そんなに短編じゃない中編ですが…。
1995年公開のアニメ映画『MEMORIES』(オムニバス3作品)の中の一作品。
改めて見直してみて「凄いなぁ」と思いました。
この映画は『スチームボーイ』の原点とも言えます。
蒸気機関車の走る時代の国籍不明の“とある街”が舞台。
しかし、ナレーションが入ったりのクドクドした説明は一切なし。
そして、ワンカットアニメなんですね、これ。
場面の切り替え編集がなく、カメラはよどみなくワンカットで進んでいきます。
ホントこれにはビックリ。奇跡的とも言えます。
実際には、シーンは時々変わります。
窓の外の景色を俯瞰で撮りながら徐々に移動していったり、絵を写して、その中へ入っていったり、とどまるところのないカメラワーク。
ワンカットアニメと言えば、手塚治虫先生の短編アニメ『ジャンピング』もありますが…。
実写で私が見たのは、ヒッチコック『ロープ』(よろしければ2007.10.29記事)と、韓国映画『マジシャンズ』。(どちらも結構好きな映画です♪)
カメラが切れることなく移動し続けると言うことは、自分目線で話が進むということ。
虚構的でない、実際に起こっていることだとも言えますね。
カット割をバンバンしてスタイリッシュに映像を印象的に見せることを排除する。
アニメでも、実写のように長回しをやろうという心意気が素晴らしい!
大友センセは、マンガも映画も好きなんだなぁと思います。
実際、高校時代は映画漬けだったそうですし、昔、自主制作映画も撮ってますね。
話を少し戻して、この映画、『AKIRA』『スチームボーイ』と決定的に違うのは、メジャーウケを全く期待していないところじゃないでしょか。
キャラクターは可愛くもなく、ヒーロー感情移入も出来ない。
でも好きなんだなぁ、私こういうの。
背景は見事と言うほかはありません。色使いも派手でなく、くすんだ感じ。
独特の世界観は完璧…と言っても、ディズニーやピクサー、ジブリではありえない。
ご本人の初期の短編集『ショート・ピース』『ヘンゼルとグレーテル』(よろしければ2006.6.28記事)に似た空気感。
細密だけど、まとわりつく事のないパサパサに乾いた空気とでも言いますか。
ではでは~~是非是非、この世界を味わってみてくださいね。
『大砲の街』1/3
『大砲の街』2/3
『大砲の街』3/3
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※Wiki読むと女(声)に大友洋子さんのお名前が…奥さんですよねー。
←ぱふ1979年大友克洋特集号より
いい感じにヨーロッパ臭いですよね。
まさに『ヘンゼルとグレーテル』。
はじめて見た時は描き込まれた世界観に、大友氏の美意識を
ひしひしと感じました。
ひさびさに見て楽しい♪
力作ですよね♪
もっと評価されてもいいのになぁ。
14年前は子育て真っ最中で、余裕がありませんでした。
大入りだったのかしら?
それとも一部のマニアっぽい人しか来なかったのかしら?
匂い…『最臭兵器』ですよね。
香り付き映画だったら…臨場感あふれていいかも知れない!
でも、鼻曲がる?
まっそのころマンガ喫茶に堂々と一人で入る中年女性も私ひとりだったけどね。(笑)
漫画界でも「大友以前」「大友以降」と、漫画家さんが分けられる言い方があります。
同じように、大友センセ自身の中でも、「AKIRA以前」「AKIRA以降」という分け方があるように思います。
映画館で中年女性が一人…
私も経験したことあります
「秒速5センチメートル」っていうアニメで。
超満員でしたが、周りは若い男性ばかり
マン喫!私も堂々と行きたいです!