てきました。
感想は又、後日。

西川監督の前作『ゆれる』がとてもよかった。
最近、TVで見直したりしたのですが、その時に又SNSにレビュー書いたので再録。

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映画館で鳥肌が立つような心境になった作品。
わずか1ヶ月間で撮りきった映画とのこと。

“みんないい人”“兄弟は結局真心で通じ合える”そんな安易なテーマではありません。
親密であるが故の嫉妬や憎悪。暗さから目を背けない、文字通り『ゆれる』映画。
西川監督からはサブテキストとして、太宰治の『駈込み訴え』が主演の二人に渡されたそうです。
ご存知の方は「あぁ、なるほど」と合点がゆくでしょう。(私は青空文庫で読み直しました^^)
ユダの裏切りがユダの独白を通して語られるこの小説。
冒頭から堰を切ったように一気にたたみかけられる言葉は、愛情・憧れ・嫉妬・卑屈・怒り・憎悪など、複雑な感情の吐露。圧倒的にグイグイと読者に迫ってきます。
太宰が原稿用紙に書いたのではなく、夫人が口述筆記したと言われているエピソードからも、『ゆれる』と同様、一気に作り終えた作品という共通点が見えますね。

この映画の撮影後、亡くなられたカメラマン高瀬比呂志氏。合掌。

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以前映画館で観た時の感想は こちら

青空文庫『駈込み訴え』は こちら

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